夏フェス「荒川遊園地通り すとりぃとふぇす」がやってくる!(8月20日)③想い

今週日曜日に迫った「すとりぃとふぇす」。

このイベントをサポートしてきた沢山の人達の中から、当日無料上映される映画「サクラ花」の監督である松村監督、そして総合MCであり朗読劇も披露する予定の浅川芳恵(通称:しーとん)さん。地元在住のお二人に特別にお話を聞いてきました。
様々な思い、秘話をお聞きし、人と人との縁の力をあらためて感じるインタビューでした。

・松村監督インタビュー – 映画「サクラ花」に隠された秘話
・しーとんさんインタビュー – 人のつながりで出来たイベントだということ、お客さんも感じると思うんです。

 

映画「サクラ花」に隠された秘話(松村監督)


商店会のショートムービーを作ったのがきっかけで山岸さんと親しくなり、今回のフェスも手伝うことになった荒川区在住の映画監督、松村さん。デビュー作「オールナイトロング」で新人賞を受賞し、その後も社会的、歴史的なものをテーマにした作品を多く撮影しています。

今回フェスで上映される「サクラ花」は、旧日本海軍の特攻機「桜花」を題材にした実話にもとづくフィクションであり、極限の環境の中で、特攻隊員を運ぶ爆撃機の機内の様子をリアルに描いています。

「おれ今熊本から帰ってきたばかりだから、ちょっと疲れてるけど。年なもんで。」
と言いながら席に座った松村さん。

インタビューを始めると、若いころの映画への感動、助けてくれた方々への感謝、人への想いが溢れていました。


– ご出身はどちらですか?

東京です。正確には西麻布で生まれて2-3才までいましたけど、基本的には上野育ちですね。
荒川区にはもう30年ぐらい前から住んでいます。


– なぜ映画の道に進まれたんですか?

父親が上野に「スター座」っていう映画館があって、そこの初代の支配人だったんですよ。
そういうわけで、映画は大好きだったんで、小学校の4-5年ぐらいから映画館にはつれていってもらってたんです。

その頃はね、有楽町の映画街っていうのがまだ残ってたんですよ。
今はシャンテとか綺麗なビル街になってしまったけど、あれは全部個々の映画館でね。
唯一残っているのが駅前のスバル座ぐらいなんですね。昔のまま残っているのが。
ま、そういうことで家も近かったですし、日比谷有楽街っていうのは映画街としてもすごく素敵な場所だったんですよ。

映画館自体もすっごく素敵な建物だったんですよ。
例えばね、日劇の地下にあった丸の内東宝ってなんて映画館は、今でも覚えているんですけど、赤絨毯が敷いてあって、ロマネスク様式というのかな。すごくゴージャスなね。
僕が決定的に映画が好きになったのが丸の内東宝で父に連れていってもらった「ポセイドン・アドベンチャー」という映画です。ほんとに(映画の)豪華客船と(映画館の)雰囲気がぴったりだったんですよ。
今は映画館って本当に個性がなくなってきちゃって、シネコンも悪くはないんだけど、映画館で見る楽しみ、映画館文化っていうのが消えるのが寂しいね。


– 最初から監督の道を?

一応映画好きの青年ですよ。でも俺、監督になるなんて全く思ってなかったんですよ。
ただ漠然と映画が好きだったんで大学で映画研究会入ったんです。

そこで8ミリフィルムで映像とったりしましたけど所詮アマチュアですよね。その頃からもう映画は斜陽産業だったので、映画会社が助監督を募集するということが全くなかったし、僕自身もそんなことは全くない、って思ってたんですよ。でも、一応映像の世界は興味があるから全部のテレビ局を受けました。でも全落ちしました。下請けも。

ただ、ラッキーだったんですけど、毎日映画社というところで運良く受かりまして、他の候補者がやめたりして。僕はそこでテレビのドキュメンタリーとか作って6年ぐらいいたんですが、それも少なくなってきて、なにか面白いことはないかなと思ってフリーになったんです。

辞めたときに2時間ドラマとかを作るテレビの制作部で仕事をしました。
そこで初めて現場やったんですけど、ドラマの現場なんかやったことないので全然ダメで。これは俺は無理だな、とてもじゃないけど映画なんて無理だな、って思っていたら、そこで一緒にやっていた同僚の人が、大映という会社のプロデューサーを紹介してくれまして。

