商店街に行こう!:犬竹魚店 南千住仲通り商店街

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スーパーマーケットもたくさんありますが、南千住、町屋、日暮里、谷中、尾久、、どこにいってもまだまだ現役中で違った顔を持つ商店街があって、そんな商店街のお店をのんびりウィンドウショッピングしながら買い物したり散歩できるのも、アラカワの魅力。

どこか商店街を取材してみたい、と思っていたら、Twitterで「南千住仲通り商店街」のアカウントを発見。思いきってメッセージを送ってみたところ、南千住仲通り商店会のIT隊長として、FacebookやTwitterを駆使して情報発信と商店街振興に取り組んでいる犬竹魚店の犬竹さんを紹介していただきましたので、早速インタビューをしに突撃してきましたよ。

南千住仲通り商店街は、南千住のコツ通りから三ノ輪に向かって伸びる細長い商店街。

犬竹魚店 コツ通り
コツ通りから見た南千住仲通り商店街。

犬竹魚店は、ちょうどその真ん中、セブンイレブン横、あたりにある魚屋さんです。


– はじめまして。今回Twitter経由で紹介していただいたのですが、情報発信をはじめたきっかけを教えていただけますか?

山形大学のサテライトオフィスが荒川区役所横にあるわけですが、山形大学は山形のほうで地域産業の連携をやっているんです。それで、できれば何か荒川区でも何かできないかという話しになりました。

犬竹魚店 犬竹靖さん
犬竹靖さん。

ちょうどその頃、商店街のほうでも何とかせんとあかんということで、なんかやるべと有志で思っていて、それで「だっちゃん市」を年2回やってたんですが、1回目はオリコミをやったんだけどどうもレスポンスが悪いと。それで大学のかたに分析していただいたら、そもそも新聞取ってない人が多いけど、ネットをやってる人は多いからFacebookやTwitterをやったらどうかと提案されました。

それで、自分はお店のHPとかもやってたんで「犬竹やってくれ」と。それで仲間を募ってやりはじめたわけですが、そしたらそれを山形大学の田口さんが逆に拾ってくれたんですね。南千住仲通り商店街のTwitterアカウントは元々山形大学で使っていたんですが、正式な利用が終わった後も終わらせるのはもったいないということで使い続けているんです。そんな感じで少しずつ広がっていきました。

– もともとHTMLなどを勉強されてたんでしょうか?

いや、我流なんです(笑)。ただ少しでもこういう時代なんで、若い人間がまずそういうことをやったらどうかと面白半分にやってるだけで、詳しくはないんです。ただ、自分でやりたいことだと調べるじゃないですか?それで覚えた感じですね。

犬竹魚店 ホームページ
犬竹魚店のホームページ(クリックすると移動します)

– 失礼ですけどおいくつですか?

こんど49になるんです。もうホームページは10年以上はやってるんですけど。だから、いまだにHPも「忍者ホームページ」というツールをつかってやってます。いま、普通ホームページビルダーとかじゃないですか。忍者ホームページの人なんて、なかなかいないんじゃないですか?(笑)。

– 魚屋さんで、10年前からHPを使ってるというのは珍しかったんではないですか?

そうなんですよ。だから組合に呼ばれて教えたり、商店街のパソコン教室を手伝ったりしてます。専門的なことは分からないんですけどパソコンの使い方なら分かりますからね。

あと、私の肩書きは「商業部長」という肩書きになっているんですが、インターネットが扱えるとかイベントをやってるということで、何かと担当になってますね。

今回のインタビューも、一応そういうものがあるという事を商店会のほうには言っておきましたが、「なんかウェブで新聞発行してるらしいんですけど」「おぅ、じゃあ頼む」なんて感じです(笑)。

– ところで、「だっちゃん」てなんなんですか?

50-60代ぐらいの人とかが、昔、ベーゴマとかメンコとかで遊んでたじゃないですか。そういうときにこの辺のこどもたちが「俺のとっておきを出す」というときに「俺のだっちゃんを出す」という風に言ってたんですね。だから、とっておき、とか、特別な、という意味ですね。

それで、だっちゃん市というのは、商店街のとっておきを出す、という意味をこめて名前をつけてるんです。超ローカルな方言なんです。

– 犬竹さんはこちらで生まれ育ったんでしょうか?

