2021年に入りました。
皆さんいかがお過ごしですか?
年が明けましたが今年はstay home推奨のお正月となりました。
初詣でをどうしようかとお悩みの方も多いでしょう。
神社庁からは今年は「分散詣で」が推奨されています。
三が日などにこだわらず、行けるときに、ゆったりと地元の神社に詣で、地元の神様に昨年無事に過ごせた感謝を述べ、今年のご加護を祈願する。
普段都内や近郊の大型の神社に行く方も、これを機にぜひぜひ地元の神社を知っていただければと思います。
実は荒川区の神社、どれも長い歴史を誇る由緒正しき神社ばかり。
それぞれの神社は、それぞれの土地と歴史に沿ったユニークな顔を持ちます。
荒川区にはいろいろな町がありますので、散策がてらいろいろな神社を周りつつ、視線を広げて周辺地域についてもちょこっと学んでみるのもなかなか楽しいですよ。
この特集では、各地域で氏子町域をもつ主な神社を1日使ってぐるっと簡単に巡れるコースを意識して紹介してみたいと思います。
それではぶらりと巡ってまいりましょう。
・石浜神社
・胡録神社
・素盞雄神社
・尾久八幡神社
・諏方神社
・元三島神社
石浜神社(しんめい様) 旧郷社
住所:荒川区南千住3-28-58
724年に勅願により建立された創建1300年弱となる神社であり、旧社格で郷社と位置づけられています。
こちらが祀る神様は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)と豊受大御神(とようけのおおみかみ)。
こちらの神社は荒川区としては東端にあたり、白鬚橋のたもと、隅田川のほとりにあります。
なんといっても、朝一番、冬の青空のもとに訪れるのがオススメ!
開放的な空の抜けがまことに爽やかな気分にさせてくれます。
この辺りは江戸時代には銭座として銭を鋳造していました。
隅田川を往来して銭を運んでいたんですね。
また、石浜神社は古くから富士山の眺望の良い場所として有名だったとのことで、富士塚があります。
境内は広く、今年オープンしたばかりの真新しい茶屋もあります。
胡録神社(第六天) 旧村社
住所:荒川区南千住8-5-6
汐入の氏神様である胡録神社は汐入の高層団地街の中にあり、石浜神社からは歩いて15分ほど。自転車であれば5-6分で到着するでしょう。
同じく隅田川沿いにありますが川から少し中に入っており、対岸は足立区となります。
創建は1561年。川中島の戦いに破れた上杉謙信の家臣がこの地に面足尊(おもだるのみこと)、惶根尊(かしこねのみこと)の二神を祀ったのが始まりと伝えられているのだとか。遠く古の時代に北信の山奥からこの土地まで逃れてくるのは相当な苦難だったことが思われますね。激戦を振り返って平和を祈ったのでしょうか。
胡録神社にはこの地で盛んに作れられていた「胡粉」を挽くのに用いられていたとする石臼が展示されています。
胡粉は貝の貝殻などから作られるに白い顔料で、日本画や人形のおしろいなどに使われていました。
胡録神社を出てすぐの場所には営団地下鉄日比谷線の車両基地や、JR貨物の隅田川駅などもあります。
鉄道好きの方はそういった車両基地を眺めながら次へ向かうのも楽しいですね。
素盞雄神社(千住天王) 旧郷社
住所:東京都荒川区南千住6-60-1
胡録神社の次はLaLaテラスを超え、南千住駅からコツ通りを北上します。昭和通りとの交差点にたどりつけば、目の前に素盞雄神社(すさのお神社)を見ることができます。
荒川区内で最大の氏子町域を抱える素盞雄神社は創建795年。石浜神社に次ぐ歴史を誇る旧郷社格の神社です。
祀る神様はその名の通りの素盞雄大神(スサノオ大神)、そして飛鳥大神(アスカ大神)の両神であり、広く厚い崇敬を受けています。
