大規模な図書館ができます。
荒川区が平成26年度予算事業を公表しました。
その中にある最大の予算事業、「荒川二丁目複合施設事業」(26年度予算案25億2636万円)について、公表された資料をもちいて紹介していきたいと思います。
これが完成予想図。
この画像は施設の完成予想図ですが、この予想図からも、荒川区のこの手の施設としては今までにない、かなりの大規模施設であることが窺えます。
主なスペックは以下のようになっています。
- 敷地面積:4,111平方メートル
- 延べ床面積:10,931平方メートル
- 建物概要:地下1階地上5階建て、免震構造
- その他:着席130名収容ホール、エレベーター(区が保有する施設では初)
- 完成予定時期:平成16年
ちなみに、荒川区の図書館で最大の図書館が南千住図書館。その延べ床面積は2,686平方メートルです。したがって、今回出来る施設の規模は、その4倍もあることになります。
Q なぜ25億円もかけてつくるの?
A 次世代を担う子どもたちはもちろん荒川区民により良い学びの場を提供するため。
荒川区は区の将来像を「幸福実現都市 あらかわ」とし、この将来像を支える6つの都市像の1つとして「子育て教育都市」を掲げ、地域ぐるみの子育てと学びのまちづくりを推進しています。
これから変化の激しい社会の中で、次代を担う子どもたちが個性や能力を十分に発揮し、たくましく生きる力を付け、人間性豊かに成長していくために、また個々の荒川区民が幸福を実感できる地域社会をつくるためには、ひとりひとりが、心の豊かさを育みながら自分実現のために「学びの場」が必要だ、としています。
そして「子育て教育都市」のシンボルとなる施設にしたい、と区は考えているようです。
Q なにが複合されているの?
A 図書館と文化館と子ども施設が入っています。
1つは「赤ちゃんから高齢者まで、心を豊かにする場としての図書館」
1つは「荒川区出身の優れた作家である吉村昭氏の文学作品の研究•発信を通して文化の醸成を図る文化館」
1つは「子どもたちの心をのびやかに育む場としての体験型施設」
複合するメリットとしては、この3つの施設を単体として整備するよりも、それぞれが目指す役割を有機的に融合させた複合施設にすることで事業展開の幅が広がり、将来にわたってより多くの区民に親しまれる施設にしたい、としています。
Q どんなコンセプトなの?
A 『感じる』『知る』『創る』をキーワードに「夢をはぐくみ、心をつなぐ 感じる知的創造空間」
荒川区はこの複合施設を、図書館、文化館、子ども施設が既成概念の枠を超えて有機的に結びつく施設にしたい、としています。
例えば、これまでの図書館は、どちらかというと知識の吸収や個人学習の場として利用されてきたが、新たな複合施設ではフィールドワークやワークショップ等と結びつけることで、感性や創造力をより活性化させる事業の実施など、新たな機能を付加した図書館の展開が可能となります。
また同じようなことが文化館や子ども施設にも当てはまることから、それぞれの施設の特性による相乗効果が生まれる複合施設となることが想定されています。したがってこの複合施設においては、図書館、文化館、子ども施設の合築ではなく、それぞれを「複合施設を構成する3つの機能」と位置づけています。
そして3つの機能を融合させた複合施設のコンセプトを形づけるものとして、『感じる』『知る』『創る』というキーワードが設定されました。
施設の核である図書館は、新たな発見の場となり、区民と地域の情報源となり、大きな知恵袋として、読書の楽しみとともに信頼と温もりのあるサービスを提供する場へ。これが「知る」ということでしょうか。
文化館は、作品の魅力を通し、荒川区出身の吉村昭氏を誇りに感じるとともに文学に親しみ、知的好奇心を満たし、文化を育む空間へ。ここが「感じる」をイメージしていそうですね。
子ども施設は、未来を担う子どもたちが学びや遊びの中から、発見/体験し、子どもたちの夢や生きる力を育むとともに、子育ての喜びや楽しみを地域ぐるみで育む場へ。「創る」はこの子ども施設のことを指しているようです。
実はこの複合施設計画は平成21年度から計画が具体的に動き出しています。平成21年度にノンフィクション作家の柳田邦男氏をはじめ、学職経験者や区民、区議会議員の皆様を構成委員とする「複合施設の設置及び運営に関する懇談会」が設置されました。そして5年の時を経て87枚ある基本計画書となっています。
わたし自身、読書が大好きで、よく図書館も利用しています。非常に完成が楽しみです。憩いの場になればいいなーなんて考えています。
この複合施設の計画ができあがった経緯については、区のホームページに懇親会の議事録などが掲載されていますので、紹介しておきます。