水彩画とともに区内を巡る「下町あらかわ散歩道」シリーズ。
今回訪問するのは、開成中学のグラウンド横、急角度の坂の途中にある向陵稲荷神社です。
NI-008: 向陵稲荷神社
開成学園のある一帯は、江戸時代は秋田藩佐竹氏の屋敷でした。
もともと神田淡路町のあたりにあった開成学園ですが、関東大震災により校舎が消失し、この地に移動してきたのは1924年とのこと。
当時は開成中学のグラウンド内に鎮座されていたようですが、開成学園の移転とともに現在の位置に移築されたようです。
開成学園の中学校と高校の間の坂道が向陵稲荷坂。左側にカーブしながら急勾配を登っていくと左手に幟が立ち並んでいるのが見えてきます。水彩画に描かれている風景ですね。
向陵稲荷神社は、第2次世界大戦中の激しい東京大空襲で周囲の町域は焦土と化す中でも消失せずに残り、今に至っているとのことです。まさに家内安全の霊験あらたかな神様と言えそうです。
小さな境内ですが、キリッとした狛犬がしっかり左右を固めていましたよ。
開成学園あたりにお越しの際は、この小さな神社が持つ歴史と霊験を感じに、ぜひ一度立ち寄ってみてください。
<”下町あらかわ散歩道” について>
下町あらかわ散歩道「荒川区をもっと元気に!」を合言葉に地元の印刷会社さんが集まり、2012年に始まった活動です(HP)。
現在は、ふるさと画家である上野啓太氏に描いていただいた区内各所の水彩画の展示、販売などを通じて、荒川区の良さを発信し、ブランド化していく活動に取り組まれています。
この活動は、2008年に上野氏が湯島で始めた地元町おこし活動の流れを汲むもので、今では一般社団法人マーチング委員会、として全国に活動が広がっています。
いつも見ている景色も、当たり前すぎて普段ほとんど記憶にもとどめていないもの。そんな景色が、独特の透明感を持つ水彩画を通じて表現されることで、改めて記憶しておきたい情景として甦ります。
本シリーズでは、下町あらかわ散歩道で販売されている水彩画絵はがき紹介しつつ、区内各所をご一緒にめぐっていきます。