荒川区にはいろいろなサークルがあり、活動をされている方がいらっしゃいます。
今回は、区内で素話を語る活動をしていらっしゃるおはなしポケットの大人のためのおはなし会に行ってきました。
素話とは、物語を覚えて何も見ずにおはなしを語るのです。
読み聞かせと違うのはわかりますね。
だから、聞きごたえがありますよ。
7月14日に日暮里図書館で行われた「大人のためのおはなし会」。
久しぶりに素話を聞くのでワクワクしてました。
日が強い、まさに夏日和の日
図書館に入ると冷房が心地よく、汗がすーっと引いて気持ちい。
地下1階に降りていくと、おはなしスペースに椅子が並べられていました。
職業体験で中学生もお手伝い。図書館を職業体験に選んだんだ~、と感心しながら来られている方を見てみると意外と男性の方も多かった。
もちろん、大人のためとなっているので大人の方ばかりでしたよ。
今日のおはなしは
- 「ザシキワラシ」
- 「小鳥になった美しい妹」
- 「金の髪」
- 「耳なし芳一のはなし」
の4つでした。
どのはなしも聞きごたえがあって楽しみです。
素話は、部屋を真っ暗にしろうそくの灯りをともしてお話が始まります。
ろうそくの火が灯ると、その場所はまさにお話の世界
耳を澄ましておはなしを聞いていくと、頭の中で絵が描かれているのが驚きです。
最初に語られた「ザシキワラシ」
方言のおはなしで、覚えるのは難しいだろうな~って思いました。
方言が活きていて、おはなしがぐっと映える感じがしました。
次に「小鳥になった美しい妹」
二番目だったので、耳も目も慣れてきておはなしがすーっと心地よく聞こえてきました。
3番目のおはなし「金の髪」
自分も馬に乗っているような躍動感があって、ドキドキハラハラまさにおはなしの世界に入っていました。
最後の「耳なし芳一のはなし」
何度聞いてもいいおはなしだなぁ~って思いました。あの間が私は好きで、何とも言えない味わいがありました。
おはなし会が終わってから、おはなしを語ってくださったおはなしポケットの星山さん、武藤さん、加藤さん、そしておはなしポケットの代表の馬場さんからお話を伺いました。
―おはなしを始められたきっかけは何ですか?
武藤さん「定年退職して、なにか社会とつながるようなことをやりたいと思っていた時に、養成講座を受講したのがきっかけです。自信はないけど始めてみました。」
加藤さん「私も養成講座を受講しました、でも読み聞かせだと初めは思って受講したんです。絵本の持ち方など教えてもらうつもりだったんです。
最初の1か月は読み聞かせの勉強だったのですが、東京こども図書館の藤井先生がおはなしを覚えましょうって言われて(汗)。2か月目は素話になり、受講人数も半分は来なくなりました。私も、辞めよう辞めようと思いつつ言い出す勇気がなく、ずるずる、、という感じでやってました。
結局、先輩方について保育園や図書館でおはなしを語りました。そうしたら、子供たちのキラキラとした目が嬉しくて、あの目をみると辞めるという気持ちがなくなってました。あの子供たちのキラキラした目に出会えていなかったらやめていたと思います。」
馬場さん「地方から荒川区に嫁にきて、時間があったんです。図書館のお手伝いができるかなと、将来自分に子供ができて読み聞かせができれば、一石二鳥になるんじゃない、と思ったので、養成講座を受講しました。
私は養成講座の一期生で、最初ははなしを覚える?なんて驚きました。20人いたなかで残ったのは、7、8人。上手に話せる人は辞めていって、加藤さんと一緒でやっぱり辞めるといえずに。
でも子供の前ではなしを語ると子供たちのキラキラした目にあって辞められなくなりました(笑)」
星山さん「あるところで詩集のコラボを津軽弁でやっていてそこは読んではなしていたのですが、それを聞いて私もできるんじゃないかなって思ったので養成講座を受講しました。養成講座を受講して8年経ったけれど、残ったお友達3人とは今もお茶を飲みに行ったりしているんですよ」
―いつも子供に語られていますが、大人と語るのは子供に語る違いは?
加藤さん「子供は毎月、行っているので毎回楽しみにして待っていてくれる。大人はリピーターの方もいらっしゃるけれど、一期一会。間違ってもいけないという緊張感があります。大人は正当に語らないといけないプレッシャーがあります。」
馬場さん「子供向けにおはなしは覚えますが、昔はなしは大人にも聞ける話です。覚えているお話を大人の皆さんに聞いてもらう。基本は子供の前ではなすのを基本としています。大人のためのおはなし会はその延長上にあります。こういった活動をしているというのを多くの方に知ってもらいたいので」
お話を伺っているとみなさん本当におはなしと子どもが好きなんだなぁ~って思いました。
子供たちのキラキラした目は、中毒のようなものらしいですよ。
これは体験した人しかわからなさそうですね。
馬場さん「講習会で話を覚えるのはハードルが高いって思うかもしれません。でも一生続けていけるボランティア活動です。
荒川区は図書館、保育園、幼稚園などすでに語れる場所があります。昔話は意識して語りつかないと、なくなってしまいます。
荒川区の子ども達に一緒にはなしを届け続けていきましょう。」
と、最後まで熱く話していました。
まずは、おはなしを聞きに行ってみませんか。
9月30日(土)13時半~16時
ムーブ町屋ハイビジョンルームで「世界と日本の昔話」を語られます。
1年に1度の集大成のおはなしポケットのおはなし会
たまには、おはなしを聞いて心を浄化してみるのもいいと思いますよ。
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