池田さんっていう方なんですけど、その方が企画書を読んでくれる、って言うんです。それで、デビュー作の「オールナイトロング」を書いたんです。

当時Vシネマっていうビデオで見る映画が凄く流行った時期だったんですよ。大映はそれに使うソフトを探してたんですね。池田さんが、僕のプロット読んで面白いね、って言ってくれて、脚本書いてみない?って言われました。

もちろん僕は映画監督なんて初だったんですけど、予算も3000万円ぐらいつけてくれて。しかもフィルムですよ。Vシネマじゃもったいないからちゃんと劇場公開しよう、と言ってくださって中野にあった武蔵野ホール、っていうところで上映してくれたんですよ。

そこは僕みたいな当時の若手の登竜門でね、結構固定ファンがいたんですよ。70人ぐらいの。3000人ぐらい見てくれたのかな。この映画で、横浜映画祭の新人監督賞を取ったんです。29のときです。

本当にいい会社でした。若い人にほんとうにチャンスを与えてくれる。本当によくしてくれた。無名の監督なのに、ポスターも、大映の社内の壁全面に僕の映画のポスターを貼ってくれたり。本当に全て池田さんと大映のおかげなんです。


– 映画「サクラ花」について教えてください。

撮影にあたっては生き残りの方にお話を聞きました。一式陸攻の乗員で、操縦と電信の担当だった方です。実際に特攻機を積んでいき、帰ってきた方です。

この映画の撮影が2015年6月だったんですが、その方はちょうどその時に亡くなられてたんですよ。あとで知ったんですけど。運命的なものを感じました。
亡くなられる前にその方のお話が聞けて、すごく感謝しています。

例えば電信の打ち方ですとか機内の様子ですとか。映画で電信員をやってもらった三平さんには(インタビューしたときの)ビデオを見てもらって演技に活かしてもらいました。

映画でおにぎりを食べないシーンがあるでしょ。あれもそうなんです。誰も食べる気がしないらしいんです。仲間が一人確実に死ぬ。自分たちもどうなるかわからない。
だから食欲なんか湧かないから誰も手をつけないらしいんですね。

元乗員の方へのインタビューが収録された予告動画。

 


– 特攻機の名称の「桜花」ではなく、タイトルを「サクラ花」にされた理由は?

土浦の自衛隊の基地の近くに予科練記念館というところがあって、そこに資料館があるんです。そこに特攻された方の辞世の句があるんですね。

その辞世の句の中で、「桜花」と書いて「サクラ花」とふりがなが書いてあるものがあって、あぁこれは美しいけど悲しい響きだな、と思って。それで「サクラ花」というタイトルにさせてもらいました。


– 歌を泰葉さんに歌って頂いているのはどういったご縁だったんでしょう?

長い話しになるんですが、私が「天心」という作品を撮ったときに三平さんご夫妻に見てきていただいたのがきっかけで、三平ファミリーとお付き合いさせていただいていたんです。
その三平ファミリーが鎌倉の建長寺でやっているファミリーイベントに伺わせていただいたんです。まだサクラ花の撮影に入る前のことです。

そしたらたまたまなんですけど、建長寺に桜花の慰霊碑があったんですよ。そこで凄くご縁は感じたんです。

その時はそれで終わったんですけど、後で、映画の通信兵の役割をやる役者さんは誰がいいだろう、って考えていたら、ふと、林家三平さんが思い浮かんだんですね。
ちょうど役割に合っていると思ったんですよ。役柄も、優しくて賢くて、それでいてどこかで日本が戦争に負けるだろうなってことを感じていて。三平さんがぴったりだと思ったんですね。
それで、三平さんのご自宅に打合せにいきました。

機内の人間模様がリアルに描かれる。林家三平さんは電信員役で出演。

その時、同席されたお母さんの海老名香葉子さんが「泰葉が新曲を出しました。『桜舞う日は』というんです。もし気にいったら使ってください」と言ってデモCDを渡してくれたんです。

(歌のタイトルが映画のテーマと近かったのは)偶然ですよ。本当にびっくりしました。聞いてみたら歌詞の内容が映画にぴったりだし、曲も歌声もすばらしいし。

歌詞はお母さんが書いたんですが、「空にいったあなたを、雲はなんでも知っている」という歌詞を聞いたとき、まさに「サクラ花」という映画のために作っていただいたような歌だと思いました。
それで、ぜひ使わせてください、って言って使わせてもらうことにしたんです。

