Blackhole Coffee Roaster コーヒーの楽しさ伝えたい。町屋の路地裏より(後編)

前編はこちら

3. 物理学からコーヒーまで。「Blackhole」という名前に隠された意味。


実は物理学を専攻し、大学院まで行って原子核の構造などに関する研究を行っていた前田さん。インパクトのあるお店の名前も、その影響を受けていました。

「コーヒーカップって、上から見ると黒い丸じゃないですか?更に少し泡が渦を巻いていたり。そういうところがブラックホール(Blackhole)っぽいなって思ったのがきっかけです。更に、コーヒーの魅力で人を引きつけたい、という意味も込めて、ブラックホールという名前を付けました。」

花のようなロゴマークも店名に由来するものです。

「あれは黒い星なんです。Blackholeは黒い穴というイメージがあると思いますが、元々は星なんです。それが重力崩壊してブラックホールになるわけですが、つまりその正体は黒い星なので、ロゴマークも黒い星にした、ということなんです。」

blackhole coffee roaster ロゴ

宇宙からコーヒーの歴史まで、様々なロマンに思いを馳せる前田さんがご自身でデザインされた、前田さんらしいロゴですね。

前田さんのエプロンも、特製のもの。Blackhole coffeeから出た廃品のコーヒー豆を煮出して染めた布で作られたエプロンに、屈んでもコーヒースプーンなどが落ちないように工夫されたポケットが付いています。(提供:SEATA)

blackhole coffee roaster エプロン2

 





4. コーヒーの魅力から歴史まで。大好きなものはとことん追究。


「やっぱり、コーヒーを飲む瞬間ってみなさんホッとすると思うんです。仕事をしていて昼寝をすることはできませんけど、コーヒーを飲んで一息付くことはできる。だから、一生懸命生きている人たちにとってなくてはならないものだと思うんですよね。そういうものを提供できるっていうのは幸せなことだなと思います。一方、コーヒーは同時に嗜好品でもあります。味が、豆によって全く違いますし、焙煎によっても淹れ方によっても変わる。深く追究していくことができるのも楽しい部分です。」

blackhole coffee roaster 前田さん2

物事をとことん追究する姿勢が、コーヒーに対する向き合い方にも表れている前田さん。
話は少し逸れ、日本を始め、各国でのコーヒーの歴史のお話が始まりました。

「昔から日本には自家焙煎の文化があって、以前は脱サラで自家焙煎コーヒーの喫茶店を作るのが流行りました。ですが、深煎りがメインで「炭火焼き」「深煎り専門店」といったような看板で売るお店が多かったので、少し苦目のコーヒーが主流ですね。」

続いて、スターバックスや、最近流行りのサードウェイブと呼ばれるようなコーヒートレンドを生み出しているアメリカでのコーヒーの歴史についても話は展開します。

「アメリカはスペシャルティコーヒーの本場なんですが、元々はイギリスの植民地なのでイギリスから紅茶を買わされていました。18世紀後半に、無関税で紅茶を買わなければいけない不平等条約が布告されるのですが、それでアメリカ人が怒って輸入されてきた紅茶を海に捨てました。これが独立戦争のキッカケになったボストン茶会事件です。そこからアメリカはコーヒー文化に変わっていくんですが、紅茶代わり、水代わりの薄いコーヒーが普及していきます。これが時代が代わり、スターバックスに代表されるシアトル系と呼ばれるコーヒーが出てきます。この流れを作ったのは主にイタリア系の移民の方で、イタリアで飲まれているようなエスプレッソを使った深煎りのコーヒーをアメリカでも飲みたいというニーズです。」

blackhole coffee roaster お話

「これが時代が代わり、スターバックスに代表されるシアトル系と呼ばれるコーヒーが出てきます。この流れを作ったのは主にイタリア系の移民の方で、イタリアで飲まれているようなエスプレッソを使った濃いコーヒーをアメリカでも広げていこう、ということで作りだしたものになります。」

歴史の背景を伺うと突然、普段見ているコーヒーが面白くなります。
アメリカでコーヒーが飲まれだした原点から、スターバックスなどに代表され、”ラテ”を生み出した深煎りの「シアトル系」。そして、コーヒー本来の味を楽しむことに主眼を置いた浅煎りのサードウェイブと、話は止まりません。

前田さんのお話を聞いているだけでも楽しくなるのですが、私が驚いたのは同時に出していただいた試飲のコーヒーに対する作業の、妥協しない徹底ぶり。
注ぐお湯の温度、カップの温め具合、お客様にお出しする間の若干の温度の低下、そういったものも全て計算に入れて一つ一つのコーヒーを出しています。

blackhole coffee roaster ドリップ

お客様に、その豆の良さを引き出した最高の状態で飲んでいただきたいという想いをひしひしと感じる、とても繊細な作業ぶり。
そんなものを目の前で見せて頂いて、美味しくないわけがありませんね。

 

5. ゆくゆくはコーヒーを楽しむ「場」も作っていきたい。


今後のお店はどんな展開をされていくのでしょう?

「まずは焙煎豆の販売でしっかり基盤を作っていきたいですが、その先ではもう少し地域に密着して、地域の人が誇りに思ってくれるようなお店にしていきたいなと思っています。ゆくゆくは荒川区内でカフェもやっていきたいなとは思っています。元々はカフェをやりたかったのですが、まず焙煎でしっかりとした豆を作ることを先にやっている、という状況です。コーヒーを飲むだけでではなくて、今日お話したコーヒーの歴史の話なども含めて、コーヒーを楽しむ場所もどんどん作っていきたいですね。」

blackhole coffee roaster 飲み比べスペース

以前は法人営業の仕事などが多かった前田さん、お店を初めて直接お客様と接することが出来るのがとても楽しいと言います。

「お手紙をもらって”美味しかったです”と言ってもらえたりとか。そういうことがあると、本当にこの仕事を始めて良かったなと思えることです。」

blackhole coffee roaster はがき

最後に、こんなメッセージをいただきました。

「荒川区には様々な個性的な自家焙煎珈琲豆のお店がありますが、Blackhole Coffee Roasterも、地域の方に誇りを持ってもらえるようなお店にしていきたいと思っておりますので、ぜひ一度お越しいただければと思います。」

町屋の住宅街に佇む、シングルオリジンのスペシャルティコーヒー専門の自家焙煎珈琲豆店。
コーヒーにまつわるストーリーから楽しませてくれるお店。
ぜひ一度、訪れてみてください。黄色い壁、黒い星、が目印ですよ。

★キャンペーン情報★


Blackhole Coffee Roasterでは、オープン1周年記念としてお好きなコーヒー1杯分増量キャンペーンを実施。2018年6月10日より7月31日まで。(※コーヒー豆のご購入のみ。ギフト品は対象外。)


<店舗情報>

  • 社名:ブラックホールコーヒー合同会社
  • 住所:東京都荒川区町屋4-31-11
  • 営業時間:火・水・金:12:00 ~ 19:00、土・日:14:00 ~ 19:00
  • 定休日:月・木
  • 電話番号:03-6807-9767
  • Facebook:https://www.facebook.com/blackholecoffee/


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