
荒川区民なら耳にしたことはある地名、西尾久。近くに住んでいないと、具体的に頭に浮かんでこないとてもローカルな地域です。この地域にたたずむ、新しい風を取り入れる場所「おぐセンター」を今回は取材してきました!
商店街の中心にある「おぐセンター」とは

西尾久には大きな一本の商店街があります。おぐセンターはその商店街の中心で、通り沿いにあります。センターというと無骨な建物を想像してしまうかもしれませんが、「おぐセンター」の見た目はお洒落な今風のカフェ。
木造の見た目ながら、ガラスで店内がうかがえる、おしゃれながらアットホームを感じる見た目の場所です。
おぐセンターは、営業時間中ならいつでも定食やカフェメニューを楽しめる飲食店として営業しています。その一方で、2階はオルタナティブスペースとして活用されるなど、幅広い世代が集まり、交流できる多目的な場にもなっています。
子どもと来やすいおもちゃスペースにお座敷も

筆者も2歳の娘をもつママなのですが、今回は娘も同伴で利用させていただきました。ママ目線で申し上げますと、ありがたすぎる飲食スペース! おもちゃや絵本が充実したスペースに、広いお座敷エリアで子連れには助かります。

入口近くのキッチンエリアはカウンターテーブル席になっているのですが、そこ以外のエリアは畳のお座敷席となっています。

2歳にもなってくると子どもの食事が来るまで待てない、食べ終わったあとはすぐ飽きだす問題が親の頭を悩ませます……。しかし、おぐセンターなら安心です! 幅広い絵本の数々、ミニカー、ブロック、シルバニアなどのお人形まであります。

娘はお座敷についてすぐ、取材で来た私のことなんて差し置いて、おもちゃエリアに突撃です! おかげでとてもゆっくりとメニューを決めることができました。
おいしそうな定食の数々

定食メニューは、「日替わり定食」と「いつもの定食」の複数の中から選ぶことができます。日替わり定食は隔週曜日によって違います。インスタで週ごとに日替わりメニューが告知されているので、食べたい定食がある人は要チェックです。

いつもの定食には、焼き魚のメニューがあります。シンプルな調理のものは、小さなお子様とも分けて食べることができるのでいいなと感じました。

私は今回、日替わり定食のルーローハンをいただきました。ルーローハンのボリューミーさ、定食の温かみある見た目によだれがでます。水餃子とお味噌汁もついてきました。
それに加えて、娘が食べる単品の納豆も追加注文しました。子どもと一緒に食べる人には、こういった単品注文できるものも助かるポイントです。
デザートにはカフェメニューのスイーツを

ドリンクにはコーヒーをはじめ、ハーブティーもあります。また、ビールも何銘柄かそろい、アルコールまで置いてあり充実していました。私は娘がおもちゃで遊んでくれていたので、デザートタイムまで堪能させてもらいました。

「バナナとキャラメリゼナッツの米粉ケーキ」は、フレッシュバナナをペーストにして生地に練りこんだしっとり食感のケーキです。上品な甘味とバナナの香り、キャラメリゼナッツの風味が優雅なコーヒー時間にあいます。
また米粉を使っているので、子どもにも安心して分け与えることができます。我が子も甘い匂いをかぎつけ、食べるとなったらおもちゃを置いてすぐに手を伸ばしてきました。
ニューニュータウンプロジェクト

今回は2階にも上がらせてもらいました。1階の飲食フロアとは違った、歴史を感じさせる2階のフロアは貸しスペースにも使えます。
ここでは俳優さんたちの稽古から、子どもたちの勉強場所、ポケモンカード大会などなど、いろんなことを行える場所として、貸し出しやイベントを行っているそうです。

東京R不動産のプロジェクト「ニューニュータウン」からはじまったという、おぐセンター。こちらのプロジェクトは、古くなった物件などをあえて使い、“まちに飛び込んで、楽しく使おう”というコンセプトで発足したもの。
なので「おぐセンター」の自体が、実はとても歴史のある建物なんです!
「三角八百屋」から「おぐセンター」へ

この建物は、かつて地域の方々から「三角八百屋」と親しまれた青果店だったそう。時代を経て受け継がれ、おぐセンターの店長・森下さんたちがご自分たちの手で、アイディアを出し合い改装されたそうなのです。

なので、実は随所にレトロな趣を残しています。2階にあるドアには、おそらく昔の鍵なのではないか?というものも見られ、とても興味深かったです。こうした時代を経て受け継がれているものを見ると、心にじんわりとした温かな気持ちを感じます。

2階は使用される頻度がまだ少ないそうなので、貸しスペースを借りてやってみたいことがある!という方はおぐセンターへ、ぜひご相談を。
3時間以内:3,000円 / 6時間以内:5,500円 / 終日:8,000円
時間も文化もこえて人が交わる交差点「おぐセンター」

この日、取材中も常連だという外国の方が利用していました。最近では西尾久の下町の居心地のよさに惹かれ、外国の方や大学生、夢を追う若者たちなども街に流れてくるようになったと店長・森下さんはおっしゃっていました。
近くに「梅の湯」という有名な下町銭湯もあり、夜はご家族でお風呂帰りに「おぐセンター」を利用する方などもいるそうです。時代を経て、今はこうしてさまざまな利用客が交わる憩いの場となっています。

かつての賑わいが形を変え、再び人が集う場所へ。これからも「おぐセンター」がどんな風に育っていくのか楽しみです。
<店舗情報>
- おぐセンター
- 住所:東京都荒川区西尾久2丁目31-1
- 営業時間:11:30〜21:00(定食は売り切れ次第終了)
- 定休日:月曜日
- Instagram: @ogucenter