香葉子さんは空襲で肉親でたくさん亡くされたんですけど、「桜舞う日は」は、当時38才で亡くなられたお母さまへの思いを込められたものだったんですね。
空にいったあなたというのはお母さんのことなんですね。でもこの映画にもピッタリで。
そういういろいろな偶然と繋がりで、この映画は出来たんです。

制作費も、思った以上にかかってしまってどうしようかなと、眠れないような日もありました。
でも茨城県の市議の方にすごく応援していただいて、一口1万円でいろんな企業や団体を紹介してもらって一緒に行きました。
それで何とかお金を集めて完成させられましたが、その方の助けが無かったらできなかったですね。
もう5万人近くの方に見ていただいていますし、やってよかったなって思ってます。


– 映画を見に来られる方に感じてもらいたいことはありますか?

若い人には少し縁遠いテーマですが、そういう世代の方にもぜひ見に来てほしいです。
あと、泰葉さんのコンサートは、本当にすごくいいんですよ。見た人はみなさん感激して、涙を流す人いっぱいいるんですよ。

一人の芸術家、アーティストとしても泰葉さんは本当に素晴らしい方で、歌声も、コンサートでは一曲一曲の思いを説明してくれるんですけど、その語りも素晴らしいです。
アーティスト泰葉さんのすばらしさ、みなさんにも見てほしいなと思いますね。

 

人のつながりで出来たイベントだということ、お客さんも感じると思うんです(しーとんさん)


浅川芳恵(しーとん)さん

朗読劇に出演し、総合MCも務める浅川さん(通称しーとん)は尾久に住む地元の女優さんです。
大きな目をくりんくりんさせながら話すしーとんさんとのインタビューは、都電ウイスキーもいただきながらの楽しいインタビューになりました。


– 普段どんな活動をされているんですか?

普段は俳優活動とMC業をしています。荒川区で大きなイベントに参加するのは初めてです。
まだ引っ越してきて2年半ぐらいなんです。


– フェスに関わるようになったきっかけは?

直接的なきっかけは遊園地通り商興会のショートムービー「あらかわグラフィティ」に出演したことだったんですけど、元々松村監督とは知り合いで「サクラ花」にもちょろっと出ていたりするんです。
彼は荒川区民ですから、私が尾久に引っ越してきたって報告したら「いつでも飲めるね~」なんてことは言っていました。

引っ越してきて最初は知り合いもいなくて「超自由~~」って思ってたんですけど、そのうち「ここで病気になったら誰も助けてくれない、やばい~」って思い始めて(笑)。

そこで、地元で知り合い作ろう〜って思って、ファミレスとかに行くのをやめて地元の飲み屋さんとか行くようになったんです。
そしたら常連のおじさんがいて「女の子が一人で来たぞ」なんて感じになって(笑)声をかけてくれて、そのおじさんが他の常連さんとかを紹介してくれたんです。

だんだんと、お店に行くとなんとなく知った顔に会える、って感じになって、お店が公演の告知をしてくれたり、お客さんが公演を見に来てくれたり、というような交流が始まりました。

お店を通じて知り合った方を通じて地元の飲み会に誘われて朗読劇をやったり、そこで知り合った梅の湯さんで朗読劇やらせてもらえませんか、って頼んだらやらせてもらえて、その時には山岸さんも見にきてくれていたりして。

そういうつながりが生まれる中で、だんだん地元の女優ってことでショートムービーに出演させてもらったりして、だんだん地元女優化してきました(笑)。


– なぜ尾久に住んだのですか?

尾久って全然知らなかったんですけど、誰も知らない土地に行きたい、、、みたいな感じで(笑)。
山手線沿線がいいなって思って家賃相場が高くないところを探していたんですが、私としてはもう30も過ぎて、初めて自分の名義で家を借りるとか、なかなかの大冒険だったんですよ。私の人生の中では。

でも、父親譲りというか、すぐ人と話す性格に、今回は助かったかな~っていう。


– すぐ誰とでも話す性格なんですか?

