「スマホを買って後悔」をなくしたい……89歳の挑戦
2022年7月25日(月)、「スマホ歴11年の89才が教える スマホの賢い買い方講座」が開催されます。この講座は区内の老人ホームに住む水橋佑介さん(89歳)が個人で企画し、開催するものです。
ただ、ひとつ課題が……。現時点で、申し込みがゼロなのです。
後述しますが、この講座の開催のきっかけは、とある年配女性がよくわからないまま高価なスマホを買ってしまったという出来事に端を発しています。
水橋さんの思いを伺って荒川102でも紹介し、SNSでも投稿したものの、スマホをこれから買う人にはインターネットの情報はなかなか届きません。
そこで、以下のチラシを印刷して掲示、配布してくださるお店、施設を募集します!
>> 「スマホの賢い買い方講座」チラシPDFのダウンロードはこちら
飲食店、病院、薬局など「うちに来る人はお年寄りが多いなぁ」と思われるお店、施設の方はご協力いただけるとうれしいです!
原稿はカラーですが、モノクロ印刷でもOK。事前確認、許可取りなどは不要です。
もしよろしければ、事後にチラシを置いていただいたことを荒川102宛てにお知らせいただけると助かります。SNSのダイレクトメッセージや、この記事のSNS投稿へのコメントでも構いません。
どうかよろしくお願いいたします!
>> 「スマホの賢い買い方講座」チラシPDFのダウンロードはこちら
なぜスマホ買い方講座を? 水橋さんに会ってきた
このような講座を個人で開催する背景はなんだろう? そう感じた私は、水橋さんがお住まいのホームにお邪魔してお話を伺いました。
―― 講座開催のきっかけを教えてください。
知り合いの高齢女性がいわゆるガラケーからスマホに買い替えたのですが、3日後に「これは使えない」と断念。元のガラケーに戻すこともできず、結局、契約自体が解約になり、電話番号を失う事態になったことです。
auが2022年3月に3Gサービスを終了しました。2024年1月にはソフトバンクが、2026年3月にはドコモが3Gサービスを終了するため、各社では今後使えなくなる3Gガラケーからスマホへの買い替えを促すキャンペーンが進んでいます。あと3年半は前述のようなトラブルが起こる恐れがあるでしょう。
携帯電話の買い方が多様化するなか、ガラケーユーザー本人はもちろんのこと、その家族も最適なスマホ選び、プラン選びが難しい状況にあります。私は11年間、スマホを使ってきました。これまでの失敗をふくめた経験を元に、スマホ選びに悩む人の力になれればと思います。
―― 講座でスマホやプランを決められても、契約が不安な方もいらっしゃるように思います。
希望される場合、私が買い替えに同行します。荒川警察署の裏にある多目的イベントスペース「土と緑」で定期的にイベントを開催しているため、購入後の相談も受け付けますよ。
シニア向けのLINEグループもつくっていますし、皆さんで楽しみながらスマホを使ってみましょう。
―― これまでも多くの活動をされていますね。原動力は何なのでしょうか?
IT、そして地域活動の魅力に触れたことです。
80歳目前でスマホやパソコンに触れて、Facebookを使うことを覚えました。私はもともと人付き合いが得意な方ではないと思っていましたが、ITの力を借りればこの年齢でも苦手意識を克服できます。同年代の方々のロールモデルになれれば、という思いがあります。
―― これまでも地域のためにさまざまな活動をされており、荒川102が紹介したものだけでも以下の活動実績があります。多岐にわたっていますね。
- 2021年10月 …… オンライン講演会「荒川区の病院マップは来年こうなる」
- 2022年1月 …… 講演会「荒川区の3大シニア組織に在籍してやったこと」
- 2022年3月 …… 難聴の早期発見及びフレイル予防「みみともカフェ」
今のホームには15年ほど前、妻のがん治療のために2人で入居しました。願いは叶わず亡くなりましたが、区内の病院について関心が高まったのは、病身の妻を抱えて医療機関を渡り歩いたことがきっかけです。
また、妻が長年補聴器を使っていたことから補聴器トラブルに悩む高齢者が多いことを知り、難聴の早期発見の重要性に気づきました。
豊島区では、難聴による高齢者の引きこもり防止策として聴力測定を取り入れています。ヒアリングフレイル(聞き取る機能の衰え)サポーター養成講座で資格を取得した私は、この豊島区の取り組みを参考にした聴力測定を荒川区に紹介していきたいと考えています。
◇ ◇ ◇
90歳を迎えようとするご高齢ながら、できることを増やして社会に還元していこうとされる水橋さんの姿勢に、勇気づけられる取材となりました。
その原動力は、自分の苦手意識を克服できた自信と、現在も息づくご夫婦の歴史にあるようです。
<水橋佑介さんプロフィール>
2008年、日暮里に移り住む。以来、地域医療に関心を持ち、荒川コミュニティーカレッジ健康福祉科にて1年学ぶ。
2年後、東大高齢社会総合研究機構主催の検定試験を受検し「高齢社会エキスパート(総合)」の資格を取得。
2021年7月から「荒川区の病院マップは来年 こう変わる」講座を区内10カ所で展開。同年10月、都立産業高専公開講座で「高齢者・障碍者の生活を支える新しい技術」を受講。ついでヒアリングフレイルサポーター養成講座受講。
2022年6月から、おもに3Gガラケーを使うシニアに向けて「スマホの賢い買い方相談」を開始。
>> 2022年7月25日(月)開催「スマホ歴11年の89才が教える、スマホの賢い買い方講座」の詳細はこちら