あれから1年。人が集いビジネスが生まれはじめた「COSA ON」の今、そしてこれから。

提供:城北信用金庫

町屋駅のそばに、荒川区で創業したい人を応援するインキュベーションオフィスができるということで取材させてもらったのが、去年の5月。

あれから1年。創業者たちが入居し、併設しているカフェも地元の方やフリーランスの方の利用が増え、さまざまな人が集うまちの「交差点」として機能しはじめているそうです。

そんな「COSA ON(コーサ オン)」で実際に働いている人たちに話を聞いてみようと、1年ぶりに「COSA ON」を訪ねてみました。

 

入居者とサポート役というよりも、仲間


話を聞いたのは、ここにサポート役として常駐し、日常業務のサポートや経営相談に乗っているふたり。

「ここに入居しているみなさんは、ビジョンを掲げ、地元や世の中に貢献したいと本気で独立された方たちです。でも、経営者になるのは初めてのことですし、生活面も含めて不安もあると思います。 そんな悩みや不安に気づき、取り除くお手伝いをするのが自分の役割かなと思っています。」

そう話すのは、インキュベーション・スタッフの渡辺さん。

渡辺さんは「COSA ON」を運営する城北信用金庫の職員さんで、浅草生まれの江戸っ子。
大学卒業後に地元に戻り、新卒で城北信用金庫に勤めて12年になります。
今まで、ソリューション事業部の営業という立場からさまざまな地域の企業と関わってきました。

「今までは製造業の方と関わることが多かったのですが、COSA ONの入居者は、映像やゲームの制作会社だったりシステムの管理会社だったり、今まで接したことのない業種の方たちなので、そういう出会いが楽しいですね。」

渡辺さんは、入居希望者の内覧対応から、入居のための審査、引越し、そして実際にここで創業してからのすべてのプロセスに伴走し、サポートしています。

「入居者の方々と歳が近いこともあって、話すことは仕事よりプライベートの話題のほうが多いかもしれません。入居者とサポート役というよりも、仲間という感覚が強いですね。」

質問を受けるだけではなく、渡辺さんのほうから声をかけることが多いそう

 

「COSA ON」での3年間を、あの頃のおかげで今があると思えるような時間に


この1年で、印象的だった出来事はありますか?

「入居者の方たちとは月に1度ヒアリングを行って事業計画を確認しているのですが、ある会社さんが、このままだと新商品の完成が当初の計画より遅れてしまうと気づいたんです。一緒に計画を立てなおし、その日以降、ここで夜通し商品をつくって予定通りに完成させたんですよ。そんな姿を見て、感動してしまいました。」

COSA ONは、入居後3年を卒業の目安にしています。

そのため限られた時間のなかで目標を叶え、自分たちだけで歩んでいけるように成長してもらいたい、という運営側の想いがあります。

「だからこそ、3年間のあいだに入居者と全力で関わりたいと思っています。そうすれば、卒業したあともここに気軽に立ち寄ってくれるような良好な関係を築くことができると思うんです。ここで過ごした3年間をあとで振り返ったとき、あの頃のおかげで今がある、と思えるような時間にできたらいいですね。泣いて卒業するくらいの特別な時間をつくれたら。そんなふうに思っています。」

熱血の渡辺さん。学生時代、野球の選手だったそう。デスクには野球ボール型のカレンダーが。

 





「COSA ON」は経営 の『自動車教習所』


そんな渡辺さんの頼れる相方(?)、もう一人のサポート役として入居者の創業や経営に関する相談に乗っている、インキュベーションマネージャーの小野さんも紹介します。

「ここは、経営の『自動車教習所』だと思っています。わたしたちは教官のような存在で、入居者が自分で運転できるようにサポートしていく。彼らが描く目標や理想を、どうしたら3年以内に実現できるか、ときには厳しく意見を伝えることもあります。そうしないと、ただのシェアオフィスになっちゃいますから。」

ふだんは中小企業診断士として企業向け経営コンサルティングを行っている小野さん(株式会社ライブリッツ・アンド・カンパニー)。

もともとシステム会社に勤め、企業のシステム導入のサポートをしていましたが、システム以外のことも気にかかるようになり、全体に関わることができる経営コンサルティングの道を選んだそうです。

入居者と同じ目線で話を聞くことを心がけているそう

小野さんから見て、「COSA ON」のいいところってどんなところですか?

「今は創業ブームでインキュベーションオフィスも増えてきていますが、『交流』という名目はあっても実際にはうまく機能していない施設もたくさんあるのではないかと思います。そういう意味で、ここは個室で24時間使えるオフィスや、スタッフが常駐していることで困ったときに誰かに聞ける環境がちゃんと用意されていて、よく考えてつくられていると感じます。」

1階には、地元のNPO法人が運営するカフェ「TOKYO L.O.C.A.L. BASE」があり、仕事の合間にご飯や飲み物をテイクアウトしたり、打ち合わせに利用することができるのも、入居者にとっては大きな魅力。

「カフェが併設されているインキュベーションオフィスというのは、金融機関がやっているなかでは初めての試みだと思うんです。創業者のよくある悩みに、自分たちのサービスや商品を知ってもらう機会、PRの場がないというのがあるんですね。ここはカフェを使って、商品の展示やテストマーケティングをすることが可能なので、カフェを訪れる方に直接意見をいただいたりもできるんです。」

日頃から気軽に近況報告をし合う、1階のカフェの店長さんと

 

1階のカフェから生まれる、新しい出会いやコラボレーション


カフェは地元の方の利用が多く、お昼はママ友の集まりなどでも賑わいます。

電源やWi-Fiのある席も充実しているためフリーランスの方の利用も増え、まさにさまざまな人が交差する場所になりつつあります。

その交差を「出会う」「話す」「一緒につくる」など次の展開につなげられるような、「COSA ON」の入居者を含めたカフェに集う人たちが交流する機会を、作っていきたいそうです。

「荒川区の地場で頑張っていらっしゃる企業さんのなかには、今のままの事業の延長でいいのか、と悩んでいらっしゃる方たちもいます。そういう方に、新しい視点との出会いやコラボレーションの機会を提供できる場所でありたいと思っています。企業さんにも地元で暮らす方たちにも、一緒になにかできないかな?と思ってもらいたいですね。」

スタートから1年が経ち、当初思い描いていた構想どおりに、人が集いビジネスが生まれはじめた「COSA ON」。

入居者たちが始めた事業が「COSA ON」を起点に人や地域を巻き込み成長し、いいサービスや商品として世の中に届きはじめるまで、そう時間はかからないと思います

取材を通じて、今の臨場感や未来のワクワクを、肌で感じることができました。

荒川102では、これから1年にわたり「COSA ON」とその周辺で起こる出来事をレポートしていこうと思っています。

次回は入居する企業の方に話を聞く予定。お楽しみに!

「COSA ON」ホームページ

提供:城北信用金庫

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