荒川区イベントカレンダー

荒川区に関連する行政、各種団体、商店街、企業、店舗などのイベントや行事予定を紹介します。
荒川102編集部でピックアップした情報のほか、ご希望される方は、無料および有料での情報掲載が可能です。詳しくは「掲載依頼・お問い合わせ」をご確認の上、お気軽にお問い合わせください。

10月
26
あらかわハロウィン2025 @ あっぷる館(受付)
10月 26 @ 11:00 AM – 3:00 PM

🎃👻
今年もハロウィンイベント開催します😆
楽しみにしていた皆さんお待たせしました♪
ご家族と、ご友人と、ハロウィンならではの特別な仮装でお楽しみください🎃

西尾久周辺のお店を回りながらお菓子とシールをゲット!
ゴールに到着すると、豪華なお菓子がもらえます♪
ゴール地点の尾久ふれあい館には、特別フォトブースを設置📷
ご自身のカメラやスマホを使って自由に撮影して頂けます!

下記リンクより事前の申し込みをお願いします🙇‍♀️
https://arakawahalloween2025.peatix.com

イベントを一緒に盛り上げてくれる
スタッフも募集しています!
ご連絡お待ちしております☺️

🎃あらかわハロウィン2025👻


開催日   :2025年10月26日(日)
開催時間  :11:00〜15:00(最終受付14:30)
開催場所  :荒川区西尾久周辺
参加費   :お菓子ラリー参加者お一人につき、税込1,300円
支払い方法 :事前決済
購入期限  :2025年10月25日(土) 18:00
定員    :300名
受付場所  :あっぷる館
受付住所  :〒116-0011 東京都荒川区西尾久2丁目29−5
ゴール場所 :尾久ふれあい館
ゴール住所 :〒116-0011 東京都荒川区西尾久2丁目25−13

※お菓子ラリーに参加しない同伴者様の参加費は不要となりますがぜひ一緒に仮装してお楽しみください🎃
※各自で歩いて回ります。必ず保護者の方とご一緒の参加をお願いします🚶
※フォトブースは、ゴール地点に設置しています📸
※フォトブースにはカメラマンはおりませんので、ご自身で撮影をお願いします🙇‍♀️

 

申し込み


https://arakawahalloween2025.peatix.com

お問い合わせ


Instagram @arakawa.kizuna のDMへ💌

 

落合由利子 写真展「絹ばあちゃんと90年の旅―幻の旧満州に生きて」 @ ギャラリーOGU MAG
10月 26 @ 1:00 PM – 7:00 PM

■会期→2025年10月23日(木)~11月9日(日)

■開館時間→OPEN: 木金土日, 13:00-19:00

 

ギャラリーOGU MAGでは、2025年10月23日(木)より、落合由利子 写真展「絹ばあちゃんと90年の旅―幻の旧満州に生きて」を開催します。

写真家・落合由利子は、これまでさまざまな人々の暮らしを写真に収めてきました。ベルリンの壁崩壊直後の東欧を巡り、ルーマニアでは村に滞在しながら、人々の自給自足の暮らしを撮影。日本で自身も子どもを育てながら「働くこと」と「子育て」を題材に複数の家族を記録し、戦後生まれの「戦争体験」をテーマに40人へのインタビューとポートレートで構成された本をまとめるなど、精力的に活動してきました。

今回の写真展は、2015年に101年の生涯を終えた後藤絹さんという、落合がかつて一冊の本としてまとめた、一人の女性の日々の暮らしに流れる時間を写し撮った写真で構成されます。

1913年に生まれ、開拓団として満州へ渡った絹さんは、ソ連の侵攻によって三人の子どもを亡くし、日本の敗戦後も中国の内戦で看護婦として従軍し、8年後にようやく帰国しました。落合は、絹さんの話を聞くうちに、まるで絹さんの人生を一緒に旅しているかのように感じ、その人生は決して「過去の出来事」ではなくなっていったと言います。

本展では絹さんの写真に加え、インタビュー時にカセットテープに録音された声、そして絹さんの人生と戦争体験をまとめた小冊子を通じて、その波乱に満ちた人生を我々も一緒にたどるものになります。ある一人の個人史を通して歴史に触れ、戦争と平和について改めて考えるきっかけとなることを願っています。

写真展の開催に合わせて、特別冊子を発売します。

また、10月26日(日)17:00からはアーティストトーク「絹さんを語る」、10月31日(金)18:30からは現在KOSHA KOSHAで展示中(10/15~東京都写真美術館でも展示予定)の写真家・藤岡亜弥さんとのトークイベントを開催します。こちらもぜひご参加ください。

 

展示作家ステイトメント


「今が一番幸せだよ」

そう言いながら伊豆半島の中央に位置する天城の山奥で一人、畑を耕しながら暮らす後藤絹さんに初めて会った日、その過酷な人生のあらすじをかいつまんで聞いた。

1913年静岡県藤枝に生まれた絹さんは、看護婦をしていた1939年26歳のとき、家の事情で、当時国策だった開拓団として満州(現中国東北部)に渡る。

開拓団の青年と結婚し三人の子どもを授かるが、夫は召集され、1945年8月9日ソ連軍の侵攻、大混乱の中を転々とする避難生活の中で、三人の子どもを次々と亡くし、難民生活者となる。

そして日本敗戦後、内戦状態となった中国で看護婦免許が絹さんを帰国から遠ざけた。中国共産党八路軍従軍看護婦として「留用」され、後方衛生部隊として3年間従軍する。1949年中華人民共和国成立後は、ハルピン医大で看護婦養成のために働くことになる。

日本敗戦から8年が過ぎた1953年39歳でやっと念願の帰国。シベリア抑留を経て天城山麓に開拓に入っていた夫と再会し再び生活を始める。二人の子どもに恵まれ、その子たちも成人し、それぞれの家族を築いた。夫は他界し、絹さんは一人で畑を耕し日々を暮らしていた。

出会った日から6年間、ときどきふらっとやってくる私を絹さんは暖かく迎えてくれた。「こんな話を聞いて、おもしろいのかい?」なんて言いながらお茶を入れてくれるのだった。

彼女と日常を共有し、その記憶を旅するうちに、今まで実感として感じなかったことを感じるようになった。

例えばこんなことだ。

ひとたび国家の戦争が起これば、星の数ほどの「個人の戦争」が始まる。「戦争」は終戦で終わるものではない。

「亡くなった子どものことは忘れないよ、これは一生ついてまわるの、死ぬまでね」

絹さんの言葉だ。

喜怒哀楽の感情は生きてきた時代が違ってもそんなに違うものではないと思う。絹さんの顔はやはり深い感情が刻まれた顔だった。

絹さんは2015年101歳でこの世を去った。

「生きてきたこと嘘じゃないんだから、話して何が悪いと思うのよ」

絹さんの生きた歴史の断片を未来に向けて伝えたいと思う。

※当時の表現のまま「看護婦」を使用しています。

 

