荒川区のスゴい人を紹介します。
南千住に住むマジシャン目出鯛 寛さんに会いにいきました。
音楽に合わせて次々と手品を披露していく目出鯛ひろしさんは大正8年生まれ。とても若々しくとても94歳には見えません。
老人福祉センターでのステージが終わり手品の道具を片付けながら、「体だけじゃなくて脳を使わないとね」
毎日朝夕1時間歩くことは欠かさないと言う。ゆっくりゆっくり、歩いたら休んで、また歩いたら休んで、、、
「夕方、歩いてるとね、子どもたちが来て手品やってって言うわけ。だからこうやっていつでもできるようにね、、、」と言っている右手からは花が1つ、2つ、3つ、4つ。いつ仕込んだのだろう?
「手品だからタネも仕掛けもある。こうやってこっちに気を惹いておいて、こっちで仕込むわけ」
手品を学んだのは50年前。歌も芸もできず何か人前で披露できることを探していたとき手品に興味を持った。
手品の道具を買ったのだけれど上手にできない。道具を買った松坂屋できちんと学べるところを聞いたところ奇術協会の手品教室を紹介された。月謝は月一度2時間4000円。
当時4000円と言えば一戸建ての借家が借りれる金額。趣味にしては高い金額を払ったと覚えているそう、、、ということは相当稼いでいたでしょう?
「そういうことになるねえ。2軒つぶして3軒目に成功したの。当時(このあたりに)焼き魚を売る店がなくてね。リアカーいっぱい魚を仕入れても全部売れた」
手品は2年ほど学んだ。しかし本業である魚屋が当たり、家で練習する時間はほとんどなかったため、披露するのも業者の集まりなどで年に数回だけ。本格的にはじめるようになるのはそれから40年以上後のこと。
荒川区のボランティアで保育園などで手品をするようになり、魚屋を廃業した後、マジシャンとして活躍するようになる。
「お客さんに喜んでもらえるのがうれしい。」
手品を学んで50年。手品師としてデビューして5年。
デビューして5年と言えばまだまだ新人マジシャン。今後の夢は?
「もう94だから夢っていうのはねえ、、、毎日元気に生きれることを祈るだけだよ。」 と笑う。
しかし生き生きした目は若者と変わらない輝きをもっています。
できることを教えていきたいから、ということで廃業した魚屋の跡を利用してマジック道場を開いています。
「手品はたくさん覚えなくていい。1つ2つをきちんとできるようになるまでたくさん練習することがうまくなるコツ」
手品は手先を使い、考える。脳のトレーニングになるので高齢者のボケ防止にもなるとのこと。
目出鯛ひろしさんのマジックを生で見て覚えてください。
一芸覚えて健康づくり、マジック道場は要予約。見学もOK。
荒川区南千住6-6-6 問い合わせ03-3801-1603(倉持)