昭和通りのすぐとなりという喧騒の空間にあるにも関わらず、境内に一歩入れば樹齢500年以上と伝わる大きなイチョウなどの神木が巷から神域を隔絶。厳かな空気で訪れる人を包んでくれる神域感抜群の神社です。
尾久八幡神社(おぐはちまん) 旧村社
住所:東京都荒川区西尾久3-7-3
素盞雄神社を訪れたあとは、日暮里・町屋を飛ばして自転車、または三ノ輪橋から都電で一気に西尾久へ向かってみましょう。
次に向かうのは宮の前停留所の目の前にある尾久八幡神社。
尾久八幡神社の創建時期は定かではないですが、現在も残る棟札から南北朝時代以前に創建されたことは確認されており、少なくとも600年以上の歴史を誇ります。
祀っているのは応神天皇。第15代の天皇であり、仁徳天皇の父親でもあります。古くから源平の武家に武運の神として崇敬されました。
尾久八幡に訪れる際に是非注目してほしいのは塀つたいにある波模様の歩道。
こちらは「八幡堀プロムナード」と呼ばれ、江戸時代に存在していたお堀の様子を再現したものです。
このお堀は地元の小学生たちが古地図を元に発見したことで知られており、周囲には様々な記念物があるので一つひとつ探してみると面白いですよ。
諏方神社(おすわさま) 旧村社
住所:東京都荒川区西日暮里3-4-8
日暮里谷中、西日暮里駅を見下ろす丘の上、樹木に包まれて静かなときを刻んでいるのが諏方神社です。
尾久八幡神社を訪れた足で近くの「熊野前駅」から舎人ライナーに乗り、西日暮里駅で降りると徒歩5-6分で到着します。
斜面はかなりの急角度。ちょっとした運動になります。
諏方神社の創建は1205年(元久2年)。鎌倉幕府の最後の将軍源実朝の時代となります。
建御名方命(たけみなかたのみこと)を祀る神社です。
諏方神社は「諏方」と書きますが、鳥居には「諏訪」とも書かれており、どちらでも良いようですね。
夏のお祭りのときにはよみせ通りに谷中の夕焼けだんだん側の入り口からずらりと屋台が並び、地元の人たちの夏の楽しみとなっています。
広い境内はJRの線路脇の急斜面まで続いており、そこからは行き交う電車を眺めることが出来ます。
今では西日暮里の町には雑居ビルが立ち並んでいますが古くは「ひぐらしの里」と呼ばれ景勝地として有名でした。
そんな往時を少し思い浮かべることができる場所です。
元三島神社(三島さま) 旧村社
住所:東京都台東区根岸1-7-11
鶯谷駅北口のすぐ裏、ホテル街の中に佇む元三島神社。
意外に思う方もいるかもしれませんが、住所は台東区ですが東日暮里の一部は元三島神社の氏子町域となります。
過去の行政再編などの中で氏子町域と区境が一致しない例は多数ありますがここもその一つです。
元三島神社はホテル街の中にあるため普段の通り道からはなかなかその姿を見ることが難しい神社です。
大山祇命(おおやまづみのみこと)と伊佐那岐命(いざなぎのみこと)を祀っており、起源は1281年。
当時襲来した元寇との戦いで武功を上げた伊予水軍の大将が上野の山に伊予(現在の愛媛県今治市)の大山祇神社の分霊を勧進したのが始まりとされており、その後、いくつかの移転を経て現在の土地にあります。
ホテル街のど真ん中にあり、多少行きづらい感がある神社ですが、石塀を一歩入ればやはり神域の静けさ。
正岡子規ゆかりの土地でもあり、その句碑があります。
いかがでしょうか。
これら6つの神社を回れば荒川区の各地域の特徴も同時にいろいろ知ることができます。
区内に住んでいても、まだ見たことの無かった神社もあったのでは?
今回のコースは石浜神社をスタート地点とし、南千住〜尾久〜鶯谷へと、自転車や都電荒川線、舎人ライナーなどを駆使すれば、ちょうど1日かけて回るのに良いコースです。神社の周りには商店街などもありますので、甘いものでもつまみつつ、普段あまり足を伸ばしたことのない町に行ってみるのもいかがでしょう。
くれぐれも、マスクはお忘れなく。
密にはお気をつけて、良いお年をお過ごしください。