作家プロフィール


落合由利子(おちあい・ゆりこ)

1963年埼玉県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒。人物ドキュメントを中心に仕事を展開する。

写真集に『東欧 1989 EASTERN EUROPE』(自主出版 2025年)、『話したい-戦争は知らないけれど』(私家版、2021年)、『WINDOW’S WHISPER』(私家版、日本大学芸術学部長賞受賞、1984年)。

主な個展に「東欧 1989 EASTERN EUROPE」(IG Photo Gallery、2025年)、「CORNEREVA-ROMANIA1991」(ギャラリー冬青、2025年)、「働くこと育てること」(全国巡回、2000-2017年)。美術家スクリプカリウ落合安奈とのコラボレーション展示「私の旅のはじまりは、あなたの旅のはじまり」(横浜市民ギャラリー、2024年/MYAF、2023年/ANB Tokyo、2021年)。

著書に『絹ばあちゃんと90年の旅-幻の旧満州に生きて』(講談社、2005年)、『働くこと育てること』(草土文化、2001年)。

共著に『ときをためる暮らし』(文藝春秋/自然食通信社、2012年)、『若者から若者への手紙1945←2015』(ころから、2015年)他。

WEBサイト: https://ochiaiyuriko.com

 

関連イベント


◉10月26日(日)17:00より アーティストトーク: 絹さんを語る
要予約、定員20名 参加費:無料

◉10月31日(金) 18:30より 写真家 藤岡亜弥さんとのトークイベント
要予約、定員20名 参加費:1,000円

予約制:OGU MAG店頭 または info@ogumag.com にて受付いたします。

※予約開始日:10/11(土)~ ※定員になりましたら、予約受付を終了いたします。ご了承ください。

 

10月
30
落合由利子 写真展「絹ばあちゃんと90年の旅―幻の旧満州に生きて」 @ ギャラリーOGU MAG
10月 30 @ 1:00 PM – 7:00 PM

■会期→2025年10月23日(木)~11月9日(日)

■開館時間→OPEN: 木金土日, 13:00-19:00

 

ギャラリーOGU MAGでは、2025年10月23日(木)より、落合由利子 写真展「絹ばあちゃんと90年の旅―幻の旧満州に生きて」を開催します。

写真家・落合由利子は、これまでさまざまな人々の暮らしを写真に収めてきました。ベルリンの壁崩壊直後の東欧を巡り、ルーマニアでは村に滞在しながら、人々の自給自足の暮らしを撮影。日本で自身も子どもを育てながら「働くこと」と「子育て」を題材に複数の家族を記録し、戦後生まれの「戦争体験」をテーマに40人へのインタビューとポートレートで構成された本をまとめるなど、精力的に活動してきました。

今回の写真展は、2015年に101年の生涯を終えた後藤絹さんという、落合がかつて一冊の本としてまとめた、一人の女性の日々の暮らしに流れる時間を写し撮った写真で構成されます。

1913年に生まれ、開拓団として満州へ渡った絹さんは、ソ連の侵攻によって三人の子どもを亡くし、日本の敗戦後も中国の内戦で看護婦として従軍し、8年後にようやく帰国しました。落合は、絹さんの話を聞くうちに、まるで絹さんの人生を一緒に旅しているかのように感じ、その人生は決して「過去の出来事」ではなくなっていったと言います。

本展では絹さんの写真に加え、インタビュー時にカセットテープに録音された声、そして絹さんの人生と戦争体験をまとめた小冊子を通じて、その波乱に満ちた人生を我々も一緒にたどるものになります。ある一人の個人史を通して歴史に触れ、戦争と平和について改めて考えるきっかけとなることを願っています。

写真展の開催に合わせて、特別冊子を発売します。

また、10月26日(日)17:00からはアーティストトーク「絹さんを語る」、10月31日(金)18:30からは現在KOSHA KOSHAで展示中(10/15~東京都写真美術館でも展示予定)の写真家・藤岡亜弥さんとのトークイベントを開催します。こちらもぜひご参加ください。

 

展示作家ステイトメント


「今が一番幸せだよ」

そう言いながら伊豆半島の中央に位置する天城の山奥で一人、畑を耕しながら暮らす後藤絹さんに初めて会った日、その過酷な人生のあらすじをかいつまんで聞いた。

1913年静岡県藤枝に生まれた絹さんは、看護婦をしていた1939年26歳のとき、家の事情で、当時国策だった開拓団として満州(現中国東北部)に渡る。

開拓団の青年と結婚し三人の子どもを授かるが、夫は召集され、1945年8月9日ソ連軍の侵攻、大混乱の中を転々とする避難生活の中で、三人の子どもを次々と亡くし、難民生活者となる。

そして日本敗戦後、内戦状態となった中国で看護婦免許が絹さんを帰国から遠ざけた。中国共産党八路軍従軍看護婦として「留用」され、後方衛生部隊として3年間従軍する。1949年中華人民共和国成立後は、ハルピン医大で看護婦養成のために働くことになる。

日本敗戦から8年が過ぎた1953年39歳でやっと念願の帰国。シベリア抑留を経て天城山麓に開拓に入っていた夫と再会し再び生活を始める。二人の子どもに恵まれ、その子たちも成人し、それぞれの家族を築いた。夫は他界し、絹さんは一人で畑を耕し日々を暮らしていた。

出会った日から6年間、ときどきふらっとやってくる私を絹さんは暖かく迎えてくれた。「こんな話を聞いて、おもしろいのかい?」なんて言いながらお茶を入れてくれるのだった。

彼女と日常を共有し、その記憶を旅するうちに、今まで実感として感じなかったことを感じるようになった。

例えばこんなことだ。

ひとたび国家の戦争が起これば、星の数ほどの「個人の戦争」が始まる。「戦争」は終戦で終わるものではない。

「亡くなった子どものことは忘れないよ、これは一生ついてまわるの、死ぬまでね」

絹さんの言葉だ。

喜怒哀楽の感情は生きてきた時代が違ってもそんなに違うものではないと思う。絹さんの顔はやはり深い感情が刻まれた顔だった。

絹さんは2015年101歳でこの世を去った。

「生きてきたこと嘘じゃないんだから、話して何が悪いと思うのよ」

絹さんの生きた歴史の断片を未来に向けて伝えたいと思う。

※当時の表現のまま「看護婦」を使用しています。

 

作家プロフィール


落合由利子(おちあい・ゆりこ)

1963年埼玉県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒。人物ドキュメントを中心に仕事を展開する。

写真集に『東欧 1989 EASTERN EUROPE』(自主出版 2025年)、『話したい-戦争は知らないけれど』(私家版、2021年)、『WINDOW’S WHISPER』(私家版、日本大学芸術学部長賞受賞、1984年)。

