未来キッチン – マンションの中にあるみんなの隠れ家キッチン @南千住

廊下の突き当たりの扉を開けると、そこは味噌作りを始めた興奮と活気に溢れ、ベランダの面した窓ガラスは熱気でもわぁっと曇っていました。

伺ったのは、南千住の自宅マンションを使って開かれているマクロビオティックの料理教室「未来キッチン」さんが開いた、「こだわり味噌」作り教室。

部屋にいるのは、講師でクシマクロビオティックのリーダーシッププログラムでインストラクター資格を持つ小島さん、それに遠くは川崎や草加などからも来られた合計5名の受講生のみなさんです。お互い初対面の方も多くいらっしゃったのにも関わらず、講座が始まって30分もしていない室内は既に全員が以前からの知り合いのように和やかで和気あいあいとした空気に包まれていました。

先生による味噌の作り方や保管方法に関する説明の後、先生が過去に作られた数種類のお味噌の試食。その後、さっそく作業にとりかかります。

まずは、塩と麦麹をしっかり混ぜ合わせます。その後、先生が、半日ほど煮て柔らかくなった有機大豆それぞれが手元のボウルにとりわけ、摺り棒でドスドスとつぶしていきます。

5人の生徒さんがめいめいにボウルを叩く後で室内はあっという間に共同作業の空間と化しました。先生がかけてくれているレゲエ風の音楽をバックに、リズム良くどんどんと大豆をすりつぶしていき、つぶした大豆を木桶によそっていくと、味噌らしい雰囲気が出てきます。

作業に没頭する生徒さんの横では、先生がキッチンでこの日のランチの準備をしてくれています。

通常、未来キッチンさんの教室では参加者全員でランチ作りを行い、皆さんで試食タイムという流れになるそうです。しかし、味噌作りの教室に至っては生徒さんが味噌作りに専念するため、ランチは先生が作ってくれるのです。そんな料理中の先生に少しお話を聞きました。

– いつ教室をスタートされたんですか?

「もともとは北千住で2008年にクラスをスタートしました。その後2010年に荒川区に引っ越してきました。」

– なぜマクロビオティックの料理教室を?

「家族の体が弱かったこともあって、以前から体を作るものは食べ物だという意識がとても強かったのです。オーストラリア在住中に栄養学を学び3年間勉強しました。その頃すでにオーストラリアではマクロビオティックというものがあったのですが、当時はそこまで大きな興味は持たないまま日本に帰国しました。ところが日本に帰ってからまたマクロビオティックに接する機会があって、そこからこの世界にはまっていったんです。」

2006年にアメリカで開催されているマクロビのサマーカンファレンスに参加しKushi Instituteというマクロビオティックの学校に通うようになりました。その後、インストラクターの資格を取ることに決めてLevel1はアメリカで取得し、Level2を東京、最後にオランダでLevel3を修了しました。今ではKushi Instituteの年間コースの講師を未来キッチンにてやらせていただいてます。

– 未来キッチンとはどういうところですか?

「みんなで仲良く、気軽でアットホームに楽しめる教室でありたいと思っています。あまりキチキチとマクロビオティックを教える、というよりも、バランス良く美味しいごはんを食べていきましょう、ということを伝えられたらと思っています。」

– 講座について教えてください。

「この講座は去年から始めたもので、「発酵美人クラス」というコースの一環になります。これは1年を通じて発酵食を勉強するコースで、季節の食材を使った発酵食品をいろいろ作っていきます。日本の伝統的な食材を多くの方に知って頂きたいと思っていたときに、ふと思いついて始めました。」

先生の話しを聞いている間もどんどんと味噌作りは進んでいきます。あっという間に90分が経過し、一人2kg、合計10kgにもなる味噌の山が木桶に積まれていきます。かなりハードな作業のはずなのですが、みんなでやっている楽しさがあるからでしょうか、たまに会話もはさみながら無心になって大豆をつぶし続けているとあっという間に時間が立ち、潰し作業が終了しました。

麹、塩、大豆を混ぜて潰し終えた味噌を各々で容器に詰めていきます。空気を抜きながらしっかりと容器に詰め終わると作業は終了。

一仕事を終え、手元には自分が作った味噌がたっぷり。後は各家庭で保管して熟成させることになります。皆さん、仕事を終えた充実感と達成感に溢れた顔をしていました。
その後、先生が用意してくれたマクロビオティック料理をみんなで取り分けて頂きます。

玄米とは思えないもっちりした玄米ご飯や、昆布出汁のお味噌汁など、先生が丹精込めて作られた手作りのお料理とデザートは、来ていただいた生徒のみなさんに良いものを食べて帰って行って欲しいという真摯な気持ちが溢れ出ているように感じました。

生徒さんにも感想を聞いてみました。

“今日初めて参加させてもらったんですけど、とっても入りやすかった〜。ほんとに先生のお人柄だと思います!”
“マンションの中に隠れ家キッチンがあるっていう感じで、とても楽しいです。”

これには先生も「みんな、良いコメントをありがとね〜(笑)」と思わずニッコリ。取材しているほうも楽しくなってしまいました。

実は、今年から漸く教室の活動に専念できるようになったという小島さん。
まだまだ教室のあり方については模索しているということですが、南千住のマンションの一室から、これからもきっと生徒さんとの楽しい時間がたくさん生まれていくのでしょう。
興味を持った方は、是非問い合わせしてみてくださいね。


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※荒川102の取材情報は地図からも探せます。ぜひご活用ください。> 「荒川102取材マップ」


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