下町にはブルースがよく似合う。
25年ほど前、三ノ輪の駅を降りると私の生まれ育った横浜と同じ空気感があった。鉛色の曇り空、ドヤの雰囲気。
昼間からビールを飲みながら街を歩くと、 現実からどんどん離れていく感覚がとても心地よかった。
私が小さい頃、横浜の家の向かいのアパートには売春婦が住んでいて夜遅くまで 洋楽のレコードを大音量でかけていた。好きな男の好みなのかJAZZだったりブルースだったりロックだったりしたのだけれど、三ノ輪駅から友人の家に行くまでの道を歩いてるとふとそのことを思い出す。
南千住のPool shot Venusで月に1度、千住ブルースナイトというライブが開催されている。
主催者の松しょうさん。 ありきたりな表現になるがとにかく渋い。声が渋い、ギターが渋い、表情が渋い。そしてトークはまったりとしていながらも情熱に満ちている。
栗時雨。ボーカルありささんとギターコーラスあかりさんの19歳デュオ。とてもやさしいフォーク。若い繊細さピュアさがとてもいい。19歳といえば我が子でもおかしくない年齢。私がすでに失ってしまった感覚がみえて新鮮だった。これからもがんばってほしい。
SANYAのみっちゃん これぞ下町のブルース。力強く歌い上げる感じがたまらない。彼女の声には酒が美味くなる良い意味での場末感がある。
歩いていけるところで生の音楽を聴けるということは実はすごく幸せなことだ。 ここは新宿や渋谷ではない。箱も数十人は入ればいっぱい。ビールのみに行くぐらいの軽い気持ちで行けるのが地元のライブハウスだ。
ライブのスケジュールはVENUSのホームページを参照のこと。次回のダウンタウンライブは5月18日。
<店舗情報>
- お店の名前:Pool Shot VENUS
- 場所:東京都荒川区南千住1-15-4 トリニティー三ノ輪5F
- 開店時間:17:00~5:00
- TEL/FAX:03-5850-3773
- HP:http://www.s-net.co.jp/