今回は荒川保健所へ
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地域情報サイト「荒川102」の新企画「リーダーに聞く!荒川区のお仕事」では、区役所の各部署の取り組みや課題、そして職員の情熱をお届けします。

今回は保健所を運営する荒川区健康部に伺って、保健所長 兼 健康部長の辻さん(写真・左)と、健康推進担当部長の堀さん(写真・右)にインタビューを行いました。
今年1月からスタートし、ポイントによって景品がもらえるあらかわ健康チャレンジや、健康に配慮した食事ができるあらかわ満点メニュー、そして荒川区とは切っても切り離せない災害時対応などの取り組みについて伺ったお話をご紹介します。
健康部の業務について教えてください
健康部は保健所と同義で、平常時も非常時も区民の健康保持増進して、安心、安全な暮らし、またその先にある区民の幸せを健康面から支える組織です。
平常時ではがん検診や母子保健、環境衛生や食品衛生などを行っています。
意外と知られていない取り組みとしては、ネズミや蚊の対策、住居内のカビやダニの対策なども担当業務です。
これらの衛生害虫や害獣の対応も、公衆衛生の観点から非常に重要であり、区民の健康を守るための重要な取り組みとなっています。
また衛生保持の観点から、旅館、ホテルや公衆浴場、飲食店などの衛生的な管理指導も保健所の重要な業務の一つです。
お困りの区民の皆様に気軽にご相談いただけるように、ホームページやパンフレットの配布、 講習会開催などを行っており、これからも引き続き周知をしていきたいと思っております。
有事の際の対応も重要な役割です。たとえば、新型コロナウイルス感染症のような感染症流行時には、24時間365日体制で対応しました。
検査体制の整備や医療機関との連携強化、患者の状況把握や医療機関への紹介など、区民の安全と安心を守るために尽力しました。
また、災害時の医療体制整備も重要な任務です。災害拠点病院との連携強化や、災害時の医療情報提供などを行います。
さらに、ペット防災についても計画を策定し、飼い主への周知を行っています。
コロナ禍での対応はいかがでしたか?
区民にとって安全・安心な体制作りを目指しました。
検査体制の整備や医療機関との連携強化など、さまざまな資源の枯渇などの課題に直面しましたが、流行を繰り返す中でやり方を変えていくなど徐々に改善していきました。
当初は平時の人員・リソースで24時間365日の対応が必要となり大変でしたが、これらの経験を活かし、感染症予防計画の策定や健康危機対処計画の更新を行っています。
有事の際にも迅速かつ効果的に対応できるよう、平常時から準備を進めることが重要だと考えるようになりました。
1月からスタートした「あらかわ健康チャレンジ」のアプリについて教えてください
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このアプリは働き盛り世代の健康増進を主な目的としています。
区民の約6割が運動の必要性を感じているものの、実際に運動している人は4割程度という現状があります。
そこで、ICTとインセンティブを活用して、楽しみながら健康づくりができるアプリを導入することにしました。
具体的には、歩数や食事記録でポイントが貯まる仕組みになっています。
1000ポイントで500円分のデジタルクーポンと交換できるほか、抽選に参加して3000円分のクーポンが当たるチャンスもあります。PayPay、nanaco、dポイント、スターバックスのコーヒー券など、交換先も多様です。
また、グループ機能もあり、友人や同僚と一緒に参加できるのが特徴です。
区長自身も1日8000歩を目標に設定して参加しています。
その他にもオトモ等のゲーム要素など、利用者を飽きさせない工夫も盛り込んでおりますので、楽しみながら気軽に生活習慣を改善するための1ツールとして活用していただければと思います。
「あらかわ満点メニュー」について教えてください

平成18年から始まった取り組みで、働き盛り世代の健康増進が目的です。
女子栄養大学短期大学部と連携し、区内飲食店で栄養バランスのよい 良いメニューを提供しています。
98.4%の利用者が「また食べたい」と回答するなど、好評をいただいています。
最近追加されたメニューでは、タイ料理やハンバーガーなど、バリエーションも増えてきました。
お店の追加に関しては通常の申し込みの他に、担当の栄養士が直接お店へ行ってお声がけをさせていただいたり、保健所に営業許可を出されたあと、担当職員から新しいお店ができると聞いて行ってみたりということもあるようです。
日々の業務の中で特にやりがいを感じる瞬間について教えてください
保健所は職員あっての存在だと考えています。
具体的な相談事例をお話しするのは難しいのですが、たとえば環境衛生の分野では、住居のネズミ問題や蜂の巣の駆除などの相談が区民の方々から寄せられます。職員は日ごろから得ている知識と力を発揮し、問題を解決に導き、いい方向へ向かうよう対応しています。
そうした報告を受けると、区民の幸せに組織として貢献できたことを実感し、たいへんうれしく思います。
同時に、職員が仕事にやりがいや達成感を感じ、さらに頑張ろうとしてくれる姿を見ることが、私自身の喜びであり、やりがいを感じます。
また区民からのご意見も踏まえて保健所が必要だと考えることを関係各所に説明し、ご理解・ご協力いただいて実現にいたることも大きなやりがいを感じる瞬間の一つです。
健康部の今後の展望をお聞かせください
新型インフルエンザ等行動計画の改定や、災害医療体制の整備、ペット防災の推進などを進めていきます。
また、がん検診の受診体制を区内医療機関での受診に変更する予定です。
健康アプリについても、新たな企画を盛り込んでいく予定ですので、楽しみにしていただければと思います。
最後に区民の皆さんへメッセージをお願いします
健康部は皆様が住み慣れた地域で自分らしく楽しく生活できるよう、健康面から安全・安心を守る仕事をしています。
健康づくりは楽しみながら続けることが大切です。
健康アプリなどを活用し、楽しく健康になりながら荒川区をより好きになっていただければと思います。
有事に備えた取り組みとして、新型インフルエンザ等行動計画の改定を予定しています。
また、災害医療体制の整備とペット防災の推進にも力を入れていきます。
3月2日に開催予定の「あらBOSAI2025」では、ペット防災に関する展示も行いますので、ぜひご来場ください。
これらの取り組みを通じて、区民の皆様の安全と安心を守り、健康な生活を支援していきたいと考えています。
荒川区民を健康面から守る!
健康増進はもちろん、害虫・害獣の相談対応、災害時の対応など幅広い業務を担当する健康部。
専門的な知識もあり、親身になって接してくれると感じました。
困ったことがあったらまず相談してみましょう。