そうですね。お店はもう3代目になります。

犬竹魚店 外観
犬竹魚店

この商店街はほとんどが自宅兼お店の地元で育った人が多いですね。あまり人の入れ替りも無いんです。お店の作りも生活と密接した作りになっているので、なかなか人に貸すことも難しい場合が多いんですよね。跡取りになってくれる人がいればお店も続けられるんでしょうけど、外の人にテナントとして貸すのは難しいんです。

そんなわけで、商店会の会員数は121人いるんですけど、いま実際にお店をやってるのは30店舗に減ってます。稼働率1/4です。

– 昔を知っている人からすると大分寂れた感じなんでしょうか?

うん、まあそうですね。まあほんとにねぇ、どうしようもないかなという感じで。だからなんかするべ、ということで有志が集まっていろいろやりはじめたということです。「だっちゃん市」は2年前からですが、親睦ボーリング大会とか納涼祭とかやってます。

犬竹魚店 南千住仲通り商店街 だっちゃん市
だっちゃん市の様子

でも、ただ単に納涼祭やカラオケやっても人なんか来ねぇだろ、ってんで、商店街に面白い人がいまして、ロックフェスティバルやろう!、ってw それで本当にやったんですね。地域のアマチュアバンドとか呼んできて。5年ぐらいやったのかな。

だっちゃん市 南千住仲通り商店街
地元の人で盛況です。

それで5年ぐらいやったらさすがに近隣の苦情に耐えきれなくなってね、それで今はもうやってないんですけどね。でもそのときは町の青年部も、じゃあ自分たちでもやるべ、ってんで、エレキもって、バンド組んで、出演してたんですね(笑)もう、ひっちゃかめっちゃかですよね(爆笑)。

– 商店街の他のお店の方のTwitterなどへの参加状況はいかがですか?

結局、個人が参加するというのはなかなか難しいんですよね。

パソコンもスマホもみんな持ってるわけじゃないんでね。だから私とか若いのができるだけ拾い上げて発信していこう、ということは言っているんですけど、なかなか実際にそれをやるのは大変なんです。情報を出すとパブリックなものにもなっちゃいますから、お店側にも説明しないとだめだし。

やれるならやるにこしたことは無いんですけど、まだまだパソコンのことに縁のない人も多いですから。

– では、Twitterの今のアカウントは商店会として公式でやってるわけじゃないんですね。

そうなんです。なので有志で「準公式」みたいな感じで(笑)。

– 実際に、TwitterやFacebookを見てやってくるお客さんはいるんでしょうか?

えぇ、いますよ。イベントなんかもそうですしね。ただね、いままでのお客さんの層とは違うので、そこに届けるのはなかなか難しいですね。

ですので、地元の方に来てもらうためにはいろいろ他のことも地道にやってます。たとえば、商売柄、保育園とかにも魚を納めてるんですけど、園長さんにチラシを置かせてもらえるように頼んだり、園児に絵を書いてもらってそれをだっちゃん市で飾るので、ぜひ見にきて下さいとか、そういうことをやってます。そんな話しを通じて地元と関わってもらい、お店を知ってもらえるような流れになってもらえればな、と思ってます。

最初に商売から入るということではなくてね、地元の連携とかね、そういうことからじゃないと、なかなか地場で商売やってくってのはね。ただ物売って食っていく、ってわけにいくものじゃないですからね。

それに、そういう地域をつなげる活動とかって、地元のお店じゃないと出来ないじゃないですか。お勤めされている人だと週末ぐらいしか参加できないですから。

– 汐入でララテラスが出来たりタワーマンションが出来たことで人の流れは大きく変わったんですか?

それはありますね。スーパーが1つできただけでも人の流れって変わりますけど、汐入のララテラスができたときは、町が出来ちゃったわけですよね?駅の向こうに。

昔の汐入は「ちょっと離れた場所」という感じだったのが、今はあっちが(南千住の)メインになってますから、人の流れも(町の作りも)そっちに行きやすいような形になってるし、大きいですよね。一方では、こっちの地域に残った人達は高齢化していくし、消費もしなくなるし。子どもも少なくなるし。

– そうですね。実は私は荒川区の人間じゃないんで、最初は南千住といえば汐入のほうだと思ってたんですよ。

やっぱりそういう感じにはなりますよね。

でもコツ通りなんかは、それこそ昔はメインストリートって感じで、月に1回は縁日が並んで、みたいな、そんな場所だったんですよ。それでつきあたりには素盞雄(スサノオ)神社があって、自分たちはあそこの氏子なんだよ(だから町の中心にいる)、と。今とは全然イメージが違いますよね。

– ただ、あのお祭りは凄いですよね。

あぁ、まあそうですね。

– やっぱり御神輿は担がれるんですか?

