荒川区発の気鋭な製品群「Style-A」を見てきた – ARAKAWA INDUSTRIAL EXHIBITION の現場より

秋晴れの11月11日・12日、二日間にわたって「ARAKAWA INDUSTRIAL EXHIBITION」(荒川モノづくり技あり市)が開催されました。

従来行われていた産業展を発展させ、よりビジネス展示会としての機能を明確にし、区内の産業をブランディングしていこういう考えで装い新たに行われたビジネス展示会。日暮里のホテルラングウッドにある日暮里サニーホールの会場には32のブースが並び、区内各企業の技と製品が展示されました。

以前の産業展と比べ、会場イメージも少しビジネスカンファレンスらしい落ち着いた雰囲気に。

今回から展示会が掲げているブランドコンセプト「Style-A(スタイル・エー)」。
ArakawaのA、ArtのA、AmazingのA、AwesomeのA。
消費者の好みが多様化している、モノよりコトを消費する社会になってきていると言われる中、ユニークで高付加価値なオリジナル商品を荒川区としても押し出していこうというメッセージが込められています。

会場になったのは日暮里サニーホール(ホテルラングウッド内)

会場には二日間で約1800人が来場。「従来の産業展に比べて若い年齢層や親子連れの方も多く来場され、製品目当てに来場される方が多かった」(荒川区経営支援課)とのこと。

実際にどんな商品が展示されていたのか、いくつかのブースを紹介しましょう。

 

1. 石川金網株式会社


会場に入ってまず目に入ったのが金銀銅色の落ち着いた色合いをした折り紙の数々。
実はこの折り紙たち、よくよく見ると紙ではありません。
金属なんです。

石川金網 ORIAMIで作られた折り紙たち
ORIAMIによる作品

実はこちら、特殊な配合の金属素材をつかって編まれた金網「おりあみ/ORIAMI」によって折られたもの。
開発したのは荒川5丁目にある石川金網株式会社さんです。

石川金網

石川金網さんは創業1922年。90年以上の歴史を持つ金網製造会社です。
もともとは工業用に生産していた金網から派生し、職人さんの試行錯誤を経て、一般の方でも安全に扱える「ORIAMI」が2015年に誕生しました。

石川金網 おりあみ
世界初。ORIAMI。

金網でできているので、作った折り紙作品が、半永久的に壊れたり形が崩れることがありません。
オンラインでも購入できるので、ぜひ気になった方は買ってみてはいかがでしょうか?

金属製品ですが、誰でも安全に扱えるよう工夫がなされています。

これは「Amazing」。
間違いなく、Style-Aな製品です。

オンラインストア:(Amazon)

 

2. 渡邉製本株式会社


「ただのノートブックじゃない、BOOK NOTE」。

展示されていたのは各種ノート。

渡邉製本 BOOK NOTE
色合いもかわいいBOOK NOTE

デザインはかわいく、私のような文房具好きはすぐ買いたくなってしまうのですが、ちょっと見たところでは普通のノートブックに見えます。何が違う普通のノートと違うのでしょう?

普通、ノートって180度まで開きますよね?でも、開いたとき、綴じ部分を中心に少し紙が浮いてしまうため、中心部分までは書きにくいです。これが、BOOK NOTEでは、完全にフルフラットに開きます。つまり見開き全体を1枚の紙のように使うことも出来るのです。

渡邉製本 BOOK NOTE 2
様々な製本屋の技術と思いが詰め込まれています。

また、柔らかい表紙素材のノートであれば180度以上に開くこともできますが、柔らかいので立ったままメモを取ったりするのは不向きです。一方で、メモ取りなどに向いている固い表紙素材のノートはあんまり広げると背の綴じの部分が壊れてしまったりします。

ですが、こちらのノートは、適度に固い表紙を使っていながら、どのページからでも簡単に360度開くことができるんです。
片手でノートをもって、片手にペンを持って何かを書き込む。そんなとき、360度開いてくれるとノートを持つ手の負担が軽く、書き込みがしやすいですね。

渡邉製本 BOOK NOTE 3
社長の渡邉さん。ご覧のとおりどのページからでも360度に開きます。

製本屋が作ったノートならではのサービスとして、お好みのサイズにノートをカットしてくれるサービスもあります。
自分の手に馴染むサイズにカットしてもらったノート、、手放せない一品になりそうです。

