京成町屋駅の謎の看板、矢吹炉研ってどんな会社?

ある日、京成町屋駅のホームに立っていると違和感が……。

なんだこれは! いつの間にか不思議な看板が設置されていました。
「あなたは知っていますか」
って全く知りません。
これは取材しないといけないのではないか?ということで翌日検索して電話。

「はい、ヤブキロケンです」

ん? ロケン?
ロケンロー(ロックンロール)的な会社なのか?ということで早速、会社に向かうことにしました。

 

矢吹炉研って何してる会社なの?


矢吹炉研は都電の熊野前駅のすぐ近くにあります。
ロックの会社だったら当然ロックな正装で行かなくては!ってことでライダースジャケットにサングラス。ちなみに当日は36℃、暑すぎだぜベイベー。

「荒川102だぜ、ベイベー」

インターホンに呼びかけると、しばらくして社名の入ったジャンパーを着た女性が。

「え? どうしたんですか? その格好、暑くないですか?」

いや、めちゃくちゃ暑いっす。でもロケンローな会社にはこれぐらいやらないと……。

「あー、社名ですね。我が社は主に清掃工場(ゴミ焼却炉)のメンテナンス、清掃をしています。
創業者の矢吹和男がたとえ経験のない仕事(炉の清掃)に対しても、 まずは熟知することに努め、 誰よりも、どこの会社よりも、よりよく遂行 できる方法を追究し、工夫する姿勢を常に持ち続けることを自身に課していました。
そこから、独自の発想を持って新しいやり方を常に考えて研究し、新しいことにチャレンジする精神を忘れないという意味を込めて『矢吹炉研』という社名にしたんですよ」

と話してくれたのは矢吹炉研社長の矢野さん。

なるほどロックンロールとは一切関係ないんですね。
町屋駅の看板を見たのですが斬新で気になります。どういった経緯でこの広告を作ったのですか?

「新規採用に向け、会社を知ってもらうためにつくりました。若い社員の提案で普通によくある企業広告との差別化を図りインパクトで勝負しました」

清掃工場の清掃ってどんなことをするのですか?

「ここで説明してもわかりにくいと思うので清掃工場に行ってみますか?」

 

清掃工場の見学に行ってきました!


ということで清掃工場にきました。
とにかく大きい、まさに工場。
まずは清掃工場の仕組みを見てみましょう。

矢吹炉研は清掃工場の多くの部分の清掃点検に関わっているそうです。

収集車から運ばれてきたゴミを溜める深さ30メートルあるゴミバンカ。深い……。
ここからクレーンでゴミを運び出し焼却炉に入れていきます。
いくつかの扉をくぐり階段を上り下り工場内に入ります。

清掃工場の中はダクトや金属製の機械がたくさん。
「そこ触ると火傷しますよ」
どおりで暑いと思った。

温度計を見ると49℃!
そう、ここはまさに焼却炉の真横なのだ。

焼却炉の小窓から覗くと真っ赤に燃え盛る炎。

燃やした時に出る灰はベルトコンベヤに乗って外へ。
最終的には処分場に運ばれます。

「ここから中に入って清掃します」
とても狭いですね。

「基本的に内部に入るマンホールという扉は狭いですね。内部に足場を仮設するときは、材料を入れるのも一苦労です。内部には無数の水管が通っていて外側を清掃するのにサンドブラストでの施工をしていて、技術が必要になってきますね」


このような技術が必要な仕事は、特別な資格が必要なんですか?

「作業するのに粉じん作業や足場作業など5種類の特別教育の資格が必要になります。矢吹炉研ではその資格は入社時の教育で取得ができます。その他にもフォークリフトや玉掛けなどの技能講習も取得可能です」

大変な作業だということはわかりましたが、もし清掃しないとどうなるんですか?

「燃焼効率が悪くなったり、機器が緊急停止したりすることがあるんです。それを防ぐために清掃工場では年2回必ず定期工事があって、清掃のほかに劣化状況を確認して補修や交換もします」

「これはゴミの中に含まれる金属が焼却時に溶けて冷めて固まったものです。これが焼却炉内にこびりついているんです」

確かにこれがどんどん大きくなっていったら困りそうですね。





清掃工場の清掃において矢吹炉研の強みはなんですか?

 

「清掃技術はもちろんのこと、清掃するための足場仮設も自社で行っており、ゴミバンカから煙突まで全般の清掃ができることでバラバラに工事を依頼するのではなく、一括して工事を請け負うことができるのが矢吹炉研の強みです。
とても大変な仕事ですが、さまざまな経験を積んできた人が多く在籍しているのが矢吹炉研の宝ですね」

 

小学生向けのホタル観賞会を毎年開催


ホームページを見ていて気になったのですが、ホタルを育てていると書いてありますよね。

「そうなんです。本社にホタルを飼育している庭園があって、毎年6月頃に尾久小学校の5年生を招待してホタル観賞会を開催しています。ホタルの生態や、なぜ光るのかなどを校外授業のような形で説明しています。毎年子どもたちの喜ぶ顔を見て、こちらがたくさん元気をもらっています!」

自分たちの仕事だけでなく地域に愛される会社でありたいという創業者が故郷の福島を想い、会社の庭にビオトープを作ったのがスタートだそうです。

矢吹炉研の仕事はニッチで目立たないですが、社会のインフラになくてはならないということがわかりました。
高温になる焼却炉の周りでの作業は大変ですが競合社も少なく仕事量は安定しており、やりがいもありそうです。

従業員は常時募集しているようなので、気になった人はwebサイトをチェックしてみてください。

<企業情報>

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