主な個展に「東欧 1989 EASTERN EUROPE」(IG Photo Gallery、2025年)、「CORNEREVA-ROMANIA1991」(ギャラリー冬青、2025年)、「働くこと育てること」(全国巡回、2000-2017年)。美術家スクリプカリウ落合安奈とのコラボレーション展示「私の旅のはじまりは、あなたの旅のはじまり」(横浜市民ギャラリー、2024年/MYAF、2023年/ANB Tokyo、2021年)。

著書に『絹ばあちゃんと90年の旅-幻の旧満州に生きて』(講談社、2005年)、『働くこと育てること』(草土文化、2001年)。

共著に『ときをためる暮らし』(文藝春秋/自然食通信社、2012年)、『若者から若者への手紙1945←2015』(ころから、2015年)他。

WEBサイト: https://ochiaiyuriko.com

 

関連イベント


◉10月26日(日)17:00より アーティストトーク: 絹さんを語る
要予約、定員20名 参加費:無料

◉10月31日(金) 18:30より 写真家 藤岡亜弥さんとのトークイベント
要予約、定員20名 参加費:1,000円

予約制:OGU MAG店頭 または info@ogumag.com にて受付いたします。

※予約開始日:10/11(土)~ ※定員になりましたら、予約受付を終了いたします。ご了承ください。

 

10月
31
落合由利子 写真展「絹ばあちゃんと90年の旅―幻の旧満州に生きて」 @ ギャラリーOGU MAG
10月 31 @ 1:00 PM – 7:00 PM

■会期→2025年10月23日(木)~11月9日(日)

■開館時間→OPEN: 木金土日, 13:00-19:00

 

ギャラリーOGU MAGでは、2025年10月23日(木)より、落合由利子 写真展「絹ばあちゃんと90年の旅―幻の旧満州に生きて」を開催します。

写真家・落合由利子は、これまでさまざまな人々の暮らしを写真に収めてきました。ベルリンの壁崩壊直後の東欧を巡り、ルーマニアでは村に滞在しながら、人々の自給自足の暮らしを撮影。日本で自身も子どもを育てながら「働くこと」と「子育て」を題材に複数の家族を記録し、戦後生まれの「戦争体験」をテーマに40人へのインタビューとポートレートで構成された本をまとめるなど、精力的に活動してきました。

今回の写真展は、2015年に101年の生涯を終えた後藤絹さんという、落合がかつて一冊の本としてまとめた、一人の女性の日々の暮らしに流れる時間を写し撮った写真で構成されます。

1913年に生まれ、開拓団として満州へ渡った絹さんは、ソ連の侵攻によって三人の子どもを亡くし、日本の敗戦後も中国の内戦で看護婦として従軍し、8年後にようやく帰国しました。落合は、絹さんの話を聞くうちに、まるで絹さんの人生を一緒に旅しているかのように感じ、その人生は決して「過去の出来事」ではなくなっていったと言います。

本展では絹さんの写真に加え、インタビュー時にカセットテープに録音された声、そして絹さんの人生と戦争体験をまとめた小冊子を通じて、その波乱に満ちた人生を我々も一緒にたどるものになります。ある一人の個人史を通して歴史に触れ、戦争と平和について改めて考えるきっかけとなることを願っています。

写真展の開催に合わせて、特別冊子を発売します。

また、10月26日(日)17:00からはアーティストトーク「絹さんを語る」、10月31日(金)18:30からは現在KOSHA KOSHAで展示中(10/15~東京都写真美術館でも展示予定)の写真家・藤岡亜弥さんとのトークイベントを開催します。こちらもぜひご参加ください。

 

展示作家ステイトメント


「今が一番幸せだよ」

そう言いながら伊豆半島の中央に位置する天城の山奥で一人、畑を耕しながら暮らす後藤絹さんに初めて会った日、その過酷な人生のあらすじをかいつまんで聞いた。

1913年静岡県藤枝に生まれた絹さんは、看護婦をしていた1939年26歳のとき、家の事情で、当時国策だった開拓団として満州(現中国東北部)に渡る。

開拓団の青年と結婚し三人の子どもを授かるが、夫は召集され、1945年8月9日ソ連軍の侵攻、大混乱の中を転々とする避難生活の中で、三人の子どもを次々と亡くし、難民生活者となる。

そして日本敗戦後、内戦状態となった中国で看護婦免許が絹さんを帰国から遠ざけた。中国共産党八路軍従軍看護婦として「留用」され、後方衛生部隊として3年間従軍する。1949年中華人民共和国成立後は、ハルピン医大で看護婦養成のために働くことになる。

日本敗戦から8年が過ぎた1953年39歳でやっと念願の帰国。シベリア抑留を経て天城山麓に開拓に入っていた夫と再会し再び生活を始める。二人の子どもに恵まれ、その子たちも成人し、それぞれの家族を築いた。夫は他界し、絹さんは一人で畑を耕し日々を暮らしていた。

出会った日から6年間、ときどきふらっとやってくる私を絹さんは暖かく迎えてくれた。「こんな話を聞いて、おもしろいのかい?」なんて言いながらお茶を入れてくれるのだった。

彼女と日常を共有し、その記憶を旅するうちに、今まで実感として感じなかったことを感じるようになった。

例えばこんなことだ。

ひとたび国家の戦争が起これば、星の数ほどの「個人の戦争」が始まる。「戦争」は終戦で終わるものではない。

「亡くなった子どものことは忘れないよ、これは一生ついてまわるの、死ぬまでね」

絹さんの言葉だ。

喜怒哀楽の感情は生きてきた時代が違ってもそんなに違うものではないと思う。絹さんの顔はやはり深い感情が刻まれた顔だった。

絹さんは2015年101歳でこの世を去った。

「生きてきたこと嘘じゃないんだから、話して何が悪いと思うのよ」

絹さんの生きた歴史の断片を未来に向けて伝えたいと思う。

※当時の表現のまま「看護婦」を使用しています。

 

作家プロフィール


落合由利子(おちあい・ゆりこ)

1963年埼玉県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒。人物ドキュメントを中心に仕事を展開する。

写真集に『東欧 1989 EASTERN EUROPE』(自主出版 2025年)、『話したい-戦争は知らないけれど』(私家版、2021年)、『WINDOW’S WHISPER』(私家版、日本大学芸術学部長賞受賞、1984年)。

主な個展に「東欧 1989 EASTERN EUROPE」(IG Photo Gallery、2025年)、「CORNEREVA-ROMANIA1991」(ギャラリー冬青、2025年)、「働くこと育てること」(全国巡回、2000-2017年)。美術家スクリプカリウ落合安奈とのコラボレーション展示「私の旅のはじまりは、あなたの旅のはじまり」(横浜市民ギャラリー、2024年/MYAF、2023年/ANB Tokyo、2021年)。

著書に『絹ばあちゃんと90年の旅-幻の旧満州に生きて』(講談社、2005年)、『働くこと育てること』(草土文化、2001年)。

共著に『ときをためる暮らし』(文藝春秋/自然食通信社、2012年)、『若者から若者への手紙1945←2015』(ころから、2015年)他。

WEBサイト: https://ochiaiyuriko.com

 

