荒川区のキホンシリーズ。荒川区をよく知って地域に誇りを持ってほしい。そんな思いを込めてこのシリーズを書いています。「町屋の矜持」ということで先月は町屋の歴史や未来予測について書かせて頂きました。今月は町屋の良い所を知ってもらおうということで名所編を書きました。
まず、住居表示での町屋地区の他に、住所は荒川(三河島)なのですが最寄駅が町屋で、「町屋」の名を冠した施設がある荒川6、7丁目と4,5丁目の一部。これらは敢えて三河島編の時に紹介してませんでしたので、町屋編で紹介したいと思います。
宮地交差点から花の木橋付近へ
町屋のメインストリートたる尾竹橋通りを宮地交差点から北上していくと徐々に町屋文化圏?になっていくと思います。京成線と交差する場所が花の木橋交差点。京成線の高架橋が花の木橋だと思っている人は居ませんよね。京成線の線路に沿った道路が藍染川通りと書かれているのを見たことがある人は多いかもしれません。昔はこの道路が藍染川という川でそこに架かっていたのが「花の木橋」という橋だったのです。近年まで花の木橋の親柱が残っていたのですが、今は無くなってしまって残念です。
藍染川について書こうと思います。荒川区を流れる藍染川は人工河川です。本流の藍染川は谷田川ともいい北区西ヶ原付近から湧水を集め田端、谷中、根津を通って不忍池に流れ込む河川でした(徳川家康入府以前は江戸湾まで流れ込んでいたと言います)現在は谷中銀座のどん詰まり、よみせ通り商店街となっている道が藍染川でその先は「へび道」と言われている曲がりくねった道になっています。流路がくねくねと曲がりくねっていたので氾濫することが多く、洪水対策のためにバイパスの排水路が造られたのです。それが荒川区内を流れる藍染川です。道灌山下付近からトンネルで分岐し西日暮里駅近くから開渠となって、京成線沿いに流れて隅田川に至る水路でした。しかし都市河川として生活排水などが流れ込み汚濁され、諸問題が起きたために暗渠とされました。現在は藍染川通りにその名を残すのと、西日暮里駅近くには流路に蓋をしたかつての川幅がわかる痕跡が残るのみとなっています。
花の木橋から町屋駅前へ
花の木橋の近くには「バーエルマー」があります。看板の無いコンクリート打ちっぱなしの個性的な建物ですがシングルモルトなどウイスキー好きにはたまらないお店だと思います。
京成線を越えて進んでいくと、もんじゃ焼きの「浜作 花の木店」があります。元々は京成線の高架下にお店があったのですが、高架の耐震補強のために立ち退きとなり、支店であったこちらに移ってきたもの。土手は作らない荒川もんじゃと荒川区のもんじゃ文化の発信基地となっています。店内では寄席を行う時もあるようです。
浜作の先には和菓子の「乃ん喜庵」は昭和22年創業の老舗の和菓子店。店頭で天日干ししているかきもちと黒糖どら焼きが美味しい。
乃ん喜庵の前にそびえたつのが再開発によって建てられたマークスタワー。28階建て地下鉄駅と直結、赤札堂が入ります。
その先のセンター町屋も再開発によって建てられた高層ビル。高層階は住戸ですが、多目的ホールのムーヴ町屋があり、低層階と地下にあるサンポップ町屋には様々なお店がはいいっています。ときわ食堂の支店「ときわ」もここにあります。本店はディープ感が漂うので家族連れはこちらの方が良いかも。都電側にある「博多屋」の今川焼は一日に2000個も売れる人気だそうです。
都電と京成線の立体交差では運が良いと都電とスカイライナーが交差する瞬間が見られます。町屋らしい風景の一つでしょうか?
駅前にはバラがたくさん植えてあり、季節にはバラの美しい風景に出会えます。毎年、5月にはバラの市が開催されています。美しいバラが格安に購入できるのですが午前中の早い時間に行かないと売り切れてしまうのでご注意ください。
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