荒川区というと、なんとなく、ガラが悪い、治安が悪い、そんな印象を持っている方もいるんじゃないでしょうか?
私の家族も、生まれも育ちも生粋の荒川人ですが、そういう印象を持っているようです。そんなわけで私もなんとなくそのように思っていました。
実は、警視庁が毎年、事故や犯罪の発生状況については詳しい統計を出しています。「荒川区は実はそれほど治安の悪い地域ではないんですよ」という情報を記者から入手したので、早速詳しく調べてみました。
尾久警察署のあらかわ遊園前交番(東京 街歩き 街で見かけた建築 より)
なかなか興味深いデータが出てきましたよ。
1. 刑法犯の発生率:★★☆☆☆
まずは、都内の市区町村の刑法犯罪発生率(認知件数 / 人口)を、ランキングにしてみたところ、このようになりました。荒川区は黄色でハイライトしています。
刑法犯の総数は、527件となっています。これは、23区に限っていえば文京区に次ぐ2番目(!)という好成績となっています(23区外のリスト中のエリアを含めると27位)。
人口対比で考えた発生率で言えば、表にあるように36位。良くも悪くもなく、中の下ぐらいの成績だということが分かります。
区域を接する近隣の区と比較すると、台東区よりは良いですが、北区、足立区よりもランクは下となっています。また、この刑法犯について、主な犯罪として警視庁が発表している犯罪別の中身を見ると、特に自転車の窃盗が多いことが分かります。
自転車が生活の中心にある荒川区。ある程度の自転車泥棒の発生は避けられませんが、住民それぞれが自転車の施錠などに気をつけて、犯罪の予防に努めたいものですね。
2. 交通事故の発生状況:★★★★☆
次に交通事故の発生率を比較してみました。表が見にくいですが、人口に対する交通事故の発生率を都内の警察署別のランキングで上位から並べています。島嶼部はのぞいています。
明治通りや日光街道など、区内に主要幹線道路がいくつも走っていて、交通事情は決してよくないように思える荒川区ですが、このデータを見るかぎり、荒川区の警察署3署の管轄区内は、いずれも交通事故の発生率については比較的良い成績だということが分かります。
特に尾久は2位!交通事故の危険性という観点では都内でも屈指の安全な街であることが分かりますね。
データをご覧になって、いかがでしたでしょうか?
日ごろ、身の回りに起きていることや人のウワサ話をもとに、何となく感覚的に地域のことを見てしまいがちなものですが、このようにデータをちゃんと見てみると実態や、どのようにすれば良い街にしていけば良いのかが分かってきますね。
これからも102ではできるだけこのような具体的なデータも、区民視点でシェアしていければと思っています。