「あ、どうもいらっしゃい~」
3連休最終日の7月15日月曜日の朝、細い道路がいくつも行き交う三河島の路地の一角。
古くからこの地にある長屋の前に、たくさんの人たちが集まっていました。
行われていたのはフリーコーヒーイベント「休日にコーヒーとお野菜とお醤油を」。
この長屋に昨年入居しオフィスを構える株式会社meguriが主催するイベントです。
無料でコーヒーを振る舞うフリーコーヒーとともに、この日は遠く岡山県倉敷市から創業160年の老舗「丸米醤油」さん、そして、板橋区で数少ない都市近郊農園を営む「川口農園」さんが出店。
家族経営で長年の地元のお客様だけにしか販売していないため一般の流通ルートでは出回っていない様々な風味が楽しめるお醤油や、江戸東京野菜を含む今朝収穫したばかりという朝獲れ野菜が、軒先でかわいく、鮮やかに並んでいました。
集まってきたのは遠くは仙台から来たという人も含め、地元の人や、お友達、若いご夫婦など。
通りかかった近所の方も、普段見かけない光景に足を止め、様々な風味の醤油を試してみたり、野菜について質問したり。
立ち話しをする大人たちの足元をくぐりぬけたり、長屋の中で一緒にブロックを積んだり、初めて会う子供たちもすぐに打ち解けて開放的に遊んでいます。
ガラリと開け放たれた長屋の玄関からは畳の部屋とちゃぶ台が。
この日はフリーコーヒーだけでなく、みんなで一緒に食卓を囲むカレーランチの会も開催。
作るのは、主催の杉本さんの「小中学校のお友達」だということで呼ばれたそうちゃん。
皆が外で遊んでいるあいだ、中の厨房で黙々と仕込みをすすめてくれていました。
「そろそろ始めますか~」
11:30になり、杉本さんの掛け声でみなさん長屋の中へゾロゾロと上がります。
簡単な流れの説明のあと、さっそくみんなで調理や準備のお手伝いです。
まずは順番に手を洗い、そして川口農園からの新鮮な野菜を手分けして切ったり盛ったり。
「これ切るの初めてなんだけど、こんな感じでいい?」
「いい感じ!」
こんな調子で知らない者同士が和気藹々と、ちょっぴりお互いに遠慮もしつつ、準備が進みます。
トン、トン、トン、トン。
長屋の中では大人が野菜を切る音が。外では子供たちの遊ぶ声。不思議な空間です。
時間のある人は自己紹介カードを書いたり、机や食器を並べたり。
そうこうしているうちにカレーが完成。ちゃぶ台の上に大きな寸胴鍋と炊飯器が運び込まれてきました。
「ごはんお願い~」
「もうみんなに回ったかな~」
みんなで確認し、分担しながら、そうちゃんが作ってくれたカレーライスが盛られたお皿を回します。
次いで、ホクホクに揚げられた野菜たちもやってきました。
丸米醤油のしょうゆ娘こと、三宅さんの「いただきます~」に全員で「いただきます~」と答えて食事スタート。
熱々の野菜には、丸米醤油さんのお醤油を少しだけ垂らして頂きます。風味がふわっと増すんですね。
みんなで食べるカレー、新鮮な野菜、そして香り高い醤油。長屋の部屋のあちこちで「おいしい!」という声が上がっていましたよ。
食事の後には丸米醤油さんと川口農園さんの活動についてお話を聞きました。
どんな食材、ありえない食材同士でもベストマッチな組み合わせにしてしまう存在が醤油だというしょうゆ娘の三宅さん。
自身も、そんな醤油のような存在になって、醤油を売る活動を通じていろいろな人をつないでいったり、醤油の製造を若い世代へ継承していきたいと言います。
川口農園の川口さんは、もともと農業とは無縁だったが結婚を機に農業に興味が湧き、有機栽培・少量多品種で年間30-40種類もの野菜を住宅地の中にある農園で生産。
区内での栽培・販売を通じて、さまざまな人やお店をつなぎ、人を元気づけたり、自分たちの手元を離れて巣立っていった野菜たちが新しいつながりや地域の名物を生み出すきっかけを生み出しているのを実感するようになってきたと言います。
三河島の長屋。醤油。そして都市農園。
振り返ってみると、どれも「人と人のつながり」というキーワードで繋がっていたのでしょうか。
この場所から、これからも新しいつながりがどんどん生まれてきそうな気がします。
主催の方にもいろいろお話聞いてみたいですね。
次回イベントが気になる方は、Facebookで「株式会社meguri」をフォローしておきましょう。
要チェックですよ。
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