関連イベント


◉10月26日(日)17:00より アーティストトーク: 絹さんを語る
要予約、定員20名 参加費:無料

◉10月31日(金) 18:30より 写真家 藤岡亜弥さんとのトークイベント
要予約、定員20名 参加費:1,000円

予約制:OGU MAG店頭 または info@ogumag.com にて受付いたします。

※予約開始日:10/11(土)~ ※定員になりましたら、予約受付を終了いたします。ご了承ください。

 

11月
1
落合由利子 写真展「絹ばあちゃんと90年の旅―幻の旧満州に生きて」 @ ギャラリーOGU MAG
11月 1 @ 1:00 PM – 7:00 PM

■会期→2025年10月23日(木)~11月9日(日)

■開館時間→OPEN: 木金土日, 13:00-19:00

 

ギャラリーOGU MAGでは、2025年10月23日(木)より、落合由利子 写真展「絹ばあちゃんと90年の旅―幻の旧満州に生きて」を開催します。

写真家・落合由利子は、これまでさまざまな人々の暮らしを写真に収めてきました。ベルリンの壁崩壊直後の東欧を巡り、ルーマニアでは村に滞在しながら、人々の自給自足の暮らしを撮影。日本で自身も子どもを育てながら「働くこと」と「子育て」を題材に複数の家族を記録し、戦後生まれの「戦争体験」をテーマに40人へのインタビューとポートレートで構成された本をまとめるなど、精力的に活動してきました。

今回の写真展は、2015年に101年の生涯を終えた後藤絹さんという、落合がかつて一冊の本としてまとめた、一人の女性の日々の暮らしに流れる時間を写し撮った写真で構成されます。

1913年に生まれ、開拓団として満州へ渡った絹さんは、ソ連の侵攻によって三人の子どもを亡くし、日本の敗戦後も中国の内戦で看護婦として従軍し、8年後にようやく帰国しました。落合は、絹さんの話を聞くうちに、まるで絹さんの人生を一緒に旅しているかのように感じ、その人生は決して「過去の出来事」ではなくなっていったと言います。

本展では絹さんの写真に加え、インタビュー時にカセットテープに録音された声、そして絹さんの人生と戦争体験をまとめた小冊子を通じて、その波乱に満ちた人生を我々も一緒にたどるものになります。ある一人の個人史を通して歴史に触れ、戦争と平和について改めて考えるきっかけとなることを願っています。

写真展の開催に合わせて、特別冊子を発売します。

また、10月26日(日)17:00からはアーティストトーク「絹さんを語る」、10月31日(金)18:30からは現在KOSHA KOSHAで展示中(10/15~東京都写真美術館でも展示予定)の写真家・藤岡亜弥さんとのトークイベントを開催します。こちらもぜひご参加ください。

 

展示作家ステイトメント


「今が一番幸せだよ」

そう言いながら伊豆半島の中央に位置する天城の山奥で一人、畑を耕しながら暮らす後藤絹さんに初めて会った日、その過酷な人生のあらすじをかいつまんで聞いた。

1913年静岡県藤枝に生まれた絹さんは、看護婦をしていた1939年26歳のとき、家の事情で、当時国策だった開拓団として満州(現中国東北部)に渡る。

開拓団の青年と結婚し三人の子どもを授かるが、夫は召集され、1945年8月9日ソ連軍の侵攻、大混乱の中を転々とする避難生活の中で、三人の子どもを次々と亡くし、難民生活者となる。

そして日本敗戦後、内戦状態となった中国で看護婦免許が絹さんを帰国から遠ざけた。中国共産党八路軍従軍看護婦として「留用」され、後方衛生部隊として3年間従軍する。1949年中華人民共和国成立後は、ハルピン医大で看護婦養成のために働くことになる。

日本敗戦から8年が過ぎた1953年39歳でやっと念願の帰国。シベリア抑留を経て天城山麓に開拓に入っていた夫と再会し再び生活を始める。二人の子どもに恵まれ、その子たちも成人し、それぞれの家族を築いた。夫は他界し、絹さんは一人で畑を耕し日々を暮らしていた。

出会った日から6年間、ときどきふらっとやってくる私を絹さんは暖かく迎えてくれた。「こんな話を聞いて、おもしろいのかい?」なんて言いながらお茶を入れてくれるのだった。

彼女と日常を共有し、その記憶を旅するうちに、今まで実感として感じなかったことを感じるようになった。

例えばこんなことだ。

ひとたび国家の戦争が起これば、星の数ほどの「個人の戦争」が始まる。「戦争」は終戦で終わるものではない。

「亡くなった子どものことは忘れないよ、これは一生ついてまわるの、死ぬまでね」

絹さんの言葉だ。

喜怒哀楽の感情は生きてきた時代が違ってもそんなに違うものではないと思う。絹さんの顔はやはり深い感情が刻まれた顔だった。

絹さんは2015年101歳でこの世を去った。

「生きてきたこと嘘じゃないんだから、話して何が悪いと思うのよ」

絹さんの生きた歴史の断片を未来に向けて伝えたいと思う。

※当時の表現のまま「看護婦」を使用しています。

 

作家プロフィール


落合由利子(おちあい・ゆりこ)

1963年埼玉県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒。人物ドキュメントを中心に仕事を展開する。

写真集に『東欧 1989 EASTERN EUROPE』(自主出版 2025年)、『話したい-戦争は知らないけれど』(私家版、2021年)、『WINDOW’S WHISPER』(私家版、日本大学芸術学部長賞受賞、1984年)。

主な個展に「東欧 1989 EASTERN EUROPE」(IG Photo Gallery、2025年)、「CORNEREVA-ROMANIA1991」(ギャラリー冬青、2025年)、「働くこと育てること」(全国巡回、2000-2017年)。美術家スクリプカリウ落合安奈とのコラボレーション展示「私の旅のはじまりは、あなたの旅のはじまり」(横浜市民ギャラリー、2024年/MYAF、2023年/ANB Tokyo、2021年)。

著書に『絹ばあちゃんと90年の旅-幻の旧満州に生きて』(講談社、2005年)、『働くこと育てること』(草土文化、2001年)。

共著に『ときをためる暮らし』(文藝春秋/自然食通信社、2012年)、『若者から若者への手紙1945←2015』(ころから、2015年)他。

WEBサイト: https://ochiaiyuriko.com

 

関連イベント


◉10月26日(日)17:00より アーティストトーク: 絹さんを語る
要予約、定員20名 参加費:無料

◉10月31日(金) 18:30より 写真家 藤岡亜弥さんとのトークイベント
要予約、定員20名 参加費:1,000円

予約制:OGU MAG店頭 または info@ogumag.com にて受付いたします。

※予約開始日:10/11(土)~ ※定員になりましたら、予約受付を終了いたします。ご了承ください。

 

