谷中の夕焼けだんだんで紙芝居を見てきた

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「紙芝居はじまるよー。みていかない?」
夕焼けだんだんに紙芝居屋さんの声が響きます。
「そこの酒屋でビール買ってくれば」
風は心地よくアスファルトに直接座ると秋の匂いを感じます。
一人、二人とお客さんが集まってくると紙芝居屋さんが拍子木を鳴らし紙芝居劇場いざ開演。子供たちも大喜びです。
缶ビールも買って準備万端。
今日の演目、花咲じいさんのはじまり、はじまり〜。

うーん、この人どこかで会ったことがあるような…。
紙芝居屋さんはワハハ本舗の俳優、佐藤正宏さん。
「ワハハ本舗の演劇はお客さんを巻き込むことが多いのですがお客さんと関わると毎日起こることが変わる。そういったことが紙芝居に生きているかもしれない」
セリフの抑揚、表情でみんなが知っている物語も新鮮に感じます。佐藤さんの紙芝居は子供の頃みた紙芝居とは一味違う大人も子供も楽しめる紙芝居です。

高校では演劇部、大学でも演劇サークルに所属し、劇団俳小、東京ヴォードビルショーを経て84年に放送作家の喰始さん、久本雅美さん、柴田理恵さんと一緒にワハハ本舗の設立をします。

ワハハ本舗の舞台はベタなものからシュールなものまで歌でもダンスでも日舞でもお客様に喜んでもらえるならなんでもありの世界。演芸の人たちからは演劇と呼ばれ、演劇の人からは演芸と呼ばれ…ワハハ本舗とはなにか?と言われたらワハハ本舗というジャンルなのです。

帝国劇場のレ・ミゼラブルや三越劇場のマクベス、リア王、新国立劇場のかもめなど多くの舞台で活躍している俳優なのです。

舞台俳優が紙芝居?少し意外な感じがします。なぜ紙芝居を始めたのでしょう。
2011年3月11日、2時46分、東日本大震災。佐藤さんはワハハ本舗の稽古をしていました。激しい揺れに稽古を中断し外に出たのを覚えているそうです。
東北の職人さんを紹介するテレビ番組のレポーターをしていた佐藤さんは、出会った職人さんたちの安否が気になっていて舞台の合間を使って5月には復興ボランティアに参加します。津波の被害にあった家から泥を除去したり、写真をきれいにしたり。
そうした活動の中でボランティアセンターの人から「集会場に人が集まるようなたのしいことをしてほしい」と頼まれ、紙芝居なら電気もいらないと思いついたそうです。

「通りすがりの人がその場に劇場を作り、人が集まり、知らない人同士が場を共有して終わったらみんなそれぞれの生活に戻っていく。そこでまたゼロになる感じがおもしろい。」
と佐藤さんは紙芝居の魅力を語ります。そこには子供の頃の原体験が影響しています。
「こどものころ田植えの前になるとリヤカーを引いた芸人たちが家々をまわって神楽を踊るんです。それを見るのが好きで」
佐藤さんは1958年、山形県天童市生まれ。
子供の頃見た神楽と紙芝居の印象が強く残っているそうです。
「転々とする、とか、日常の中の非日常とか。紙芝居屋さんってどこからともなく現れて、どこかに消えていく。子供の頃とても不思議に感じていたんです」

「この衣装を着ると現代の紙芝居のおじさんになれるんです」
この衣装の絵を描いてくれたのは吉田孝弥(20歳)さん。
自閉症スペクトラム重度知的障害を持っています。彼の絵を見たときにとても気に入って衣装にペインティングをお願いしたそうです。
「この衣装を着ると孝弥くんの物語を背負っているというか、一人じゃ無いって気がしますね。」

「紙芝居やりはじめてから舞台の立ち方が変わった感じがします。強くなった。言葉の伝えかたとか」

「この辺は人の付き合い、近所感覚がいいですね」
演劇やってる人には日暮里繊維街が近いっていうのが魅力。
「安いしね。柄選んで、仕立てにお金かければいい舞台衣装ができる。トマトだったら売ってるだろうって」

あと荒川区だったらD倉庫やキーノートシアターに演劇を観に行ったり、あらかわ遊園の入り口で紙芝居をやったことも。
いまは夕焼けだんだんのあがったところで紙芝居屋をやっています。
佐藤さんもかつての紙芝居屋さんと同じでどこからか現れて、どこかに去っていきます。告知もしてないですが会えたらラッキー、楽しい時間を過ごせますよ。

ワハハ本舗公式ホームページ
http://wahahahompo.co.jp/index.html

佐藤正宏さん出演情報

壱人前企画vol.13「死ヌ事典 _ars_moriendi」

日時:2020年11月10日(火)〜15日(日)

劇場:中野ザポケット  東京都中野区中野3-22-8

【ストーリー】
「安心して、死ねますか?」
安楽死、老老介護、路上生活者、年金、生活保護…。
令和の日本において、
”死ぬ”とは、
どんな行為なのだろう。
そんなことを語ろうとするオムニバス劇。
【チケット】全席指定
前売 6500円/当日 7000円
(開場は開演の30分前、受付開始は‪1時‬間前)
※現在、座席50%での公演となります
(販売開始‪9月12日10時‬予定)

・予約(コリッチ)
https://ticket.corich.jp/apply/108771/
座席は当日の空席へのご案内です

・壱人前企画ホームページ
贔屓の役者を選択しコリッチ予約が出来ます
http://1mae.com

・カンフェティチケット
全国セブンイレブンで購入受取可能
http://confetti-web.com/_ars_moriendi
※座席指定の選択が出来ます

・配信チケット(贔屓の役者が選択可能)
3500円で、全国、パソコンやスマホでご観劇頂けます
https://1ninmae.zaiko.io/_item/330123
11月13日(金)19時から生配信
その後は、アーカイブで随時観劇が出来ます
11月16日(月)21時20分最終配信

https://1mae.com/

紛争地域から生まれた演劇12
モティ・レルネル作『イサク殺し』(イスラエル)2020年12月11日(金)~13日(日)3回公演会場=東京芸術劇場アトリエウエスト

*後日アーカイブ配信予定
https://iti-japan.or.jp/info/6860/

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