平成28年7月9日土曜日に開催された第三回俳句の吟行まち歩きに参加してきました(第二回のイベントレポートについてはこちら)。
あらかわ区まちの駅ネットワークが主催するウォークラリーイベントで、「奥の細道」で松尾芭蕉が俳句を詠んだ場所が後の名所になったことにちなみ、地元ならではの魅力を俳句を通じて発見することを目的としています。
第三回の舞台となったのは日暮里地区です。朝9時半に日暮里駅北口改札に集合し、強い雨が降る中のスタートとなりました。15名ほどの男女の参加がありました。
<今回のまち歩きルート>
日暮里駅北口改札→西口階段を上り、谷中方向へ→本行寺→経王寺→諏訪台通り→養福寺→諏訪神社→第一日暮里小学校→富士見坂→夕やけだんだん
最初に立ち寄ったのは本行寺。江戸城を築いた太田道灌が斥候台(物見塚)を置いたと伝えられる場所で、道灌の孫太田資高が開基した日蓮宗のお寺です。江戸時代、景勝の地であったことから「月見寺」とも呼ばれていました。
20世日桓(号一瓢)が小林一茶と親交があり、境内には、一茶の句碑「陽炎や道灌どのの物見塚」があります。また、種田山頭火の「ほっと月がある 東京に来てゐる」の句碑があります。当日、本堂は改修工事中でした。
次に立ち寄ったのは、日蓮宗の経王寺。山門は江戸時代のもので、境内には日蓮上人作と伝えられる大黒様が祀られています。上野の戦争(1868)で敗走した彰義隊士を匿ったため、新政府から銃撃を受けました。山門に指が通るほどの大きな弾痕が今も残っています。
今回の講師も荒川区俳句連盟協会会長の佐々木さん。「強い梅雨時の雨であれば、『荒梅雨』『男梅雨』なんて表現もありますよ。」など、限られた字数で豊かな表現を生み出すコツを丁寧に教えて下さいました。
経王寺を出たあたりから、雨が小降りになってきました。右に曲がって諏訪台通りへ。
次に立ち寄ったのは、養福寺。真言宗豊山派の寺院です。諏訪台通りのちょうど真ん中にあり、赤い山門の仁王像が出迎えてくれます。こちらは、江戸時代、宝永年間の建立と伝わる山門です。
このお寺も俳人ゆかりのお寺で、江戸時代松尾芭蕉の芭風が一世を風靡する前に、俳諧の中心だった談林派の俳人西山宗因の「梅翁花樽碑」などの句碑があります。
次に立ち寄ったのは、諏訪神社。鎌倉時代の創建と伝えられる日暮里、谷中地区の総鎮守です。
山手線のすぐ裏側とは思えない豊かな木々のおかげで、境内では傘が要らないほど。参加者も傘を閉じて一休みしたり、一句考えたりしました。
次に立ち寄ったのは、創立131年目を迎えた荒川区立第一日暮里小学校。彫刻家・詩人である高村光太郎が卒業した小学校です。そのため、高村光太郎直筆の『正直親切』の文字盤が創立100周年記念事業として建てられました。
『フクロウ』像は石彫家飯田雅光氏の制作。『正直親切』は同校の校訓となっており、校門にも『正直親切』の紺色の幕が張られています。
その後、諏訪台通りを富士見坂を眺めながら、日暮里方向に戻り、夕やけだんだんへ。観光客でにぎわう商店街で、解散しました。
次回は、8月20日(土)16時~南千住駅集合で、南千住地区でのまち歩きです。
<イベント情報>
イベント名 | 俳句deあらかわ名所づくり |
日程 | 第4回 8月20日(土)16時〜 南千住駅改札集合 |
備考 | 現地集合、現地解散、申込不要。途中解散可能です。指定場所に写真のある「黄色いのぼり旗」が集合場所です。 |
問い合わせ | あらかわ区まちの駅ネットワーク事務局 〒116-0002 荒川区荒川4-25-8 小林商事(株)内 サウルスマンション3 町屋壱番館1F |
電話 | 03-3806-6040 |
FAX | 03-3806-7038 |
メール | office@arakawa-machinoeki.com |