11月
2
落合由利子 写真展「絹ばあちゃんと90年の旅―幻の旧満州に生きて」 @ ギャラリーOGU MAG
11月 2 @ 1:00 PM – 7:00 PM

■会期→2025年10月23日(木)~11月9日(日)

■開館時間→OPEN: 木金土日, 13:00-19:00

 

ギャラリーOGU MAGでは、2025年10月23日(木)より、落合由利子 写真展「絹ばあちゃんと90年の旅―幻の旧満州に生きて」を開催します。

写真家・落合由利子は、これまでさまざまな人々の暮らしを写真に収めてきました。ベルリンの壁崩壊直後の東欧を巡り、ルーマニアでは村に滞在しながら、人々の自給自足の暮らしを撮影。日本で自身も子どもを育てながら「働くこと」と「子育て」を題材に複数の家族を記録し、戦後生まれの「戦争体験」をテーマに40人へのインタビューとポートレートで構成された本をまとめるなど、精力的に活動してきました。

今回の写真展は、2015年に101年の生涯を終えた後藤絹さんという、落合がかつて一冊の本としてまとめた、一人の女性の日々の暮らしに流れる時間を写し撮った写真で構成されます。

1913年に生まれ、開拓団として満州へ渡った絹さんは、ソ連の侵攻によって三人の子どもを亡くし、日本の敗戦後も中国の内戦で看護婦として従軍し、8年後にようやく帰国しました。落合は、絹さんの話を聞くうちに、まるで絹さんの人生を一緒に旅しているかのように感じ、その人生は決して「過去の出来事」ではなくなっていったと言います。

本展では絹さんの写真に加え、インタビュー時にカセットテープに録音された声、そして絹さんの人生と戦争体験をまとめた小冊子を通じて、その波乱に満ちた人生を我々も一緒にたどるものになります。ある一人の個人史を通して歴史に触れ、戦争と平和について改めて考えるきっかけとなることを願っています。

写真展の開催に合わせて、特別冊子を発売します。

また、10月26日(日)17:00からはアーティストトーク「絹さんを語る」、10月31日(金)18:30からは現在KOSHA KOSHAで展示中(10/15~東京都写真美術館でも展示予定)の写真家・藤岡亜弥さんとのトークイベントを開催します。こちらもぜひご参加ください。

 

展示作家ステイトメント


「今が一番幸せだよ」

そう言いながら伊豆半島の中央に位置する天城の山奥で一人、畑を耕しながら暮らす後藤絹さんに初めて会った日、その過酷な人生のあらすじをかいつまんで聞いた。

1913年静岡県藤枝に生まれた絹さんは、看護婦をしていた1939年26歳のとき、家の事情で、当時国策だった開拓団として満州(現中国東北部)に渡る。

開拓団の青年と結婚し三人の子どもを授かるが、夫は召集され、1945年8月9日ソ連軍の侵攻、大混乱の中を転々とする避難生活の中で、三人の子どもを次々と亡くし、難民生活者となる。

そして日本敗戦後、内戦状態となった中国で看護婦免許が絹さんを帰国から遠ざけた。中国共産党八路軍従軍看護婦として「留用」され、後方衛生部隊として3年間従軍する。1949年中華人民共和国成立後は、ハルピン医大で看護婦養成のために働くことになる。

日本敗戦から8年が過ぎた1953年39歳でやっと念願の帰国。シベリア抑留を経て天城山麓に開拓に入っていた夫と再会し再び生活を始める。二人の子どもに恵まれ、その子たちも成人し、それぞれの家族を築いた。夫は他界し、絹さんは一人で畑を耕し日々を暮らしていた。

出会った日から6年間、ときどきふらっとやってくる私を絹さんは暖かく迎えてくれた。「こんな話を聞いて、おもしろいのかい?」なんて言いながらお茶を入れてくれるのだった。

彼女と日常を共有し、その記憶を旅するうちに、今まで実感として感じなかったことを感じるようになった。

例えばこんなことだ。

ひとたび国家の戦争が起これば、星の数ほどの「個人の戦争」が始まる。「戦争」は終戦で終わるものではない。

「亡くなった子どものことは忘れないよ、これは一生ついてまわるの、死ぬまでね」

絹さんの言葉だ。

喜怒哀楽の感情は生きてきた時代が違ってもそんなに違うものではないと思う。絹さんの顔はやはり深い感情が刻まれた顔だった。

絹さんは2015年101歳でこの世を去った。

「生きてきたこと嘘じゃないんだから、話して何が悪いと思うのよ」

絹さんの生きた歴史の断片を未来に向けて伝えたいと思う。

※当時の表現のまま「看護婦」を使用しています。

 

作家プロフィール


落合由利子(おちあい・ゆりこ)

1963年埼玉県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒。人物ドキュメントを中心に仕事を展開する。

写真集に『東欧 1989 EASTERN EUROPE』(自主出版 2025年)、『話したい-戦争は知らないけれど』(私家版、2021年)、『WINDOW’S WHISPER』(私家版、日本大学芸術学部長賞受賞、1984年)。

主な個展に「東欧 1989 EASTERN EUROPE」(IG Photo Gallery、2025年)、「CORNEREVA-ROMANIA1991」(ギャラリー冬青、2025年)、「働くこと育てること」(全国巡回、2000-2017年)。美術家スクリプカリウ落合安奈とのコラボレーション展示「私の旅のはじまりは、あなたの旅のはじまり」(横浜市民ギャラリー、2024年/MYAF、2023年/ANB Tokyo、2021年)。

著書に『絹ばあちゃんと90年の旅-幻の旧満州に生きて』(講談社、2005年)、『働くこと育てること』(草土文化、2001年)。

共著に『ときをためる暮らし』(文藝春秋/自然食通信社、2012年)、『若者から若者への手紙1945←2015』(ころから、2015年)他。

WEBサイト: https://ochiaiyuriko.com

 

関連イベント


◉10月26日(日)17:00より アーティストトーク: 絹さんを語る
要予約、定員20名 参加費:無料

◉10月31日(金) 18:30より 写真家 藤岡亜弥さんとのトークイベント
要予約、定員20名 参加費:1,000円

予約制:OGU MAG店頭 または info@ogumag.com にて受付いたします。

※予約開始日:10/11(土)~ ※定員になりましたら、予約受付を終了いたします。ご了承ください。

 

11月
6
落合由利子 写真展「絹ばあちゃんと90年の旅―幻の旧満州に生きて」 @ ギャラリーOGU MAG
11月 6 @ 1:00 PM – 7:00 PM

■会期→2025年10月23日(木)~11月9日(日)

■開館時間→OPEN: 木金土日, 13:00-19:00

 

