日暮里 斎藤湯

日暮里 斎藤湯は、昭和9年に谷中湯として創業、昭和23年に斎藤湯として今の場所に移り、現在の湯主で3代目。
日暮里 斎藤湯を、荒川102が最後に取材したのが2015年4月。リニューアルを終えたばかりの頃だった。それから10年。リニューアルしてからの10年と今後について、湯主の齊藤 勝輝氏に伺った。
日暮里 斎藤湯は、朝9時にボイラーを入れて、閉湯の午後11時にボイラーを切る。スタッフは多く働くが、齊藤氏は毎日欠かさず開湯から閉湯まで目を配っている。1944年生まれの82歳。まだまだ現役で湯主を勤めている。
湯主の齊藤 勝輝氏インタビュー

質問:リニューアルして10年が経ちました。この10年間は日暮里 斎藤湯にとってどんな年でしたか?特にリニューアル前と比べてどの様に変わりましたか?
「リニューアルは、もちろん施設の老朽化もあったのですが、時代の変化にあわせて変えていかなければ行けないと言う思いを強く抱いてのことでした。銭湯は、下は0歳から上は90歳まで、客層が幅広い商売です。しかし昔の銭湯は個々の嗜好関係なく、熱い湯船が2,3あるだけでした。しかし客層や時代を考えて、子どもも入れるぬるま湯の湯船、涼める外湯など、様々な湯船を作りました。その甲斐もあって、家族連れや若い人たちが多く集まるようになりました。またこれまでのご中年やご高齢のお客様にも、銭湯本来のコミュニケーションの場として喜んでいただいています。」

質問:幅広い年齢層に応える銭湯作りもそうですが、バリアフリーも徹底されていますね?
「はい。入り口のスロープはもとより、手すりの設置、浴場のタイルもノンスリップタイル等、ご老人に優しい銭湯であることもリニューアルの時に心がけました。車椅子のまま入れるようにすることも考えはしたのですが、車椅子の車輪は下足と一緒と考えられたり、中の構造を考えると、そこは介護施設やデイサービスに任せることにしました。またもう一つ、女性が働きやすい場、女性のお一人客も起こしいただける銭湯にもしたく、受付は番台でなくカウンタースタイルにしました。おかげさまで明るい雰囲気になり、リニューアル前に比べて女性のお客様や若いお客様も増えました。またこれも時代の流れなのですが、以前はうちだけでなく、女子風呂で具合が悪くなったお客様がいらした時には男性が普通に入っていましたが、女性スタッフが駆けつけられるようにもなったので、若い方にも安心してご利用いただけています。」
質問:具体的に、ここ10年でどの程度来湯者が増えましたか?
「そうですね。リニューアル前の倍以上、あるいは最盛期以上ににぎやかになったと思います。ただ私は東浴信用組合の理事も勤めており様々な銭湯のお話を伺うことが多いのですが、これはうちに限ったことではなく、時代に合わせて投資決断をした全ての銭湯に言えることです。時代に合わせた改修をしてお客様が増えていないところは今のところ一つも見ていません。」
質問:今後に向けた抱負をお聞かせください。
「難しいですが、10年一昔。例えば昨今の電子マネーの普及とか外国人旅行者の急増とか、10年前には想像できなかったことが毎日のように起こっています。しかし銭湯は常に、声が響く一つ大きな屋根の下で、たくさんの人にお湯とコミュニケーションと安心を感じてもらうためにあります。これを忘れずに一つ一つ対応して前に進みつつ、常にお客様に寄り添う銭湯でありたいと考えています。」
本日はお時間をいただきまして、ありがとうございました。

毎日丁寧に掃除される清潔感のある湯船

小生が荒川区で販売している写真ポストカードも置いてありました。
取材・写真・文章 若色写真事務所
<店舗情報>
- 店名:日暮里 斎藤湯
- 住所:荒川区東日暮里6丁目59−2
- 電話番号:
- 営業時間:14:00-23:00
- 定休日:金曜
- Instagram:@nippori_saito_yu