荒川区が伝統工芸技術「彫金」の職人見習いを募集中(9月末締切)

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荒川区では、伝統工芸技術の継承を目的とし、伝統工芸に関心がある若者や、職人さんへの弟子入りを希望する若者をサポートする支援制度「荒川の匠育成事業」を運営しています。

今年、この匠育成事業にて、金銀銅などの貴金属を用いて香炉や装身具などを製作する「彫金」を対象として、職人見習いとして短期現場実習に挑戦する方を募集しています。

実習を受け入れる職人は、西日暮里や銀座で工房を運営する作家の田村尚子さん。

彫金 田村尚子(荒川区伝統工芸技術保存会)

木目金・彫金・伝統技術の銀座尚呼
http://www.metalhearts.net/

募集人数は1名です。

彫金「尚呼」

彫金とは、金属に彫りや打ちだし、宝石を留めるなどの装飾を施す技術。
飛鳥時代にシルクロードを経由して日本に技法が伝わりました。
金属そのもの、および加工に関する深い知識と経験をもとに、様々な道具を駆使して繊細な装飾を施していきます。

田村さんは富山県高岡市の生まれ。
高岡は古くから城下町として栄えたこともあり金属加工が盛んな土地です。
田村さんも身近にそのことを感じつつ、高岡の専門学校で金属と彫金について学び、さらに東京で修業を積みました。

「高岡では江戸時代に京都から伝わった彫りを学び、東京では足利義政に仕えた御用彫金の後藤祐乗を祖とした刀装金具の技法を今も学んでいます。高岡が鋳物に彫金を施すのに対し、東京は一枚の板から打ち出して加飾するのが特徴です。現代は刀は需要が余り無いので、工芸品や装飾品に技術を用いています。」

彫金は金属を熟知した繊細な彫りの技術に加え、装飾の知識も必要とされる職業です。
田村さん自身も長い修行の時代がありましたが、昔は背中を見て覚えろ、という時代。
技術の習得に励みつつ、独立に向けて顧客開拓のための営業活動も随分としたそうです。

「毛彫りに始まり、毛彫りに終わると言われるほど、彫り鏨は基礎です。彫り鏨の取得の他、興味を持って博物館や美術館に行き絵の勉強をする必要があります。昔のように殿様が召抱える職業ではありませんから、大金持ちにはなれません。独り立ちするには、彫金が好きだという気持ちを持ち続けて苦難も楽しいと思えるタフな精神も必要です。」

すでに製造されていない道具は自ら製作することも

弟子入りを希望される方には、昔気質のやり方ではなく、丁寧に向き合い、一人前になれるよう厳しくもしっかりと教えたいという田村さん。
その裏には、伝統を受け継いでいくことへの想いがあります。

道具箱の裏には代々受け継がれてきた証が

「日本では縄文末期から金属製品が出土されます。誰が作ったかは分かりませんが、確かに誰かが生きて作った証でもあります。また、平安時代からの優品も今も大切に受け継がれているものもあります。今、世の中に出回る装飾品はCADと3Dプリンターで精巧に作られていますが、宝石に頼らない、機械では決して出来ない意匠と技術を使って制作をしたいですし、それを受け継いで欲しいです。」

10月中に書類選考があり、田村さんとの面接を経て採用されると、令和3年1月から3月にかけて短期の実習に参加してもらい、引き続き修行を希望する方には次のステップとして「弟子入り修行(伝統工芸技術新規継承者育成支援事業)」へと進む機会を得ることができます。
また、これらの実習期間においては荒川区から研修手当てが支払われます(1日3000円。1ヶ月上限6万円)。

募集要項(表)
募集要項(裏)

応募は実習申込書と履歴書に記入の上、荒川ふるさと文化館へ持参するか郵送にて。
9月30日(水)午後5時必着です。

申込用紙は荒川区ホームページからもダウンロード可能。
https://www.city.arakawa.tokyo.jp/a016/bunkageijutsu/dento/takumiikusei.html

伝統工芸の継承、職人の世界に興味のある方。
21世紀に、日本古来の伝統工芸技術を活かした新しい仕事、ビジネスを作ることに挑戦したい方。
そんなあなたの挑戦を待っています。
ぜひ応募を検討してみてください。

西日暮里の工房は道灌山通りの貨物線路脇にあります。

応募先・問合せ先:
荒川区立荒川ふるさと文化館
電話:03-3807-9234
FAX:03-3803-7744

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