ギャラリーOGU MAGでは、2025年10月23日(木)より、落合由利子 写真展「絹ばあちゃんと90年の旅―幻の旧満州に生きて」を開催します。

写真家・落合由利子は、これまでさまざまな人々の暮らしを写真に収めてきました。ベルリンの壁崩壊直後の東欧を巡り、ルーマニアでは村に滞在しながら、人々の自給自足の暮らしを撮影。日本で自身も子どもを育てながら「働くこと」と「子育て」を題材に複数の家族を記録し、戦後生まれの「戦争体験」をテーマに40人へのインタビューとポートレートで構成された本をまとめるなど、精力的に活動してきました。

今回の写真展は、2015年に101年の生涯を終えた後藤絹さんという、落合がかつて一冊の本としてまとめた、一人の女性の日々の暮らしに流れる時間を写し撮った写真で構成されます。

1913年に生まれ、開拓団として満州へ渡った絹さんは、ソ連の侵攻によって三人の子どもを亡くし、日本の敗戦後も中国の内戦で看護婦として従軍し、8年後にようやく帰国しました。落合は、絹さんの話を聞くうちに、まるで絹さんの人生を一緒に旅しているかのように感じ、その人生は決して「過去の出来事」ではなくなっていったと言います。

本展では絹さんの写真に加え、インタビュー時にカセットテープに録音された声、そして絹さんの人生と戦争体験をまとめた小冊子を通じて、その波乱に満ちた人生を我々も一緒にたどるものになります。ある一人の個人史を通して歴史に触れ、戦争と平和について改めて考えるきっかけとなることを願っています。

写真展の開催に合わせて、特別冊子を発売します。

また、10月26日(日)17:00からはアーティストトーク「絹さんを語る」、10月31日(金)18:30からは現在KOSHA KOSHAで展示中(10/15~東京都写真美術館でも展示予定)の写真家・藤岡亜弥さんとのトークイベントを開催します。こちらもぜひご参加ください。

 

展示作家ステイトメント


「今が一番幸せだよ」

そう言いながら伊豆半島の中央に位置する天城の山奥で一人、畑を耕しながら暮らす後藤絹さんに初めて会った日、その過酷な人生のあらすじをかいつまんで聞いた。

1913年静岡県藤枝に生まれた絹さんは、看護婦をしていた1939年26歳のとき、家の事情で、当時国策だった開拓団として満州(現中国東北部)に渡る。

開拓団の青年と結婚し三人の子どもを授かるが、夫は召集され、1945年8月9日ソ連軍の侵攻、大混乱の中を転々とする避難生活の中で、三人の子どもを次々と亡くし、難民生活者となる。

そして日本敗戦後、内戦状態となった中国で看護婦免許が絹さんを帰国から遠ざけた。中国共産党八路軍従軍看護婦として「留用」され、後方衛生部隊として3年間従軍する。1949年中華人民共和国成立後は、ハルピン医大で看護婦養成のために働くことになる。

日本敗戦から8年が過ぎた1953年39歳でやっと念願の帰国。シベリア抑留を経て天城山麓に開拓に入っていた夫と再会し再び生活を始める。二人の子どもに恵まれ、その子たちも成人し、それぞれの家族を築いた。夫は他界し、絹さんは一人で畑を耕し日々を暮らしていた。

出会った日から6年間、ときどきふらっとやってくる私を絹さんは暖かく迎えてくれた。「こんな話を聞いて、おもしろいのかい?」なんて言いながらお茶を入れてくれるのだった。

彼女と日常を共有し、その記憶を旅するうちに、今まで実感として感じなかったことを感じるようになった。

例えばこんなことだ。

ひとたび国家の戦争が起これば、星の数ほどの「個人の戦争」が始まる。「戦争」は終戦で終わるものではない。

「亡くなった子どものことは忘れないよ、これは一生ついてまわるの、死ぬまでね」

絹さんの言葉だ。

喜怒哀楽の感情は生きてきた時代が違ってもそんなに違うものではないと思う。絹さんの顔はやはり深い感情が刻まれた顔だった。

絹さんは2015年101歳でこの世を去った。

「生きてきたこと嘘じゃないんだから、話して何が悪いと思うのよ」

絹さんの生きた歴史の断片を未来に向けて伝えたいと思う。

※当時の表現のまま「看護婦」を使用しています。

 

作家プロフィール


落合由利子(おちあい・ゆりこ)

1963年埼玉県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒。人物ドキュメントを中心に仕事を展開する。

写真集に『東欧 1989 EASTERN EUROPE』(自主出版 2025年)、『話したい-戦争は知らないけれど』(私家版、2021年)、『WINDOW’S WHISPER』(私家版、日本大学芸術学部長賞受賞、1984年)。

主な個展に「東欧 1989 EASTERN EUROPE」(IG Photo Gallery、2025年)、「CORNEREVA-ROMANIA1991」(ギャラリー冬青、2025年)、「働くこと育てること」(全国巡回、2000-2017年)。美術家スクリプカリウ落合安奈とのコラボレーション展示「私の旅のはじまりは、あなたの旅のはじまり」(横浜市民ギャラリー、2024年/MYAF、2023年/ANB Tokyo、2021年)。

著書に『絹ばあちゃんと90年の旅-幻の旧満州に生きて』(講談社、2005年)、『働くこと育てること』(草土文化、2001年)。

共著に『ときをためる暮らし』(文藝春秋/自然食通信社、2012年)、『若者から若者への手紙1945←2015』(ころから、2015年)他。

WEBサイト: https://ochiaiyuriko.com

 

関連イベント


◉10月26日(日)17:00より アーティストトーク: 絹さんを語る
要予約、定員20名 参加費:無料

◉10月31日(金) 18:30より 写真家 藤岡亜弥さんとのトークイベント
要予約、定員20名 参加費:1,000円

予約制:OGU MAG店頭 または info@ogumag.com にて受付いたします。

※予約開始日:10/11(土)~ ※定員になりましたら、予約受付を終了いたします。ご了承ください。

 

11月
7
落合由利子 写真展「絹ばあちゃんと90年の旅―幻の旧満州に生きて」 @ ギャラリーOGU MAG
11月 7 @ 1:00 PM – 7:00 PM

■会期→2025年10月23日(木)~11月9日(日)

■開館時間→OPEN: 木金土日, 13:00-19:00

 

ギャラリーOGU MAGでは、2025年10月23日(木)より、落合由利子 写真展「絹ばあちゃんと90年の旅―幻の旧満州に生きて」を開催します。

写真家・落合由利子は、これまでさまざまな人々の暮らしを写真に収めてきました。ベルリンの壁崩壊直後の東欧を巡り、ルーマニアでは村に滞在しながら、人々の自給自足の暮らしを撮影。日本で自身も子どもを育てながら「働くこと」と「子育て」を題材に複数の家族を記録し、戦後生まれの「戦争体験」をテーマに40人へのインタビューとポートレートで構成された本をまとめるなど、精力的に活動してきました。

今回の写真展は、2015年に101年の生涯を終えた後藤絹さんという、落合がかつて一冊の本としてまとめた、一人の女性の日々の暮らしに流れる時間を写し撮った写真で構成されます。

