西尾久で密かに進む「ニューニュータウン西尾久」プロジェクト

ニューニュータウン西尾久プロジェクトのハブとなる「おぐセンター」の完成イメージ図(荒川区西尾久2-31-1)

みなさま、こんにちは、荒川102記者のイナガワ_アラカワです。

荒川区の西尾久エリア、旧小台通りを中心に、新しいプロジェクトが始まります。いや、正確にいうと準備はかなり前から始まっていたようですが・・・私は全然知りませんでした(汗)。というわけで、今回プロジェクトを進められている「東京R不動産」さんに潜入取材をしてきました。

「東京R不動産」さんといえば、古い住宅をリノベーションして、ものすごくオシャレにしてしまう集団というイメージですが、なぜ今回このようなプロジェクトをはじめたのか、そしてなぜ西尾久なのか?などなど気になる点を聞いてきました!

取材にご協力いただいた、東京R不動産の(写真左から)石井さん、岡崎さん、千葉さん

記者:
始めまして、荒川102で記者をしておりますイナガワ_アラカワと申します。本日は、荒川区の西尾久で「東京R不動産」さんが取り組まれている「ニューニュータウン西尾久」プロジェクトについて聞きたくてお伺いしました。よろしくお願いします。

本題に入るまえに、まずは「東京R不動産」さんについて伺いたいのですが、私のイメージする「東京R不動産」さんは、古い住宅をリノベーションすることで、ものすごくオシャレにして仲介する会社というイメージですが、そんな理解であってますか?

千葉さん:
そうですね。いまでこそ、一般的になってきましたが、こだわりのある古い物件を探す方法ってそれまでなくて、私自身も古い団地が好きなのですが、古い住宅に価値を感じて好きな人がいる一方で、それをマッチングさせるサービスがなかった。だから私たちは、古いものに価値を見出し、住みこなす人達に向けて「東京R不動産」というサービスを作りました。

東京R不動産WEBサイト

記者:
現在、荒川区の西尾久で準備されている「ニューニュータウン西尾久」プロジェクトとは、どんなプロジェクトなんでしょうか。

千葉さん:
都電荒川線の小台駅から伸びる商店街の中に、みんなが気軽に集まれる場所を作って、この地域で活動をしている人や、住んでいながらも地域とのつながりを持っていなかった人たち、持ちたくても機会がなかった人たち、そして新たに興味をもってこの地に集まる人たち、そんな人達が出会い、みんなが、この地域を好きになる。そんなきっかけになるプロジェクトにしたいと思っています。

そのための一歩として、地域の人たちが愛着を持って毎日通いたくなるような、まちの中心になるスペース「おぐセンター」をつくります。「おぐセンター」は1階が「食堂」、2階が「イベントスペース」で様々なイベントを開催します。同じ建物の中には串カツ専門店の「にしかわや」さんも入り、この地域の方々が気軽に集まれる場にします。

「おぐセンター」になる建物、1階左の白い店舗が串カツ専門店の「にしかわや」さん

また、周辺には他にも毎日通いたくなるような魅力的な3つのお店がオープンします。ギャラリーの「ブランケット」さん、器店の「GEZELLIG」さん、そしてコーヒーやお酒も飲める古書店の「BOOKS ON THE ROAD」さん。

毎日通いたくなるお気に入りの店があって、その店に愛着を感じる暮らしが始まる。やがて店は人が出会う場になって、人と人の間にも愛着が生まれ、それがまちへの愛着へと広がっていく。さらにそんな暮らしに共感して、このまちに移り住んでくれる人たちが増えたら素敵だなと考えています。

そして、新しく入ってきた人たちと、これまでここで暮らしてきた人たちをつなぐ場になる。それが僕らの考えている「ニューニュータウン西尾久」プロジェクトです。

 

■先行して9月8日(日)よりオープンされている「BOOKS ON THE ROAD」さん

古書を中心に取りそろえる本屋さん。特に、店主の趣味である旅や冒険に関する本が多いそう。
すべてDIYで作られたという居心地のよい店内では、コーヒーやお酒をいただくこともできる。

「BOOKS ON THE ROAD」店主の吉田さん

※詳細は、改めて「荒川102」でレポート予定

BOOKS ON THE ROAD
荒川区西尾久4-12-34
月曜日定休(月曜が祭日の際は火曜日休み)
15:00~23:00
※休日、時間は変更の可能性あり
TEL:03-6874-7589

 

記者:
なんで荒川区の西尾久を選ばれたんでしょうか?