上記のほかにも創業70年の製本屋のこだわりが細かく詰まったBOOK NOTE。すべて手仕上げで製作されています。
見た目は地味ですが、一冊持っていれば友人知人に自慢できますね。
Awesome。こちらもStyle-Aな商品です。

BOOK NOTE紹介ページ

 





3. HOLIDAY-ROAD(ホリデーロード)


会場で一際風変わりな商品を展示していたのがHOLIDAY ROAD。
「世界一小さなアウトドアメーカー」を標榜する、荒川6丁目にあるテクノロジー会社です。

展示されていたのは「下町ロケスト 3way」。

HOLIDAY ROAD 下町ロケスト
下町ロケスト 3ways

高い燃焼効率で人気を誇る薪ストーブのロケットストーブ。
こちらの商品は、通常だと断熱材などの兼ね合いでかさばってしまうロケストを、軽量コンパクトに押さえつつ最高の燃焼効率を出す、最高のアウトドア・ギアを開発したいという思いから開発されたものです。

高い燃焼効率を引き出すには断熱材が必要。
一方で、軽量コンパクトに抑えたい。
この矛盾する機能コンセプトを実現するために、かなりの試行錯誤を繰り返したといいます。

さらに、通常その名のとおりロケット筒状の形状をとるロケットストーブでは煙突上部で排熱を利用した調理が可能ですが、こちらのロケットストーブはそのユニークな形状を活かして3箇所で同時調理が可能。
コンパクトなのに簡単なオーブン焼きが可能なトレイまで備えています。

更に驚きなのはこれだけ多機能なのに分解して収納するときにはアタッシュケース程度の大きさ(21cm x 47cm x 14.1cm。重量4.7kg)になってしまうというコンパクトさ。

HOLIDAY-ROAD ミャンマー
電気インフラが不安定なミャンマーでも大活躍した様子。

HOLIDAY-ROADではこのようなアウトドアの楽しみを究極に追及する商品を次々と生み出しており、コアなアウトドアファンの間では人気を誇っているといいます。荒川区にそんなメーカーがあるなんて誇らしいですね。

小さな中にマルチな機能を詰め込んだその設計力はArtistic。やはりStyle-Aです。

HOLIDAY ROADホームページ

 

4. 株式会社オフィスサニー(plus Orange)


以前荒川102でも紹介したオフィスサニーさん(驚きの「革のような紙」を作り出す印刷会社:plus Orange by オフィスサニー)。
見ても触ってもまるで革のようにしか感じられない、驚きの「革のような紙」を使ったブックカバーや各種紙製スタンドなど、「plus Orange」のブランド名のもとにオリジナルな商品展開でチャレンジを続ける印刷会社です。

plus Orange ブース

今回のExhibitionでは、従来からある「印傳のようなブックカバー」などに加えて、最近商品ラインナップに加わったという「凹凸塗り絵」などを展示。

plus Orange 凹凸ぬり絵ノート
凹凸ぬり絵ノート

革のような紙、の印刷につかわれているバーコ印刷を活用した新しいアイデア商品となるこちらは、盛り上げ印刷でラインで作ることで、誰でも簡単に綺麗な塗り絵ができるようになっています。

バーコ印刷の不思議な質感。これは実物に触れてみることをオススメしますよ。東日暮里のオフィスサニー本社の併設店、または、御徒町のものづくり拠点、2k540の店舗で実物をぜひ見てみてください。

塗り絵だけでなく、教材への展開なども考えているという社長の高橋さん。

plus Orange 高橋さん
オフィスサニー社長の高橋さん

アイデア溢れる商品展開でまたまたアッと驚かせてくれました。
これからもまだまだ新しい展開がありそうです。期待のArakawa企業、Style-Aです。

plus Orangeホームページ

 

他にも紹介したいStyle-Aな会社、たくさん出展していましたが、今回はここまで。
荒川区には、まだまだ住民も知らないあっと驚く技術、商品を持つ企業があるんです。

荒川102ではこれからもそんな企業を紹介、応援していきたいと思います。

 

(スポンサード記事)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です