きっかけがあったら話しますよ。
何か一口ご飯を食べて誰かと目があったら「おいしいっすね~」みたいな(笑)。

いずみやさんの食事もしながらの笑いの絶えないインタビューに。

でも、この土地は気さくな人が多いんでしょうね、そういう気がすごくします。あったかい。
だってその最初に行った居酒屋さんとかは、なぜかよくわからないけど引っ越してきて初めての誕生日のときにここでお祝いやるよって言われて、知らないおじさんとかなぜかいっぱいお祝いしてくれて(笑)。

ここは受け入れるキャパシティが大きな土地な気がしますね。いい距離感がありますよね。


– フェス全体の進行をオーガナイズするのは大変では?

私が見えているのは一部だけだと思います。

最初は、梅の湯で朗読劇をやったときに会長が見に来てくれていて、「今度イベントやるから、しーとん朗読劇やってよ」みたいな感じで最初は出演枠をもらう、という感じの話しだったんです。

梅の湯での朗読劇の様子

私は実は井の頭公園で2010年ぐらいからわりと大きな手作りイベントのステージをずっと担当していたりするんですね。司会や出演者のとりまとめをしたり。なので、ステージを担当するならやるよ、ただ、司会もやらせて、という感じでだんだんと運営側に入っていった感じです。

ステージで司会をするならイベント全体のことを分かっていないといけないので、自然と全体を把握するためにあっちは?こっちは?ってやっているうちに周りと絡む必要性が出てきた感じですね(笑)。


– 大変だったことありますか?

うーん、別に、、、、(笑)想定の範囲内ですよ。
個人的に一番やばいのは、実は台本があがってきたのがつい最近で、当日大丈夫かな~って(笑)。


– 今回の朗読劇について教えてください。

マニンゲンプロジェクトと劇団をやってきていた町田さんと、今回初めてタッグを組んで作品づくりをします。
「バカの苦悩」というタイトルなんですけど、人類で最後の一人になりました、っていうような人がひとり語りをする内容なんです。

11月に別で一人芝居の公演を控えているんですけど、それに関連するような内容で書くね、と言われているので、多分関連があるんだと思います(笑)。まだプロットしか見てないんですよ。。ちょっとわからないな。。。(笑)

アリスの広場
朗読劇の会場となるのはアリスの広場。

朗読劇、空の下でやるのは今回初めてなんですよ。
一人だし、派手じゃないし、マイクは使いますしBGMもあるんですけど、かなり実験的な試みではありますね(笑)。


– 総合MCとして、今回のフェスへの意気込みをどうぞ

総合MCとしてコーディネータの川村さんと入念に会場をチェック

完全にこう、人のつながりで出来上がってきているイベントだなっていうのは感じていて、それってすごくお客さんに伝わると思うんですよ。

売上がいくらとか、スポンサーが、とかよりも、ただこの街が好きで、ここに人がもっと集ったらいいのに、という人たちの気持ちが当日集結するんじゃないかと思っていて、やっぱりそれが今年をスタートして、来年以降にちゃんとつながっていく、その旗揚げにしたいな、という風に思いますね。

 

商興会に所属しているわけではないけど中心人物として今回のフェスに携われているお二人。
フェスに至るまでにもいろいろなところで人と人の気持ちがつながり、その流れがフェスへと連綿と続いてきたことを感じたインタビューでした。

映画「サクラ花」、朗読劇「バカの苦悩」。お二人の気持ちも感じながら、ぜひ会場に足を運んで見てみてくださいね。

 

映画はスポーツセンターのアリーナ(体育館)にて。
朗読劇は、アリスの広場にて予定されています。
雨天の場合はどちらもアリーナで実施されますので詳細はHPにてよくご確認を。

すとりぃとふぇす関連記事はこちら

<荒川遊園地通り すとりぃとふぇす>

日時:8月20日9時〜20時。
場所:都電荒川遊園地前停留所より、あらかわ遊園内アリスの広場までの全域。
料金:A〜Cエリア無料。Dエリア(アリスの広場)入場券は1000円(あらかわ遊園入園代、200円分のクーポン付き)。
※チケットを購入すると、小学生以下は入場料含め無料となります(通常小学生土日料金は100円)。
※雨天時はダンスバトル、コンサートなどはスポーツセンターアリーナで行われます。
※詳細は商興会ホームページにて。

(荒川102スポンサード記事)

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