急須珈琲でいただくじんわりほっこりな時間。百舌珈琲店(谷中)

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谷中の夕やけだんだんの裏の急坂。
坂上にある延命院にある七面堂へ続く坂であることから七面坂と呼ばれるこの坂の下に、かわいいカフェが一軒オープンしたのは2020年3月。
名前を百舌珈琲店といいます。

オープンしてからまだ3ヶ月あまり。
折から始まったコロナウイルス禍で観光客による賑わいも大きく減った谷中ですが、そんな中、こちらのカフェには潤いを求める地元の住民の方が集まるようになり、この店が淹れるコーヒーを楽しみに毎日来るお客さんもいると言います。

そんなお店の看板商品が、急須で淹れる「急須珈琲」。
オーナーのお一人の出身地である長崎の波佐見焼(はさみやき)の急須、湯のみで、じんわりとコーヒーをいただくことができます。

お店を運営するのは三隅さんと佐々木さんのお二人。
もともとコーヒー関係のお仕事をされてきたお二人ですが、お店をオープンされたのは初めてのこと。

手前が三隅さん、奥が佐々木さん。

実は急須でコーヒーを淹れるという文化は、古くは江戸時代の弘前藩で行われていた記録があるのだとか。
その頃は、遠く長崎から入荷されたコーヒーを麻袋に入れ、南部鉄器を使って抽出していたそうです。

今回お二人は試行錯誤を重ね、急須で淹れるのに最適な豆の挽き方、抽出の仕方を研究。
自信の持てる味に仕上がったところで店を出すことを決めました。

コーヒーは、お好きな豆を選ぶことができます。
頼んでしばらくすると急須、湯のみ、砂時計を乗せたお盆が運ばれてきました。

砂時計の砂が落ち終わる3分後にコーヒーが完成します。
急須でいただくコーヒーの特徴は、少し粗めに引いた豆から出る豆本来の油分がフィルターで漉されないので、そのまま一緒に楽しめること。

口に含むとまろやかな舌触りのコーヒーが心地良く、穏やかに喉を流れていきます。

お二人の明るいお人柄が引き寄せるのか、お店には次々と近所や馴染みのお客さんが顔を出し、お店はひだまりのよう。

和テイストの落ち着いた内装とコーヒーのまろやかさの波長が絡み合い、まるで近所の知り合いの家の縁側でコーヒーを一杯いただいているような感覚に。

「実は、おすすめの楽しみ方があるんですよ」と三隅さんに教えてもらったのが、お店の自家製あんことのコラボレーション。

コーヒーを出し終わった後に急須の底に残るコーヒーの残かす。
まだふんわりと泡立っているそのかすを、あんこに掛け、混ぜて食べるのだと聞き、早速試してみました。

おそるおそる、焦げ茶色とも判別のつかないまだ暖かいコーヒーかすをあんこに混ぜてみます。

食べて見ると、あっさりした上品な甘さのあんこの中にコーヒーならではの苦味がじんわりと広がり、見事に大人の味のスイーツに仕上がっていました。
ほんのりフルーティな、豆の噛みごたえも楽しむことができます。

さらにそこに牛乳をかければ、甘くてミルキーで、それでいてコーヒー味もという、なんとも絶妙なハーモニー。
一杯の急須のコーヒーで3つの味が楽しめてしまって大満足でした。

百舌珈琲さんでは他にも自家製や食材の産地にこだわった飲み物、スイーツを揃えています。
私はおすすめされて、佐々木さんの出身地、岩手の南部小麦を使ったドーナツを買ってみました。

南部小麦は南部煎餅にも使われている、栄養価も高く、噛みごたえのある堅牢さが特徴の小麦。
今回はレモンピールドーナツをいただきましたが、自然な甘みともっちり感があり、コーヒーにぴったりのドーナツでしたよ。

シャイだというお二人ですが、お店に行く機会があれば、ぜひいろいろ聞いてみてください。
きっと、ちょっとした工夫で世界が広がるコーヒーの楽しみ方、食材のこだわりのポイント、教えてもらえるはずです。


<店舗情報>

    • 店名:百舌珈琲店
    • 住所:東京都荒川区西日暮里3丁目14-7
    • 営業時間:平日8:30〜18:00(*週末営業している場合もあります。詳しくはSNSなどをご確認ください。)
    • HP:百舌珈琲店
    • Instagram:@mozucoffee


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