ギャラリー七面坂途中。
その名の通り、谷中夕やけだんだんの裏の七面坂、その途中にある水色の壁の小さなギャラリーがオープンするのは12時。
12時を少し過ぎたころに訪れるとオーナーの布田さんがギャラリーに箒を掛けているところでした。
どうもー、と声をかけると、あらようこそ、たった今来たばっかりなのよ、と。
七面坂途中は絵を勉強してこられた布田さんが3年前にオープン。
ギャラリーの中はシンプルな木のテーブルと椅子に、白い壁。
「この窓から見える空の抜けがとってもよくて決めたの」というように、ギャラリーの中からは、向かいの大きな長命寺の敷地を通じてパーっと爽やかな青空が広がります。
「すっばらしいでしょう?いつ見てもこの風景に癒されるのよ」とにこやかに言う布田さんの気持ちが良くわかります。
現在、ギャラリーでは6月27日(土)(*会期は7月4日(土)まで延長となりました)まで、企画展「青にこんがらがって」を開催中。
岡林こういち、宇野七穂、荻原始、岡路貴理、片山正之、斎木一貫。6人の作家の作品が展示されています。
今回の展示のテーマ「青」はギャラリーの外壁の水色。そして6月といえば雨の青。
それらの青に作家さんの絵がこんがらがって、というイメージで思いついたのだとか。
あまり絵を見ることが普段ない私。
絵ってどうやって見ればいいんですか?と聞くと、「そんなの、ただ感じればいいのよ」と。
「この絵は好きだなあ」と言うと、そうでしょう、いい絵でしょう?私もとっても好き、と本当に嬉しそうに言ってくれます。
ご自身も絵を学んでいた布田さんですが、「作家さんて、人のことがどうとかああとか言ったりする人全然いないの。そんな人たちに囲まれて暮らしたいな」と思ってギャラリーを開いたのだそうです。
「日本人はなんか絵は高尚なものだ、って線引きしてるじゃない?」と布田さん。
ギャラリーには若い人がフラッと立ち寄って買っていったり、どうしても気になって、その場で「コンビニでお金下ろしてくる」と走っていく人もいるのだとか。そういうのでいいんじゃないかしら、と。
こちらのギャラリーは展示したい方が借りて展示することもできますが、今回の展示はご自身による企画。
どうやって作家さんを集めてくるんですか?と聞くと、作家さんのほうから企画の内容を知って応募してくれるのだそうです。
その宣伝の仕方の秘密は「うちねえ、SNSとかやってないから、トイレなのよ笑」。
詳細はギャラリーに行く機会があればちょっと聞いてみて。布田さんらしくてとっても面白いですよ。
そうそう。谷中といえば猫が有名ですが、こちらのギャラリーのロゴは犬。
布田さんが長年連れそうイタリアングレーハウンドの愛犬TOTOがモチーフになってます。
今は高齢のためギャラリーにはいませんが、こんなところにも隠れていました。
最近は百舌珈琲店もオープンしたり、賑やかになってきた七面坂。
「ここはいい感じになるはずよ」と笑う布田さんが言う通りになりそうな予感がします。楽しみですね。
ギャラリー七面坂途中では、7月にも「優遊展」、8月には「出ズフェス」などの企画展が決定済みです。
<店舗情報>
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- 店名:ギャラリー七面坂途中
- 住所:荒川区西日暮里3-14-6
- 営業時間:12:00-18:00。金曜定休。
- 電話:080-5224-1565
- HP:http://gallerysichimen.yu-yake.com/
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