あるがままの自分でいられる…荒川区初のフリースクール「アルママ」

約30万人の小中学生が不登校……過去最多に


文部科学省による2023年10月の報告によると小中学校における不登校の子どもの数は299,048人。

前年度から54,108人(22.1%)も増加し、過去最多となりました。小中学校に在籍する子どものうち、3.2%が不登校という計算です。

これら不登校の子どもたちやその親御さんたちにとって、登校以外の選択肢となるのがフリースクール。子どもたちが安心して学び、育つための環境が、運営母体の趣旨に沿って提供されています。

荒川区で初めてとなるフリースクール「サドベリースクール アルママ」が2023年に開校されたと聞き、運営メンバーの皆さんにお話を伺ってきました。

サドベリースクール アルママは、開校と同じ年に開催された荒川区ビジネスプランコンテスト2023で最優秀賞を受賞。早速その取り組みが注目されています。

 

悩みぬいて親子で決断した、学校に行かない選択……一軒家を購入しアルママをスタート


伺ったのは荒川1丁目の住宅街にある一軒家。荒川区役所前、三ノ輪、三河島の各駅から徒歩数分の場所です。

「スクール」というイメージとは異なる外観ですが、なんとアルママ代表の園田たきねさんが私費を投じて購入したものなのだとか。

開校にいたった経緯も伺ってみました。

「私の子どもたちも不登校を経験しています。学校に行きたがらないわが子を、当初は無理やり登校させていました。

3人の子育てと、会社員としてのフルタイムの仕事、そして家族の看病。これらの両立で忙殺され、私にも余裕がありませんでした。

そんな中で出会ったのが、コミュニケーション技術のひとつ『コーチング』です。コーチングは、相手の気持ちに寄り添い、成長・変化を促します。

子どもと、そして自分自身と向き合ううちに、子どもが『みんなと違う道』を歩むことに私自身が不安感を覚えていることに気づきました。

やがて世の中はコロナ禍となり、ストレスから長男が不眠症に。明け方までわが子と解決法を模索する毎日を送るなかで、長男と二人で学校に行かない選択をしました」

 





子どもの生きる力を100%信頼する、サドベリースクールとは


その後、フリースクールについて調べるようになった園田さん。「サドベリースクール」に一目で惹かれたといいます。

サドベリースクールの理念は、「子どもの生きる力を100%信頼する」というもの。

大人から指示や命令をされなくても、子どもは自分の生き方を知っているという考え方なのだとか。

人々がもっているそれぞれの個性を活かすコーチングにも通じる考え方で、ストンと腹落ちしたそうです。

カリキュラムもテストもなく、1日中、好きなことをして過ごしていい。
自分自身の子ども時代を振り返ったとき、感情を押し殺しながら通い続けていた学校のことを思い出しました。

「私も、この学校に通いたい!」

夢中になって調べつつも、本当に自由にしていてその後の人生は大丈夫なのだろうか?と考えることも。

「もともと理系思考」という園田さんは、サドベリースクールに関する客観的な情報を探し、アメリカのスクールでの調査結果を発見。

卒業生の85%が幸せを実感しており、個性を活かして、情熱を持って職業についているというエビデンスにたどり着きました。

この結果を見て、園田さんはサドベリースクールを自ら開校する決意を固めたそうです。

多くのフリースクールにとって維持費が課題であることを知り、清水の舞台から飛び降りる思いで一軒家を購入。その1階でサドベリースクール アルママをスタートさせました。

 

発達や成長のスペシャリストが集合! 子どもたちをサポート


子どもの個性を活かし、自主性を重んじるということは、見守る大人にもスキルが求められます。

サドベリースクール アルママの特別顧問には、道灌山学園保育福祉専門学校の講師、塚田 幸子氏が就任。

スタッフには公認心理師、コーチ、保育士、社会福祉士といった有資格者を中心としたメンバーが集まっています。

子どもたちの「やりたい!」と思う気持ちを実現できる環境を作るため連携しているのが強みです。

登校日はコースによって週1〜2回。さまざまな年齢の子どもたちが集まり、ミーティングを開いてそれぞれが納得した上でルールをもって活動します。

室内で創作活動をする日や、近くの公園で遊ぶ日。電車に乗って遠出をすることも。

生きていく力、稼ぐ力を育むことに注力しており、自主性を身につける学習方針です。使うお金も子どもたちで管理します。

 

子どもにたくさんの選択肢を提供したい……サドベリースクール アルママがチャレンジすること


園田さんに、これから行いたいことを伺ってみました。

「不登校という『勇気をもった選択』をした子どもたちを尊重したいと考えています。

そして、選択するのは子ども自身であっても、その選択肢を作るのは大人の役割です。

さまざまな職業があることに気づけるよう、地域の企業、商店、その道のプロから学ぶ社会体験や職業体験を行います」

 

まず直近で予定されている企画は、5月31日(金)の「東京都が派遣する講師によるマネー教育」。生きていく力を育むため、アルママではマネー教育にも力を入れています。

>> イベント詳細「東京都が派遣する講師によるマネー教育」
(申込期限 2024年5月20日)

さらにその先にも、日本発祥の競技であるドローンファイトを体験するイベントや、親子で焚き火を囲むイベントを企画中です。

ドローンは空撮や農薬散布、高所の点検などさまざまな仕事で活用されています。

焚き火イベントでは、焚き火を中心にアウトドアアクティビティを企画運営している人と、子どもの接点を作ることで気づきとなる機会を創出するそう。

社会的自立を目的とした活動を積極的に取り入れて行きたい……サドベリースクール アルママ公式ページのブログやInstagramには、現在も日々の活動がアップされています。

 

最後に、園田さんから不登校問題の解決に向けてコメントをいただきました。

「私たちの調査では、荒川区には現在わかっているだけで400人以上の不登校児童(小規模小学校 3校分)がいます。

不登校、フリースクールを取り巻く問題は、まだまだ理解が進んでいません。ぜひ私たちの活動について知っていただきたいと思います」

関心がある人は、以下のリンクからサドベリースクール アルママの活動をチェックしてみてください。
説明会、見学体験も受付中です。

<施設情報>

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です