今年で「平成」が終わりますね。
巷では荒川区の不動産価値が上昇したことが話題になったりしていますが、荒川区の平成の最後の10年は、実際、どのように変化したのか、人口分布という観点から見てみるのも面白いかと思い、調べてみました。
元データは荒川区が毎月発表している人口統計データです(世帯と人口 荒川区公式ホームページ)。
1. 現在の荒川区(平成31年1月)
まずは現在、平成31年1月の町別年代別の人口分布を見てみましょう。
南千住が最も人口が多く、区全体の人口の21.58%を占めます。次いで多いのが荒川となっています。一方、西尾久や町屋では80代以上の人口が8%を超え、超高齢化が進んでいることが分かります。
西日暮里は町の人口は最も少ないですが比較的まだ若年層の割合が多く、60代以上の人口の割合で言えば24.19%と、最も高い西尾久の32.74%と比較すると、8.5%もの開きがあることも分かります。
次にこの数字をグラフにしてみましょう。
町別年代別の分布を年代軸や町軸で積み上げ棒グラフにしてみると、10代の人口がかなり少ないが10才未満人口は若干ですが増えていることや、南千住の40代人口がかなり多く、汐入の再開発に伴ってこの層が大量に流入し、全体の人口分布に大きな影響を及ぼしていることが覗える結果となっています。
2. 10年前の荒川区(平成21年1月)
次に、10年前にタイムマシンで戻ってみましょう。平成21年1月の人口はこのようになっていました。
まずは総人口が184,000人足らずと、現在よりも30,000人も少ないことが目を引きます。そして、60代以上人口は29.88%と現在よりも1.6%も高い一方で、80代以上人口は5.74%であり、現在よりも1.3%ほど低いことから、この10年で超高齢化が進行していることも覗えます。
年代別の積み上げ棒グラフにしてみると、30代が少し突出している他は、現在と比較して20代〜60代の人口がほぼ均一な人口分布を見せています。
3. 10年の変化を可視化してみる
最後に、10年前と今を比較した町別年代別の人口増減を数字とグラフにしてみます。
区内すべての町域において、総人口が増えていること、その中でも特に南千住、東日暮里、西日暮里の人口が群を抜いて増えており、この3つの町域での再開発やマンション増加に伴って若い世帯が大量に流入したことが分かります。
また、その中でも南千住は現在40代〜50代の世帯が中心であり、一方の東日暮里・西日暮里では20代・30代の世帯の増加が顕著なことも見てとれます。
一方、荒川、町屋、西尾久などでは特に子ども人口が殆ど変化していないか一部減少しており、比較的町の変化が少なく、シニア世代が増加している傾向となっています。
町の人口分布は、区が発表している統計データで比較的簡単に調べることができます。今回は各町域全体の人口の変遷しか見ませんでしたが、各町域の中の丁単位での移り変わりなどを調べてみるのも面白いかもしれませんね。
平成の次に来る時代の荒川区は、どうなっていくのでしょうか。楽しみです。