1913年に生まれ、開拓団として満州へ渡った絹さんは、ソ連の侵攻によって三人の子どもを亡くし、日本の敗戦後も中国の内戦で看護婦として従軍し、8年後にようやく帰国しました。落合は、絹さんの話を聞くうちに、まるで絹さんの人生を一緒に旅しているかのように感じ、その人生は決して「過去の出来事」ではなくなっていったと言います。

本展では絹さんの写真に加え、インタビュー時にカセットテープに録音された声、そして絹さんの人生と戦争体験をまとめた小冊子を通じて、その波乱に満ちた人生を我々も一緒にたどるものになります。ある一人の個人史を通して歴史に触れ、戦争と平和について改めて考えるきっかけとなることを願っています。

写真展の開催に合わせて、特別冊子を発売します。

また、10月26日(日)17:00からはアーティストトーク「絹さんを語る」、10月31日(金)18:30からは現在KOSHA KOSHAで展示中(10/15~東京都写真美術館でも展示予定)の写真家・藤岡亜弥さんとのトークイベントを開催します。こちらもぜひご参加ください。

 

展示作家ステイトメント


「今が一番幸せだよ」

そう言いながら伊豆半島の中央に位置する天城の山奥で一人、畑を耕しながら暮らす後藤絹さんに初めて会った日、その過酷な人生のあらすじをかいつまんで聞いた。

1913年静岡県藤枝に生まれた絹さんは、看護婦をしていた1939年26歳のとき、家の事情で、当時国策だった開拓団として満州(現中国東北部)に渡る。

開拓団の青年と結婚し三人の子どもを授かるが、夫は召集され、1945年8月9日ソ連軍の侵攻、大混乱の中を転々とする避難生活の中で、三人の子どもを次々と亡くし、難民生活者となる。

そして日本敗戦後、内戦状態となった中国で看護婦免許が絹さんを帰国から遠ざけた。中国共産党八路軍従軍看護婦として「留用」され、後方衛生部隊として3年間従軍する。1949年中華人民共和国成立後は、ハルピン医大で看護婦養成のために働くことになる。

日本敗戦から8年が過ぎた1953年39歳でやっと念願の帰国。シベリア抑留を経て天城山麓に開拓に入っていた夫と再会し再び生活を始める。二人の子どもに恵まれ、その子たちも成人し、それぞれの家族を築いた。夫は他界し、絹さんは一人で畑を耕し日々を暮らしていた。

出会った日から6年間、ときどきふらっとやってくる私を絹さんは暖かく迎えてくれた。「こんな話を聞いて、おもしろいのかい?」なんて言いながらお茶を入れてくれるのだった。

彼女と日常を共有し、その記憶を旅するうちに、今まで実感として感じなかったことを感じるようになった。

例えばこんなことだ。

ひとたび国家の戦争が起これば、星の数ほどの「個人の戦争」が始まる。「戦争」は終戦で終わるものではない。

「亡くなった子どものことは忘れないよ、これは一生ついてまわるの、死ぬまでね」

絹さんの言葉だ。

喜怒哀楽の感情は生きてきた時代が違ってもそんなに違うものではないと思う。絹さんの顔はやはり深い感情が刻まれた顔だった。

絹さんは2015年101歳でこの世を去った。

「生きてきたこと嘘じゃないんだから、話して何が悪いと思うのよ」

絹さんの生きた歴史の断片を未来に向けて伝えたいと思う。

※当時の表現のまま「看護婦」を使用しています。

 

作家プロフィール


落合由利子(おちあい・ゆりこ)

1963年埼玉県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒。人物ドキュメントを中心に仕事を展開する。

写真集に『東欧 1989 EASTERN EUROPE』(自主出版 2025年)、『話したい-戦争は知らないけれど』(私家版、2021年)、『WINDOW’S WHISPER』(私家版、日本大学芸術学部長賞受賞、1984年)。

主な個展に「東欧 1989 EASTERN EUROPE」(IG Photo Gallery、2025年)、「CORNEREVA-ROMANIA1991」(ギャラリー冬青、2025年)、「働くこと育てること」(全国巡回、2000-2017年)。美術家スクリプカリウ落合安奈とのコラボレーション展示「私の旅のはじまりは、あなたの旅のはじまり」(横浜市民ギャラリー、2024年/MYAF、2023年/ANB Tokyo、2021年)。

著書に『絹ばあちゃんと90年の旅-幻の旧満州に生きて』(講談社、2005年)、『働くこと育てること』(草土文化、2001年)。

共著に『ときをためる暮らし』(文藝春秋/自然食通信社、2012年)、『若者から若者への手紙1945←2015』(ころから、2015年)他。

WEBサイト: https://ochiaiyuriko.com

 

関連イベント


◉10月26日(日)17:00より アーティストトーク: 絹さんを語る
要予約、定員20名 参加費:無料

◉10月31日(金) 18:30より 写真家 藤岡亜弥さんとのトークイベント
要予約、定員20名 参加費:1,000円

予約制:OGU MAG店頭 または info@ogumag.com にて受付いたします。

※予約開始日:10/11(土)~ ※定員になりましたら、予約受付を終了いたします。ご了承ください。

 

11月
8
尾久フェスティバル2025 @ JR東日本 尾久車両センター
11月 8 @ 10:30 AM – 3:00 PM

JR東日本首都圏本部は、11月8日(土)に尾久車両センターで「尾久フェスティバル2025」を開催します。

尾久車両センターは車両を方向転換させる転車台を有する、首都圏本部管内で唯一の車両基地です。普段 立ち入ることのできない車両基地で、「尾久フェスティバル」ならではの貴重な体験を多数お楽しみいただけます。

今回初めて、上野駅から専用列車(常磐線E231系)に乗車し、回送ルートを通って尾久駅構内まで乗車できる プランや洗浄線乗車体験ができるプランをご用意し、鉄道ファンやお子さまにワクワクとドキドキをお届けします。

 

1. 概要


開催日時:2025年11月8日(土)10時30分~15時00分 (最終入場は14時00分)
※悪天候等により、やむを得ずイベントを中止する場合があります。

開催場所:JR東日本 尾久車両センター

参加費用:無料(特典付きの入場券は有料)

参加方法:JRE MALLにて事前予約制

募集人員:5,000名

 

2.イベント


(1)体験イベント

①洗浄線乗車体験【1,000円(税込)/13時00分・14時15分】 ※現地にて申し込み(JRE MALLにて販売) 各回定員300名

②高所作業車[マジックボーイ]乗車体験

③線路点検車[レールスター]乗車体験

④各種装置の模擬体験:列車非常停止警報装置・踏切非常ボタン・発車ベル等

 

(2)展示イベント

①レール輸送用気動車展示(キヤE195系)

