モヤモヤシリーズ第二弾:宮地は「みやち」なの「みやじ」なの?

地域紹介ということで前回は尾久の話を書きました。今回は宮地について。前回の続きで尾久の近現代の歴史から尾久について迫ってみようと思ったのですが、師走の忙しい中でじっくりと書く時間が取れなかったので次回に書こうと思います。「おぐ」なのか「おく」なのか?に続いて「みやち」なのか「みやじ」なのか?です。

宮地といえば宮地交差点、宮地ロータリーという言葉思い浮かべる人も多いでしょう。場所を知らない方のために地図で示します。

明治通りと尾竹橋通りと道灌山通りなど交差分岐する6差路の大きな交差点ですので知っている人が多いと思います。現在の地名でいえば荒川区荒川です。「宮地」という地名は荒川区ができる前の三河島町にあった小字名です。例えば東京府北豊島郡三河島町大字三河島字宮地のような感じでしょうか。

宮地②

三河島町の中の小字は荒川区になると荒川区三河島町に統一され、後に荒川区荒川や荒川区西日暮里に統一されていきました。地名の由来は仲町商店街の近くにある宮地稲荷神社(三河島稲荷)があったことにより宮地という地名ができたそうです。地名から消えても交通の要衝だったのでその名が忘れ去られることなく残りました。

三河島の集落の中心は今の明治通り、観音寺や法界寺、浄正寺などのある辺り。宮地稲荷や今の宮地交差点は集落の端に位置します。

宮地③
宮地と宮地稲荷の位置関係

いまの明治通りにあたる道路や道灌山通りにあたる道は江戸時代末期にはありました。

宮地④

大正時代から昭和初期にかけて道路が整備されていきます。昭和7年には明治通りや改正道路と呼ばれた尾竹橋通りが拡幅されて宮地ロータリーができていきます。

宮地⑤
宮地ロータリー@昭和22年航空写真

ロータリーとは交差点の真ん中にある円形のものに沿って走って車の走る方向を変えるもので外国には多いのですが日本にはあまりありません。回転するという意味があり、日本で最も多く見られるのは駅前ロータリーでしょうか。車が少なかった時代は信号機よりもこちらの方が車がスムーズに進んだと言います。

宮地⑥
宮地ロータリー@昭和32年

しかし交通量が増大してくると宮地ロータリーは渋滞の名所となってしまい昭和49年にロータリーは撤去され立体交差の交差点に変更されました。宮地ロータリーが無くなってからも宮地ロータリーと呼ばれ続けてきたと思います。私も父がずっと宮地のロータリーと呼んでいたので、今でも宮地のロータリーを・・・なんて言ってしまいそうになります。

宮地⑦
現在の宮地交差点

さて本題ですが「みやち」「みやじ」どちらが正解なのかというと、東京の地名由来辞典には「みやち」となっているので「みやち」が正解のようです。時代を経て混同されて「みやじ」とも呼ばれるようになったのでしょうね。ある意味「みやじ」でも間違いではないとは思いますが正解は「みやち」です。


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宮地の地名の由来になった宮地稲荷は三河島稲荷ともいいます。

宮地稲荷

天正7(1579)年に鎮座したと言われますが、 今は失われた棟札に「弘治3年(1557)8月武蔵国豊島郡三河島総鎮守」と書かれていたそうで、境内にある大欅は樹齢650年前とも言われるので創建は更に古いのではないかと思われます。脚気に効能があると参拝者が多く訪れ、成就すると草履を奉納する習慣があったそうです。 祭神は倉稲魂命。猿田彦大神、天神社、神明宮、疱瘡神などを合祀しています。 社殿の右側には新吉原から奉納された安永8年(1779)2月初午銘の手水鉢があります。

宮地稲荷②

宮地稲荷 大欅① 

宮地稲荷 大欅②

ひっそりとたたずむようにある神社ですが地域に根差した由緒ある歴史があるのですね。三河島は素盞雄神社の氏子町域ですが、もとの三河島の総鎮守は宮地稲荷だったのでしょうね。これと同じようなものは素盞雄神社の氏子町域では町屋の原稲荷とか、南千住2丁目にある日枝神社は正和51316)年創建旧中村町の鎮守であったと言います。元三島神社の氏子町域にある東日暮里の猿田彦神社も歴史があります。東日暮里のユータカラヤの前、桜並木の道をカンカン森通りと呼ぶのは、この神社に因んで神々森(カンカンモリ)と呼ばれたことに由来するそうです。

荒川区には素盞雄神社(南千住、町屋、三河島等)諏方神社(西日暮里等)元三島神社(東日暮里等)石浜神社(南千住の一部等)尾久八幡神社(西尾久、東尾久等)など広い範囲に氏子町域を持つ神社がありますが、こうした地域に根付いた古い神社もあちこちにあります。

初詣には大きな神社ばかりでなく、近所の古社にお参りしても良いでしょうね。私も家から近い宮地稲荷に初詣に行こうと思っています。

次回は尾久の記事を書きます~

※荒川102の取材情報は地図からも探せます。ぜひご活用ください。 >>> 「荒川102取材マップ」

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