Blackhole Coffee Roaster コーヒーの楽しさ伝えたい。町屋の路地裏より(前編)

2017年、町屋に「Blackhole(ブラックホール)」という変わったネーミングの自家焙煎スペシャルティコーヒー豆販売店が出来たことは、風の便りになんとなく知っていました。
開設されているウェブサイトもインパクトのあるデザイン。

気になっていたお店に、ぷらぷらと自転車を走らせながら寄ってみたのが年が明けて3月のこと。
ウェブサイトにも載っているかわいい黄色い壁と、星柄のようなロゴマークをプリントしたガラス扉のあるそのお店は、尾久の原公園の近く、町屋の住宅街の入り組んだ路地の中にほっこりとありました。

blackhole coffee roaster 外観

店の外には3種飲み比べセットの看板。
向かって左側にはテーブルと椅子が置いてあり、飲み比べをするお客さんが落ち着いて珈琲を飲み比べできるようになっています。
訪れた当日も外国人客がお店を訪れており、焙煎機の置いてある店内ではエプロンを付けたご主人が忙しく飲み比べ用の珈琲をドリップで淹れていました。

blackhole coffee roaster 飲み比べ

その様子を少し眺めていると「お待たせしてすいません。すぐお持ちしますので。」と、とても丁寧に応対していただき、こちらのほうが恐縮。
やがて、2種類の違うコーヒーを試飲用に持ってきてくださいました。
試飲している間も、豆の産地や香りの違いについて詳しく説明してくれます。思わず買いたくなり、その場で購入を決めてしまいました。

インタビューを行ったのは3月末。
コーヒーにまつわるお話を聞きながら1時間あまりに渡って前田さん自らに入れていただく様々なコーヒーを頂けるという贅沢な時間になりました。

 

1. 生死の分かれ目を身近に感じる体験から、お店の立ち上げへ。


ご主人の名前は前田国敏さん。大田区のご出身です。

「シンゴジラに破壊された辺りですよ(笑)。」

東京生まれ東京育ちの前田さん。もともと編集や営業の仕事を会社員としてやってきましたが、仕事で仙台に住んでいたときに震災に遭遇。ちょっとした違いで生死が分かれることを間近に感じる体験を通じて、起業への道を歩み始めたと言います。

blackhole coffee roaster 前田さん

「ちょうど前日にも海沿いに行ってたんです。一日違っていたら死んでいたなとリアルに思いました。人間いつか死ぬのであれば、好きなことをやったほうがいいなとその時から思い始めました。」

当時は法人営業だったので、起業までの準備として消費者に直接何かを販売する仕事の経験を積み、その後、Blackhole Coffee Roasterを立ち上げます。

「もともとコーヒーが大好きです。家族がみなコーヒー好きの家で育ちまして、私がコーヒーを作る係になっていました(笑)。高級な豆を使っていたわけではないですが、必ず朝、私がドリップを淹れていました。」

2017年に開店したさん。お店のオープンにあたっては苦労もあったそうです。

「もともと妻の実家でここは町工場だったんです。全部自分達でペンキを塗って作り上げました。焙煎機の性能をしっかり発揮するにはしっかりとした煙突が必要なんですが、ここは煙突がつけられたのでピッタリでした。ただ、貯めておいたお金は焙煎機で殆ど使ってしまったので、あとは全て、自分達で作り上げました。」

blackhole coffee roaster 焙煎機

 

2. 一つ一つの豆の香りを引き出す最適な焙煎状態を確認し、最高と納得できるものだけを提供


「こちらはエチオピアのイルガチェフェという豆のG1(最上級グレード品)です。」

と淹れていただいたコーヒーは酸味のある味。酸味のある無しは、豆の成分に拠るものなんでしょうか。

blackhole coffee roaster エチオピア

「豆によるものもあるのですが、多くは焙煎の仕方によるものです。焙煎が浅いと酸味が強くなります。深いと酸味が減ってコクが増えてきます。また、豆によっては一定以上焙煎するといきなり風味や個性が抜けてしまう豆があります。そこのギリギリのラインで焙煎すると美味しくなる場合が多いんで、そこを攻めるんですが、非常に難しいです。なので、初めての豆を仕入れたら何段階にも分けて焙煎してみて、特徴をつかみます。」

Blackhole Coffee Roasterでは、豆に合った最適な焙煎時間がどれくらいなのかを実際に味わってみながら細かく管理することで、豆の味を引き出す最高の焙煎状態で販売することにこだわっています。

「生の豆を観察してみると、どれくらいの煎りに耐えうるのかといったものは大体の傾向は分かりますが、実際に飲んでみないとお出しするには。最初はざっくり4段階ぐらいに分けて、更にその中で3段階ぐらいに分けて試したりしています。10秒~15秒ぐらいで色も味もかなり変わってしまいます。」

blackhole coffee roaster 2

最近はコーヒー豆の市況は非常に競争が激しく、買い付け価格もかなり高騰していますが、前田さんにはコーヒーの適正な値段に関する持論がありました。

「中国勢などが良い豆をかなり高い値段で買っていくのですが、去年はパナマのゲイシャという豆が通常の豆の100倍ぐらいの値段で落札されたりしていました。でも、私からするとコーヒーって安すぎるんです。比較的良い評価のコーヒーでもワインなどと比べれれば全然値段のレベルが違います。」

「コーヒー豆を育てて収穫するまでの手間など生産者の苦労を考えれば、もっと高くなっても良い飲み物だと思っています。多くの場合は山の斜面で作るので、ピッカーと呼ばれる人が手摘みで豆を摘みます。非常に手間のかかる作物です。ですので、うちの価格も少し高めなんですが、その値段に見合うように、焙煎の品質にこだわって取り組んでいます。」

blackhole coffee roaster 内観

Blackhole Coffee Roasterさんの豆は、2月にオープンしたばかりの町屋のカド珈琲さんでも使われています。
カド珈琲への納品にあたっては、単に豆を販売するだけでなく、その豆を使ったコーヒーの淹れ方まで、カド珈琲さんと一緒になって開発をするなど、お客様の視点に立った徹底したきめ細かなサービスを提供されています。

「コーヒーマシンを使ったコーヒーで香りが立つように、様々な試行錯誤を繰り返しました。妻も協力してくれて色々文献を調べてくれたのですが、その中で、オーストラリアに”ロングブラック”という珈琲の淹れ方があるのがわかり、その方法を試してみたところ、マシンで入れたコーヒーでもパンチと薫りが立つことがわかり、その方法でコーヒーを入れることになりました。」

後編へ続く

★キャンペーン情報★


Blackhole Coffee Roasterでは、オープン1周年記念としてお好きなコーヒー1杯分増量キャンペーンを実施。2018年6月10日より7月31日まで。(※コーヒー豆のご購入のみ。ギフト品は対象外。)


<店舗情報>

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