②転車台方向転換実演

③方向幕・パンタグラフ・ヘッドマーク展示

④プラレール展示(協力:株式会社タカラトミー)
TOMY 「プラレール」は株式会社タカラトミーの登録商標です。

 

(3)その他イベント

①こども駅長制服・技術検修型制服 記念撮影

②缶バッジ製作

③シールラリー

 

>> 入場券の種類・販売方法ほか、イベント詳細はJR東日本ニュースにて(PDF)

 

▼参加申し込み(JRE MALLチケット)はこちら

https://event.jreast.co.jp/prd/?disp_number=40&orderby=2&name=%E5%B0%BE%E4%B9%85%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%90%E3%83%AB

 

落合由利子 写真展「絹ばあちゃんと90年の旅―幻の旧満州に生きて」 @ ギャラリーOGU MAG
11月 8 @ 1:00 PM – 7:00 PM

■会期→2025年10月23日(木)~11月9日(日)

■開館時間→OPEN: 木金土日, 13:00-19:00

 

ギャラリーOGU MAGでは、2025年10月23日(木)より、落合由利子 写真展「絹ばあちゃんと90年の旅―幻の旧満州に生きて」を開催します。

写真家・落合由利子は、これまでさまざまな人々の暮らしを写真に収めてきました。ベルリンの壁崩壊直後の東欧を巡り、ルーマニアでは村に滞在しながら、人々の自給自足の暮らしを撮影。日本で自身も子どもを育てながら「働くこと」と「子育て」を題材に複数の家族を記録し、戦後生まれの「戦争体験」をテーマに40人へのインタビューとポートレートで構成された本をまとめるなど、精力的に活動してきました。

今回の写真展は、2015年に101年の生涯を終えた後藤絹さんという、落合がかつて一冊の本としてまとめた、一人の女性の日々の暮らしに流れる時間を写し撮った写真で構成されます。

1913年に生まれ、開拓団として満州へ渡った絹さんは、ソ連の侵攻によって三人の子どもを亡くし、日本の敗戦後も中国の内戦で看護婦として従軍し、8年後にようやく帰国しました。落合は、絹さんの話を聞くうちに、まるで絹さんの人生を一緒に旅しているかのように感じ、その人生は決して「過去の出来事」ではなくなっていったと言います。

本展では絹さんの写真に加え、インタビュー時にカセットテープに録音された声、そして絹さんの人生と戦争体験をまとめた小冊子を通じて、その波乱に満ちた人生を我々も一緒にたどるものになります。ある一人の個人史を通して歴史に触れ、戦争と平和について改めて考えるきっかけとなることを願っています。

写真展の開催に合わせて、特別冊子を発売します。

また、10月26日(日)17:00からはアーティストトーク「絹さんを語る」、10月31日(金)18:30からは現在KOSHA KOSHAで展示中(10/15~東京都写真美術館でも展示予定)の写真家・藤岡亜弥さんとのトークイベントを開催します。こちらもぜひご参加ください。

 

展示作家ステイトメント


「今が一番幸せだよ」

そう言いながら伊豆半島の中央に位置する天城の山奥で一人、畑を耕しながら暮らす後藤絹さんに初めて会った日、その過酷な人生のあらすじをかいつまんで聞いた。

1913年静岡県藤枝に生まれた絹さんは、看護婦をしていた1939年26歳のとき、家の事情で、当時国策だった開拓団として満州(現中国東北部)に渡る。

開拓団の青年と結婚し三人の子どもを授かるが、夫は召集され、1945年8月9日ソ連軍の侵攻、大混乱の中を転々とする避難生活の中で、三人の子どもを次々と亡くし、難民生活者となる。

そして日本敗戦後、内戦状態となった中国で看護婦免許が絹さんを帰国から遠ざけた。中国共産党八路軍従軍看護婦として「留用」され、後方衛生部隊として3年間従軍する。1949年中華人民共和国成立後は、ハルピン医大で看護婦養成のために働くことになる。

日本敗戦から8年が過ぎた1953年39歳でやっと念願の帰国。シベリア抑留を経て天城山麓に開拓に入っていた夫と再会し再び生活を始める。二人の子どもに恵まれ、その子たちも成人し、それぞれの家族を築いた。夫は他界し、絹さんは一人で畑を耕し日々を暮らしていた。

出会った日から6年間、ときどきふらっとやってくる私を絹さんは暖かく迎えてくれた。「こんな話を聞いて、おもしろいのかい?」なんて言いながらお茶を入れてくれるのだった。

彼女と日常を共有し、その記憶を旅するうちに、今まで実感として感じなかったことを感じるようになった。

例えばこんなことだ。

ひとたび国家の戦争が起これば、星の数ほどの「個人の戦争」が始まる。「戦争」は終戦で終わるものではない。

「亡くなった子どものことは忘れないよ、これは一生ついてまわるの、死ぬまでね」

絹さんの言葉だ。

喜怒哀楽の感情は生きてきた時代が違ってもそんなに違うものではないと思う。絹さんの顔はやはり深い感情が刻まれた顔だった。

絹さんは2015年101歳でこの世を去った。

「生きてきたこと嘘じゃないんだから、話して何が悪いと思うのよ」

絹さんの生きた歴史の断片を未来に向けて伝えたいと思う。

※当時の表現のまま「看護婦」を使用しています。

 

作家プロフィール


落合由利子(おちあい・ゆりこ)

1963年埼玉県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒。人物ドキュメントを中心に仕事を展開する。

写真集に『東欧 1989 EASTERN EUROPE』(自主出版 2025年)、『話したい-戦争は知らないけれど』(私家版、2021年)、『WINDOW’S WHISPER』(私家版、日本大学芸術学部長賞受賞、1984年)。

主な個展に「東欧 1989 EASTERN EUROPE」(IG Photo Gallery、2025年)、「CORNEREVA-ROMANIA1991」(ギャラリー冬青、2025年)、「働くこと育てること」(全国巡回、2000-2017年)。美術家スクリプカリウ落合安奈とのコラボレーション展示「私の旅のはじまりは、あなたの旅のはじまり」(横浜市民ギャラリー、2024年/MYAF、2023年/ANB Tokyo、2021年)。

著書に『絹ばあちゃんと90年の旅-幻の旧満州に生きて』(講談社、2005年)、『働くこと育てること』(草土文化、2001年)。

共著に『ときをためる暮らし』(文藝春秋/自然食通信社、2012年)、『若者から若者への手紙1945←2015』(ころから、2015年)他。

WEBサイト: https://ochiaiyuriko.com

 

関連イベント


◉10月26日(日)17:00より アーティストトーク: 絹さんを語る
要予約、定員20名 参加費:無料

◉10月31日(金) 18:30より 写真家 藤岡亜弥さんとのトークイベント
要予約、定員20名 参加費:1,000円

予約制:OGU MAG店頭 または info@ogumag.com にて受付いたします。

※予約開始日:10/11(土)~ ※定員になりましたら、予約受付を終了いたします。ご了承ください。