千葉さん:
西尾久には、一本の長い商店街が通っていて、かつては自転車で走れないほど賑わっていたそうです。それなのに今は人影もまばらで、シャッターが閉ざされた通りになってしまっています。本来は価値の高いエリアなのに、今は価値が目減りしている状態。

そういった地域の課題を解決したいという前提があって探していたところ、最終的に5つの地域に絞られました。その中で実際に地域の方々と話していくなかで、この西尾久には地域に愛着をもって暮らしている方が多く、下町ならではのオープンマインドな文化がある。

そして、とてもニュートラルで、”外物(そともの)”を排除したり色眼鏡でみたりせずに、受け入れてくれる風土があり新しい人たちも入ってきやすい。そんな懐の深さを西尾久に感じました。

実際に、プロジェクトの準備段階から、地域のいろんな人が積極的にかかわってくれていて、自分たちの地域をよくする意識が高く、私たちも日々愛着が深くなっています。

東京R不動産の千葉さん

記者:
このプロジェクトが実現する理想の姿は、どんな姿でしょうか?

千葉さん:
主役は、まちに住む人たちです。私たちも愛着を持ち始めて、まちに能動的に関わっていきたいと思っていますが、地域の方々にどんどん前に出てもらって、一緒にこの地域、そして暮らしの中に楽しさを作りだしていければと思っています。

商店街で今シャッターが下りている店舗も貴重な余白で、いろいろと活用できる。そこに楽しさ、おもしろさ、を入れ込むことができれば、このまちで暮らすことが、もっともっと楽しくなると思っています。

新しいまちをつくって、エリアのイメージを変えて、住む人を入れ替えるという発想ではなく、エリアの魅力を最適化して、昔から住んでいる人達と、新しく住む人たちが混ざり合って、家と駅のピストンで終わるのではなく寄り道して会話できる。

そんな複数のつながりや、コミュニケーションが生まれ、このエリアに住んでいる人はもちろん、新しくこのまちにきた人も、このまちが好きになり、自分の帰るところ、安心できる住処だと思えるような感じ。そして、副次的にまちの課題解決になっている。そんなプロトタイプを目指したいと思っています。

記者:
私も今、どんどんと商店がシャッターを閉めている商店街の中に住んでいて、同じような課題を感じているので、とても共感します。今後の取り組みも楽しみにしています。本日はありがとうございました。

<記者雑感>
私も、良いお店がありながらも、今やいわゆるシャッター通りとなりかけている商店街の中に住んでいて、同じような課題を感じているので、お話を聞いてすごく納得しました。

新しい町をつくるのではなく、今の資産を最適化して、そこに住む人たちが楽しく過ごせるステキなまちにする。進みはゆっくりかもしれませんが、きっと良いサイクルが回り始めると、ぐんぐんと魅力的で素敵なまちになりそうな予感がします。

これから、いよいよプロジェクトも本格的に動き出し、様々な取り組みを構想されているそう。荒川102でもこの取り組みを追っていきたいと思います。これからが楽しみです!

9月14日の土曜日に、オープンイベントが予定されているので、気になる方はぜひ足を運んでみてください。私も行きます!

■9月14日(土曜日)のオープンイベント情報

【おひろめイベント開催!】あたらしく開く5店舗合同で、おひろめのイベントを開催します!

午後1時ぐらいからゆるく始まって、いくつかの店舗で順にイベントをしていく感じです。絵本作家の松田奈那子さんや、荒川商業高校の生徒さんなど、地元の方々に参加してもらって、楽しくやろうと思っていますので、お時間があったら、ぜひ遊びにきてください。
※「おぐセンター」はまだ工事中なので営業はしませんが、イベントだけ開催します。

 

◎住所
東京都荒川区西尾久2丁目31-1

◎交通
都電荒川線:小台駅から徒歩にて約5分
JR宇都宮線・高崎線:尾久駅から徒歩にて約10分
JR山手線・京浜東北線:田端駅から徒歩にて約15分

◎地図

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