いや、もう散々やってる(笑)。それで腰やっちゃっいましたけどね。

南千住ってのはもう素盞雄神社からするとお膝元なわけですよ。その中でもこのコツ通りの辺りは七ヶ町とよばれて、宮元(みやもと)なんですよ。お膝元の中でもほんとに「旗本」みたいなね。だから住んでる人達にもそういう意識があるわけです。俺らは宮元の氏子なんだと。誇りに思ってるわけです。そういうのを随分聞かされましたね。小さい頃から(笑)。

– 若い人もそういう意識はあるんですかね。

好きな人はあると思いますよ。そしてそういう人達がインターネットを通じて外からも呼んでますしね。もう本当に純粋に地元の人だけで担いでる神輿ってのはもう殆ど無いんじゃないですかねぇ。じゃないともう人が足りないんですよ。特に二天の神輿は担ぐだけじゃなくて振るじゃないですか。だからね若い人がいないとね。

– 南千住って、犬竹さんにとってどういう場所なんでしょう?

やっぱりふるさとですよね。よりどころいうかね。育ててくれた町だし。

まあ、今だからそういう感じになるんだけど、10年前ぐらいなんかはそんな感覚は全然無かったけどね。30代のときはね。7年前にオヤジが死んで、お店を自分でやりくりしなければならないと。その時にいろいろ感じたわけです。助けてくれる人もいる、足を引っ張る人もいる。でもやんなきゃなんない。ていう中で段々地域のつながりもできてきて、この町でやってきて良かったな、悪かったな、という部分も含めてね、自分の故郷だという感覚が出来てきましたね。

– 外に出たいとおもったことは無いんですか?

19-20のころは大阪に出ました。料理を志していたんで、その後、赤坂にも住み込みで働いたりしました。その後、23ぐらいで戻ってきて、オヤジと一緒に店をやるようになったんです。

あの頃は外のほうが良く見えちゃったんですよね。しがらみはあるし、義理人情って面倒臭いなあ、って。もっと合理的にやればいいじゃん、って。その頃は思ってましたよ。

– 2階がお店になっているのは犬竹さんが料理を勉強されたからなんですね。

オヤジが魚屋やってて、古くなったので建物を建て替えるという話しになったときに、魚屋だけやっててもこれから大変になるから料理も出そうと。それで2階をお店にして、完全予約制で兄弟3人でやってるんです。

お客さんは7-8割、町会とか任意団体とかお役所の方とか、地域のお客さんですね。

– 商店街のことで何かアピールしたいポイントがあればお願いします

数年前にTBSのシャッター通り商店街という番組で取り上げられたんです。自分達も分かってるんですが、区内でも有数のシャッター通りだろうと思ってます。多分、寂れてるほうから数えたほうが早い。ただ、組織がすごくしっかりしてるんですよ。

南千住仲通り商店街
商店街は三ノ輪駅まで伸びる回廊に沿って続いています。

というのは、自分達の上の世代の人達が、商店主だけで商店街維持していくのはもう無理だと考えたわけです。それで、地元の人もうまく巻込んで協力してもらって、一緒になって商店街を維持していこうと。

それで、当時は「商店会」というものしかなかったのが、その中に青年部をつくり、婦人部を作り、今回やるだっちゃん市の実行委員会を立ち上げてくれたり、そういう組織立ったことをしてくれたので、活動基盤ができて、うちらはやりやすくなって横のつながりも出来てきたんですね。

実は、昔は商店同士でも付き合いがなかったんですよ。本当に役員さんだけで。それが随分と垣根が低くなって、どこに行っても声を掛けられるようになったんです。

なので、区内でも有数のシャッター通りだけど、区内でも有数の連帯感のある商店街だと思ってます。それがこの商店街の良いところです!

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